第22話 行方不明の大天使



謎の場所


???「新たなる天使・・・ファヌエルはどうやらいい所へ行ってくれたようだ・・・」

?????「神よ、・・・いい所、とは?」


???「そう・・・まだ言っていなかったが・・・
    ようやくミカエルの居場所が分かった・・・」


?????「本当ですか・・・!?
      い、一体何処に・・・!?」


???「いや、ようやくという訳でもない・・・
    実は最初から分かっていた・・・
    これから、呼ぶ所だ・・・」







反乱軍本部、夜


寝静まっている頃。


スピア「ZZZ・・・
    俺は・・・仲間を・・・」



『聞こえるか・・・?』


スピア「『!?
     っつー・・・びっくりしたじゃねぇか・・・
     何年ぶりだ・・・?』」


『そこまで長くは無い。我等にとっては、だが。』


スピア「『へっ・・・ま、そりゃそうだが・・・
     で、何の用だ?生存確認か?
     行方不明だったからか?』」


『出来れば、明日にでも来て欲しい。』


スピア「『・・・急だな。
     ま、いいぜ・・・』」


『なら、頼んだぞ・・・』





スピア「・・・そろそろ、潮時って奴か・・・」



3日後の朝


この日は、本部に全員集合していた。



ウィンド「スピア・・・
     ほ、本気か?」



スピア「・・・さすがに長い間ほったらかしてたしな・・・
    そろそろ戻って来いって・・・言われた。」


ウィンド「そ、そうなのか?」




スピア「寝てる間にあの力で伝えられた・・・」








エアー「・・・最近あの2人が怪しい話をしているようだ・・・」


ダークネス「裏切る事は無いだろ?」


エアー「おそらくな。
    だが重要な話の気がする・・・少し探ってくれないか?」


ダークネス「ああ。」






スピア「ん?どうした?」


ダークネス「お前ら何の話してたんだ?」



エアー「(そ、そんなストレートに聞いて答える訳が・・・)」


スピア「ああ、昼飯どっか食いに行かないか話してたんだ。」

ウィンド「そうそう。」






ダークネス「だってさ。」

エアー「そんな訳無いだろう・・・」




スピア「・・・そういう訳だから、ちょっと出かけてくるぜ。」

ウィンド「俺も。」



エアー「・・・ああ。」






ダークネス「・・・どうすんだ?」


エアー「追跡。」

ダークネス「!?」



エアー「お前の闇の力で姿を隠せば追跡ぐらいできるだろ・・・」

ダークネス「おお。そういえば出来るかもな。」






スピア「・・・さて。
    お前も来るんだよな?」

ウィンド「そりゃせっかくだから。」

スピア「分かった。
    さて、この辺で・・・」




ダークネス「・・・更地で何をする気だ?」




スピア「・・・全く、またまた唐突な事になっちまったし、な・・・
    これをまとめて話しても誰も分からないんじゃないか?」

ウィンド「そうかもしれないけど・・・」



スピア「ま、いいや。
    いつかは分かる事だったんだ、それが今と思えばいい。

    ・・・開け、空間の門よ・・・」





その瞬間、何も無いはずの更地に尋常じゃないほどのエネルギーが溢れ出した!!



ダークネス「!?」



そしてそのエネルギーの中心に・・・徐々に浮かび上がる影・・・!!



ウィンド「うわっ・・・」

スピア「いつもながら、すげぇもんだぜ?」



ダークネス「な、何だ・・・あれは・・・!?」





そして影は徐々に光を放ち・・・そこに門が現れた!!






スピア「さ、入ろうぜ。」

ウィンド「ああ・・・
     しっかし立派だよな。」

スピア「当然だろ?」




ダークネス「な、何なんだ・・・まあいいや、後をつけて・・・」(こっそりと







門の先


スピア「さて、閉じて、と・・・」




ダークネス「うわ・・・戻れないんじゃ・・・」



ウィンド「じゃ、さっさと行こうぜ?」


スピア「ああ。・・・の前に。
    ダークネス、隠れる必要は無いぜ?」





ダークネス「なっ!?
      ば、ばれてたのか!?
      完璧だと思ったのに・・・」



ウィンド「うわっ!!
     何かついてきてた!?
     お茶漬けは無いぞ!?」(問題そこじゃない



スピア「大方、エアーに頼まれて尾行してきたんだろ・・・
    やっぱ、わざとらしすぎたっぽいな。」


ウィンド「ど、どうするんだ?」




スピア「・・・ま、いいさ。
    どうせもう「その時」だと思う」

ウィンド「?」


スピア「そろそろ話す時が来たって事さ。
    ついてきな。」


ダークネス「・・・?」


ウィンド「あ、そうなのか。
     じゃ、いいのか。」


スピア「そういう事さ。」





目の前には階段が続いていた。


そして周りは歪んでいる・・・異次元空間とでも言えばいいのだろうか?





