第12話 仲間を信じるという事 フィラネス「全く・・・対策もなしにこんな所に入るとは・・・」 ウィンド「こんな対策してるわけないだろうが・・・!!」 かなり・・・というか、すごく焦る。 相手は天使のリーダー。 とてもじゃないが勝ち目は無い。全く無い。 ウィンド「・・・俺としては見逃してもらいたいんだけど。」 フィラネス「そうは行かない、敵だからな・・・」 ウィンド「冷静に考えてくれ!! そこまで強くない人1人と天使の総大将が戦って何になる!? 結果分かりすぎてるだろうが!!」 フィラネス「どれだけ弱い相手を狙う時にも全力を尽くす獣がいるのを知っているか?」 その頃 ソル「よかったな、仲間と会えて。」 エリアス「うん!!」 リーフ「兄と妹の再会・・・」 エメリア「感動するよね・・・」(感受性豊か ライト「こんな所での再開とか普通なら在り得ないんだが・・・」 ソル「そういえばお前らも非・人類か?」 ライト「・・・どういう言い方だそれ? エリアスが見せたのか?まあいいや・・・そうだ。」 ソル「このエリアスとウィンド・・・ ん?ウィンドいない?」 ライト「あいつもいるのか?」 エリアス「きっとまだ探してるんだよ。あっちの方にいる でも・・・すごい速度で移動してるね・・・」 一路その方向へ向かったのだが・・・ フィラネス「逃げてばかりでは、勝負にならないぞ・・・?」 ウィンド「それ以前の問題だろうが・・・!! とにかく逃げるしか手が無い!!」 ウィンドは自身の能力による風の発生を利用し自身を浮かせ高速で逃げている。 かつてスピアと一緒にいるうちに能力の有効活用方を覚えていたらしい。 普段目立たないけど。 だがどう考えても無駄である。 フィラネス「さて・・・凍てつけ!!」 フィラネスは天使のリーダーにして氷を司る天使。 明らかに地理的条件も悪すぎた。 勝利できる確立は0を下回ってマイナスに突入しそうである。 ウィンド「いっ!? うわっ・・・こ、凍りつく・・・!?」 ウィンドは強烈な冷気に覆われてしまった・・・ そして冷気は徐々に固体化し、 フィラネス「・・・終わりだ。」 完全に氷の中に閉じ込められた。 ソル「お、おい、あそこ!!」 エリアス「天使!?」 エメリア「あ、あれは・・・!!」 ソル「あれは、何だよ!!」 エメリア「天使を統べるリーダー、フィラネス・・・!!」 ライト「天使・・・!? 敵は天使!?」 フリーズ「面白いじゃないか・・・」 エリアス「あっ、あれ!!」 氷漬けにされてしまったウィンドをエリアスが発見する。 ライト「ウィンド!?」 フリーズ「丸ごと凍らされたのか・・・全く・・・」 フィラネス「揃ってやって来たようだな・・・」 ライト「お前・・・ 俺の仲間に・・・」 ソル「・・・まだ会ってから短い間しか経ってなかったが・・・ 許せねぇ・・・!!」 ライトとソルがキレた。 というか死んだ事にされてる? フィラネス「仲間を思う心が本物ならば、かかってくるがいい・・・!!」 ライト「「ファイナリティ・カノン」!!」 人間の姿でも能力というものは使える。 別にポケモンの力というわけではない。 フィラネス「・・・『グランド・フォース』の力、か・・・」 ライト「・・・?」 フィラネス「だが、まだまだ甘いようだな?」 その瞬間、フィラネスが放った冷気により、ファイナリティ・カノンは打ち消されてしまった!! ライト「そ、そんな!? あれだけで!?」 フリーズ「何も無くかき消されるよりはマシだろう・・・!!」 フィラネス「まだ、対等に戦えるだけの力は持っていないようだな・・・ ここで、死を迎えるか?」 周囲の吹雪が一気に強くなった!! ライト「し、視界が・・・!!」 エリアス「な、何も見えないよ!?」 リーフ「・・・!? ど、どうするの!?」 ソル「んな事言ったって・・・これじゃあ・・・!!」 完全に視界が奪われ、それと同時に寒さにより体力も奪われていく・・・ エメリア「このままじゃ・・・全滅する・・・!! こうなったら!!」 ソル「な、何を・・・!!」 エメリア「「フォースバリア」!!」 ソル達の周りに光り輝くバリアが発生した!! ライト「ふ、吹雪が晴れた!?」 フリーズ「違う・・・吹雪は晴れていない。 