第3話 行方不明の仲間達 「う、うーん・・・」 ソルは、しばらく経ってから目を覚ました。 ソル「ん? こ、ここは・・・?」 周りには平地が広がっているだけだった。 見覚えは無かった。 ソル「そうか・・・あの光に吹っ飛ばされちまったのか・・・」 街を襲った悲劇。 故郷は光の中へと消えた。 そして何処とも知れぬ場所に今、いる。 ソル「・・・どうするんだ、これ・・・」 なんかもう何もかもどうでもよくなった感じだった。 あんな事があった後だから。 その時、ふと目に映ったものがあった。 ラベンダーの花のような色をした髪の少女。 まだ10歳かそこらだろうか。 ソル「・・・? あいつらの仲間・・・?」 ソルは、ついさっき・・・とは言え、もう1日ほど経過しているのだが・・・ その時出会った集団の事は鮮明に覚えていた。 名前を聞いてはいなかったが、状況が状況なだけに鮮明に覚えていた。 その中の1人だったはず。 ソル「おい、起きろ、おい。」 エリアス「うーん・・・」 そう、その少女はエリアスである。 エリアス「あれ・・・? ここ、どこ・・・!? あ・・・に、兄さんは!? みんなは・・・どこ!?」 ソル「落ち着け!! こっちも仲間とはぐれてんだ!!」 とは言え、相手は10歳かそこらの少女である。 ハンターやってる青年と比べれる訳は無い。 と思ったが。 エリアス「・・・あの光で、みんなバラバラに・・・? だとしたら・・・」 ソル「ん・・・ そこまで取り乱してた訳じゃないんだな・・・」 とにかく、そこには2人しかいなかった。 確かに、バラバラになったのだろう。 それも見知らぬ土地でこの状況は非常に苦しい。 エリアス「うう・・・お腹すいたよ・・・」 ソル「・・・」 落ち着いて食事をする事も出来なかった。 だから、腹がへるのも当然といえば当然だった。 ソル「・・・肉は食うか?」 すると、ソルは自分の荷物から生肉を取り出し、 ハンターなら誰でも使う「肉焼きセット」を使い、焼き始めた。 ソルは、荷物の確認だけは目覚めてからすぐにやっておいた。 回復用の薬が数本、生肉数個と肉焼きセット、それに愛用している太刀。 彼はいつも準備だけは整えている。それが功を奏した。 肉が焼けると、ソルはそれをエリアスに渡し、自分の分も焼き始めた。 ソル「・・・そういえば、名前聞いてなかったよな。 俺はソル、あの街でハンターをやってた。」 エリアス「うん。 わたしはエリアス。 これも何かの縁だと思うし、よろしくね!」 明るかった。無理して振舞っているんだろう。多分。 だが、それは大きなステータスだと思う。 ソル「・・・近くに街があるか探さないとな。 最悪、食料になりそうなものが見つかれば・・・」 エリアス「あそこに大きいカエルがいるよ!」 この世界にはモンスターというものがいる。 その数は実に星の数とすら言われる。 というより、よく分からない生物を総称「モンスター」というらしい。 そういえばポケモンも「ポケットモンスター」である。 一方、別の場所では。 スライサー「やれやれ・・・住んでいた街は壊滅、仲間ともはぐれて・・・ これまでにない危機、だな・・・」 ボルト「あんたは・・・仲間とはぐれてうろたえたりはしないのか・・・?」 スライサー「あ? ああ。俺はこれまで数十人以上の仲間を失ってきた。 もう涙も枯れちまってるよ。 うろたえることすら無い。」 ボルト「・・・」 スライサー「相当参ってるようだな? 言っておくが、同じように巻き込まれたんだぞ? 2人だけ生き残ってその他死滅、なんてないだろう。 楽観的に考えろ・・・」 ボルト「・・・ああ。」 スライサー「で、お前は何という名前だ? 無理に隠したりするなよ?」 ボルト「・・・ボルト、だ。 ・・・」 スライサー「そうか。 俺はスライサー。 ま、よろしく。人間の皮を被ったポケモンさん」 ボルト「!?」 スライサー「何びっくりしてるんだ? はっきり言うと、最初に見た時から分かってた。 俺は様々な生物に詳しい。 また、心理学もやってたからな・・・」 ボルト「・・・??」 スライサー「簡単に言うと、行動からして普通の人間とは違った。 それを、全生物から類似している行動パターンを考えると・・・ 種族はライボルト、結構長い間ポケモンとして生きていたようだな。 だが、それ相応の人間らしい行動が混ざっている、 最初は本当に人間だったんだろう?」 ボルト「そ、そこまで分かるのか・・・!?」 スライサー「この程度、造作はない。 俺の特技だ・・・ さて、いつまでもぐだぐだ話をしていても進展は無い。 近くの街へ行って食糧補給、そしてその後世界を回る。 奴を追ったり、仲間を探したりするために、な。」 ボルト「・・・口数多いな。」 更に別のところでは ボルテージ「いがみ合ってる場合じゃねぇな・・・」 ブルームーン「しょうがない、休戦だ。 現在地が分からないとどうしようもない・・・」 さて ボルテージ「って俺達の出番はこれだけか!?」 ブルームーン「くそっ、俺はやられ役ポジションか!!」 ボルテージ「っつー事は俺もか!? まあ確かにブレイカーと悪霊いないと俺になるのか・・・」 さて・・・ ??????「障害となり得る相手・・・」 スピード「・・・問題はないだろう。 天空剣をまともに食らわせた・・・ 長い間邪魔をしてきたスピアもこれで終わりだ・・・ 他はザコだ、放っておいても問題ない」 ??????「そうか。 なら、そろそろ他世界への侵攻をかけてもいいな?」 スピード「ああ。 だが、真っ先に潰す世界はあの世界だ。 スピアと同等程度の奴がいる可能性がある」 ??????「なら、すぐにでも進撃するとしよう。 1体たりとも残すな、全て殺せ!!」 スピード「なら、命令を出しておく・・・」 ?????「スピード・・・グランディア・・・」 グランディア「何の用だ、サウザンド?」 スピード「・・・」 サウザンド「何のためにこんな事をする!? もうやめろ!! 俺達がやるべきは殺戮ではない、守る事だ!! だというのにお前らは・・・!!」 スピード「・・・こんな世界、ぶっ壊れてしまえばいい。」 グランディア「俺達以外の下等生物なんて残しておく必要はない、 分からないのか・・・?」 サウザンド「・・・っ・・・ いずれ奴が再び現れるぞ・・・」 グランディア「・・・誰の事だ?」 サウザンド「ミカエルだ・・・ 奴がいずれお前達を殺す・・・」 闇はすぐそこに。