階段を上り続けて・・・


ダークネス「・・・お前ら、一体何なんだ?
      普通の人間じゃ・・・ないのか?」


スピア「ま、すぐ分かる事さ。」

ウィンド「俺は普通の人間だけどな。」


スピア「今はな。」

ウィンド「は?
     な、何言ってんだお前は・・・」


スピア「ははは。ま、今の言葉覚えておいてくれ。」

ウィンド「・・・?」





ダークネス「・・・つまりスピアは・・・」




スピア「さて、この門の先だ。」



階段を上り続けた先にはまた門だった。



しかし巨大な門である。

先ほどのとは比べ物にならない。

天を突く高さである。




スピア「さあ、入りな。」




大きな音を立てつつ、門は開いた・・・




ダークネス「・・・ゴクリ・・・」


ウィンド「そんな不穏な所じゃないから安心しとけって。
     俺が説明してもアレなんだけどな。」





その門の先は・・・何かの神殿のような場所だった。


しかし、明るい。光が差し込んでいるわけではなさそうだったが、明るい・・・




ダークネス「・・・何だここは?」





スピア「・・・ここは、空間の神殿さ。」


ダークネス「く、空間の神殿・・・?」


スピア「俺も久しぶりに来た。数年ぶりに。」

ウィンド「俺はその時の1回しか来た事ないけど。」



ダークネス「・・・」



そして、その神殿を一直線に歩き続けて・・・


スピア「さて。
    そろそろ一番奥だ。」


ダークネス「・・・?」





そして、広い部屋に出た。


今までより更に明るく、その部屋自体に神々しさまで感じる。



ダークネス「す、すごい場所だな・・・
      ん・・・?」





ダークネスが奥を見ると、そこには白い髪の何者かがいた。


年をとっているのかと思えば、意外と若そうである。





???「来てくれたか。
    数年ぶりだな・・・」


スピア「ああ。
    全く、久しぶりな感じもするな。」

ウィンド「俺も来たんだけど。」


???「ウィンド・・・
    お前もついて来ていたのか。
    そして・・・そちらは?」



ダークネス「!!」


スピア「ああ、こいつは仲間さ。不審人物じゃねぇぜ。」



???「いや、それは分かる。
    心に輝きを持っているようだ・・・」



ダークネス「・・・?」




スピア「・・・さて。
    ダークネス、紹介するぜ。
    こいつが・・・ゼウス。

    この空間を統べる神さ」






突然すぎて何を言われたか分からなかった。


何を言っている?



ダークネス「えっ・・・ちょっ・・・
      ワ、ワンモアプリーズ?」


何処とも知らぬ言葉になってしまうダークネス。



スピア「ゼウス、空間を統べる神。オーケー?」



ダークネス「・・・全然意味が分かんない。」






ウィンド「ま、まあ・・・
     偉い人って考えれば十分だろ。」


ダークネス「はあ・・・」






ゼウス、と言う名の白い髪の青年。



彼からは今まで感じた事の無い力を感じた・・・





ゼウス「どうやら、彼らが世話になってるようだね。
    礼を言おう。」


ダークネス「え・・・ユ、ユーアーウェルカム?」


ぎこちない。




スピア「そう固まるなよ。
    大丈夫だって。深呼吸しろ。」


ダークネス「・・・」



ゼウス「かつて君達と私達が一緒に戦った事もある。
    あの時は準備不足で手痛い敗北になってしまったが、ね。」



ダークネス「・・・一緒に・・・

      ま、まさかあんたは空間の天使の長!?」




ゼウス「そう。私が空間の天使を束ねている。
    あの時は姿を見せなかったね、失礼してすまなかった。」




ダークネス「い、いやこちらこそ今現在進行形で失礼をして」


ぎこちなさすぎる。





スピア「ま、その辺で。
    あんま客人を緊張させるのは、な。」

ウィンド「あんまぎこちないと大変な事になるんじゃ・・・色々な意味で。」




ゼウス「手痛いね・・・ミカエル・・・」





ダークネス「ミ、ミカエル?
      え、あの行方不明の大天使ミカエル?」







ウィンド「行方不明?
     詳しくはそうでもなかったんだけど、な。」




ダークネス「は、はぁ?」





スピア「じゃ、そろそろ教えてやるぜ、ダークネス。
    俺が何者かって問いに、な。」








ダークネス「・・・え?
      ど、どういう事だ?
      まさか、お前・・・?
      何だって・・・言うんだ?」



スピア・・・いや、スピアと名乗っていたその人物は、薄い笑みと共にもう1度口を開いた。








????「そう、俺こそが・・・
     かつて行方不明と言われていた・・・
     空間の大天使、ミカエル、だ・・・」