おそらく、届いていないだけだろう・・・」 エメリア「これで逃げられる!! 走って!!」 ソル「あ?あ、ああ!!」 ソル達は一心不乱に逃げ出した。 これは勝てないと悟った。 エリアス「あ、そうだ・・・ウィンド・・・!!」 フリーズ「全く・・・」 エリアスがそう言うとフリーズがいきなり戻り始めた!! ソル「・・・?」 ライト「何をするつもりだ!?」 フリーズ「・・・「フィールドセンサー」・・・ あそこか・・・!!」 能力によりウィンドを発見すると、フリーズはそこへ急いだ!! フィラネス「わざわざ戻ってきたのか?」 エメリア「え、に、逃げ・・・」 フリーズ「仲間を助けるのは基本だ。 ・・・こうやって、な!!」 フリーズは、氷漬けになっているウィンドにキックを入れた!! 氷が砕ける音が響いた!! フィラネス「・・・蹴りで氷を破るとは・・・」 ウィンド「・・・」 フリーズ「つかまっていろ・・・!!」 どれだけ走り続けただろうか・・・ 吹雪を抜けた。 ソル「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 ライト「・・・」 フリーズ「全く、無茶苦茶な・・・ まあ、救出できただけでもマシか・・・?」 リーフ「あれ・・・いない!?」 ソル「誰が・・・!? ま、まさか・・・あのエメリアって奴・・・」 ライト「ど、どうするんだ・・・!? そういえばあいつも天使っぽかったが・・・」 ソル「まあ・・・天使同士なら・・・殺しあう事は・・・無い・・・訳ないか・・・」 エリアス「た、助けに行かないと・・・!!」 ウィンド「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 フリーズ「大丈夫か?」 ウィンド「はぁ・・・はぁ・・・フリーズ・・・ありがとう。 まさか・・・こんな所で・・・」 フリーズ「別にいいが、な・・・」 ウィンド「・・・そうか・・・はぁ・・・はぁ・・・ ・・・エメリアなら心配要らない・・・」 ライト「・・・?」 ウィンド「自分も逃げられるように考えてるはずだ・・・ あいつなら・・・」 ソル「そうなのか? ・・・じゃあ、いいんだよな?」 ライト「・・・いいのか・・・?」 そこに・・・ エアー「どうやら、助かったらしいな?」 エリアス「あっ!?」 ソル「お前は・・・」 ウィンド「エアー・・・それに、スピア・・・」 スピア「な、何かあったのか・・・?」 ウィンド「ほんっとうに最悪な目に遭った・・・ フィラネスの奴・・・」 エアー「フィラネスだと・・・!? 奴が動いているというのか・・・!?」 スピア「・・・!」 ソル「そ、そんなに異常なのか?」 エアー「・・・ああ。それを話すには長い時間を要する。 ちょっと、来てもらおう。」 そう言うと、エアーは自身の翼の羽を1枚抜き、それをかざした。 すると、薄い空気の膜が出来た・・・ エアー「さあ、乗れ。」 ライト「・・・破れるんじゃ・・・」 ソル「1回乗せてもらったが(エメリアに) 別に落ちはしなかったぞ・・・」 スピア「・・・ん?そういえば・・・ エメリアは一緒じゃないのか?」 ソル「えっと・・・」 事を語った。 エアー「なるほど・・・」 ライト「・・・」 エアー「まあいい・・・とにかく、乗れ。」 ライト「!? 仲間なんだろ!? 助けに行かないのか!?」 エアー「やられる事は無いと信じている、だから行かない。それだけだ・・・」 ライト「・・・」 たった一言で言いくるめられた。 心から信じている、そんな感じが伝わってきた。 さて・・・反乱軍本部に到着した。 向かう途中にスピアがライトとフリーズに基本的な事を話した。 ライト「突拍子もない・・・」 フリーズ「・・・」 反乱軍本部内部 ボルテージ「ライト!?」 ライト「ボルテージ・・・」 ブルームーン「ソル!! ようやく・・・」 ソル「ああ。」 エアー「さて・・・せっかくだからこの場で語るとしよう・・・ 天使の争いについて、な・・・」 ソル「・・・語るのに長い時間がかかるのか?」 エアー「ああ・・・ かなり長い話になると思うが・・・聞いてもらいたい。 出来る限り詳しく話す。」 ライト「・・・ああ・・・」 そしてエアーは静かに語り始めた・・・