第33話 心と力(後編) その先にある神殿。 そこでスライサーを待っていたのは・・・ スライサー「・・・わざわざ直接教えてくれるのか?」 ゼウス「・・・初めに言っておくが、 私が命を作ったのでは、ない」 スライサー「・・・じゃあ、答えるのは無理か? なら、わざわざ読んだ理由が他にあるんだろう・・・?」 ゼウス「・・・問いたい事がある。 ・・・お前は、戦えるか?」 スライサー「・・・あのサタンとやらと、か? ・・・勝算があると言うのなら戦ってもいいんだがな・・・」 ゼウス「ある。」 スライサー「・・・断言したな・・・ ・・・俺の力が欲しいから呼んだか?」 ゼウス「・・・一般の人間の中では、力を持っているほうだと思ったからだ。」 ミカエル「そういう事だ。」 スライサー「・・・」 ミカエル「・・・ソル達は立ち直らないのか?」 スライサー「・・・精神的に完全に折れてる。 立ち直れそうに無いな。」 ラシエル「俺だって色んな意味で折れそうだが・・・」 ガブリエル「気にしないで。」 ゼウス「・・・サタンと戦うには、地底に存在する地獄に行かなければならない。 しかも、一度行ってしまえば戻れない」 スライサー「一方通行か。」 ゼウス「それに・・・地獄には厄介な物があり・・・ 天使だけでは入れない。 そのような封印が施されている」 スライサー「・・・で、俺に協力を頼んだのか?」 ゼウス「そう。 1人でも天使以外の何者かがいればその封印を打ち破る事が出来る。」 スライサー「なるほどな・・・」 ラシエル「俺を天使化させなきゃよかった話じゃないか。」 ラファエル「・・・言いにくいが、そうなるとお前は戦力外だ」 ラシエル「酷すぎるだろ!」 スライサー「・・・こういう所で不憫なのか。 まあ、勝算があるなら戻って来れなくても行くがな。 世界が救われればソル達も、不可能な事は無いって・・・思い直すはずだしな。」 ラファエル「・・・仲間思いなんだな。」 スライサー「それが当然だと思うが、世の中は結構違うらしくてな・・・ で、いつ行くって言うんだ?」 ゼウス「明日。」 スライサー「そりゃあ、唐突な事で・・・」 ゼウス「・・・そして、この剣を渡しておこう。」 スライサー「・・・これは?」 ゼウス「空間の天使と同等の力を人間でも扱えるようにする剣だ・・・ 名前も、何も、誰も知らないが・・・」 スライサー「・・・そんな大層な物を・・・ 神剣とやらと同等ぐらいの剣か・・・」 その後 ソル「・・・」 スライサー「・・・戻ってきた。」 ソル「・・・」 スライサー「・・・ソル。それに他の全員も。よく聞け。 俺は明日、天使達と共にサタンとやらを倒しに行く・・・」 他の全員「!?」 ライト「何だって!?」 ブルームーン「スライサー!? 冷静に考えろ! 無理だ!!」 スライサー「・・・お前らに教えるためだ。 絶望的な状況でも打破する事は可能だと、な・・・」 ソル「・・・」 スライサー「・・・じゃあな。 一方通行らしいし、もう会う事は無いだろう。」 そしてスライサーはすぐに出て行った。 ソル「・・・スライサー・・・」 次の日・・・ 空間の神殿へと続く階段・・・ そこを降りれば、地獄へと行く、 一度行けば、戻る事は出来ない。 だけど彼等は躊躇うことなく進む・・・ ラシエル「正直行きたくない。」 ミカエル「今回その意見は通らない。残念だが。」 躊躇ってる・・・ スライサー「・・・・・・ ちっぽけな1人の人間でも、時には世界を救えるかもしれない・・・ ・・・じゃあな、みんな・・・」 二度と戻らないその場所へ・・・ 彼等は飛び込んだ・・・