第17話 死の淵を彷徨う魂


1つの魂が空間を彷徨っている。



???「(俺は、死んで・・・
     そして、ここは何処だ?
     まあ、死後の世界と考えれば楽勝だな・・・)」




???2「迷える魂よ・・・」


???「(ん?誰だ?)」


???2「運命を持つ者よ・・・来るがいい・・・」



???「(来るって・・・死んでるのにどうやって行けと・・・)」





その時、暗転した。


気付けば、光り輝く神殿の中に、赤髪の青年と、白髪の天使がいた。




???2「目覚めたか、迷える魂よ」


???「目覚めたかって・・・ん?
    なんで感覚があるんだよ。」


???2「君を私が生き返らせたのだよ・・・」


???「なんて非現実的な・・・」


???2「君に頼みがあり、蘇生させたのだ・・・」


???「一方的だな・・・
    蘇生させられたら断れないだろ・・・」

???2「いや、断ってくれてもいい。
     それに、断ったとしても、生きていたければ生かしたままでいい。
     死んでいた方がいいなら死へとまた導く。」


???「良心的すぎるな。
    まあ、まず聞かせてもらおうか?」



???2「『永遠の世界』を救うために協力して欲しいのだ・・・」


???「『永遠の世界』を救うため?
    何が起こっているって言うんだ?」




永遠の世界、それはこの物語の舞台となっている世界の事である。


???2「天空の天使が地上の生物を滅ぼそうと動いているのだ。
     それを救うために君の力を借りたい」



???「・・・そういう事なら、俺は協力するぜ。
    ・・・ちょっと厳しいけどな。」



???2「協力してくれるか・・・すまない、ありがとう。
     なら君に空間の天使の力を授けよう・・・」


???「空間の天使の力?」


???2「そうだ。
     ・・・と、その前に、1つ、君の名前を聞いておこう。」



???「俺の名前は・・・だ。」


名前は聞こえなかった。うっすらとしている。





???2「そうか。
     だがこれ以降その名前は名乗ってはもらえない。
     代わりに『天使名』を名乗ってもらう。」


???「天使名?」



???2「そうだ。さて、君に天使の力を授けよう・・・」




青年の周りに光が集まる。



その光は青年を包み込む。


すると、その青年の頭の上には輪が、背中には翼が生えた・・・





???2「さあ、頼んだぞ・・・『ファヌエル』・・・」



そう、呼ばれた青年は、白髪の天使に背中を向け歩き出した。



ファヌエル「・・・なら、もう一度、動いてやるか・・・
      もう一度・・・」









反乱軍本部



スピア「・・・」


ウィンド「・・・」


スピード「・・・」





スピア「なあ、3人で沈黙状態のまま1日過ぎてしまった訳だが・・・」

スピード「何を言えと?」

ウィンド「ポーカーでもしようぜ?」


スピア「ポーカー・・・いいな。
    運と駆け引きで・・・」


スピード「トランプあるのか?」




スピア「ふっふっふ・・・これを見ろ!!」


スピアは服のポケットからトランプを取り出した。



ウィンド「実はスピアは24時間いつでもトランプを携帯してるんだぜ・・・」

スピード「なんて奴だ・・・」



スピア「さーて、やるか」






ソル「・・・いいよなあ、何か持ってる奴等って・・・」

ブルームーン「ほんと、俺達は何も無いから暇だぜ・・・」



ダークネス「なら俺とお茶漬けについて熱く語り合わないか?」


バキッ、という音がしてダークネスは倒れた。


カルテット「すみません。」

ソル「い、いや・・・別に・・・」

ブルームーン「鉄拳制裁!?」



ライト「ジャンケンしようぜ!!」

ボルテージ「よし、じゃあ負けた奴は勝った奴にメシのおかず全部よこせよ!!」



リバースメンバー(スピア・ウィンド除く)「ジャンケン・・・ポン!!」

※フリーズだけは「!!」は無し



フォルス「・・・ボルテージがグーで、他全員パーか。
     今日の昼食をライトに、夕食をウイングに、
     明日の朝食をエリアスに、昼食を俺に、
     そして夕食をフリーズに渡せ。」



ボルテージ「そ、そんなバカな・・・」


エリアス「運勢最悪、だね・・・」




ボルテージ「これでしばらくパンと米だけの生活が始まるぜ・・・」




フリーズ「安心しろ・・・」

ボルテージ「え、何かくれるのか!?」


フリーズ「米1粒を恵んでやろう、ありがたく受け取るんだな・・・」


ボルテージ「最悪だ!!お前最悪だ!!」




エアー「(騒がしいな何処も彼処も・・・)
    さて、後少しで天空への総攻撃をかける。
    その時の作戦を説明する。」



ウィンド「あ、遂に行くのか・・・」



エアー「まず、天空に向かうには4箇所に存在する『天国への階段』に向かわなければいけない。
    俺達天使なら別に苦労はしないが、お前達だと・・・」



ライト「天国への階段・・・」


エアー「今回、お前達にはセンクレイス地方にある天国への階段を利用してもらう。
    俺をはじめとする天使は、他の3箇所の階段を利用する。
    それぞれ出てくる場所は違う、4箇所から攻め込む。」


ソル「そうなのか・・・」


エアー「当然、道中には天使がいると思われるが・・・
    そこにいるのは基本的にザコばかりだ、無理矢理突破する。
    そして天空に出たら、神殿を目指さなければいけない。」



スピア「神殿、か。
    確か、そこに属性を司る天使がいるんだよな?」



エリアス「そうなんだ・・・」


エアー「ああ。
    いると思われるのは、地のグランディア、空のオーバースカイ、
    雷のギガ、幻のミラージュ、水のサウザンド、氷のフィラネスの6人だ。」


フォルス「6人もいるのか・・・」

エアー「必ず倒さなければいけないのは、グランディアとギガだ。
    他は任意だ。邪魔になるようだったら倒さなければいけない。」


スピード「だが・・・全員、そんな簡単に倒せる相手では・・・」




エアー「ああ。
    だからこそ、数で押すしかない・・・
    個別撃破を狙わなければいけない。
    詳しくはまた今度話す。
    今日はここまでだ、戦闘の特訓もしておくといい。」







もうすぐそこである・・・