第34話 世界滅亡の時 地獄へと突入したスライサーと空間の天使達・・・ そして・・・ 落ちていく中、周りは白い空間から黒い空間へ・・・ 光から闇へ・・・ そして、地面寸前。 スライサー「・・・っと」 スライサーは、何の苦もないかのごとく着地した。 相当な衝撃が入るはずだが・・・ ミカエル「よくそんなにうまく着地できるな・・・」 スライサー「この程度なら、な・・・」 この程度って・・・何処から落ちても大丈夫なのか? ラシエル「うああ・・・来てしまった・・・ 戻りたい・・・」 ミカエル「ま、諦めろ相棒よ。」 ラシエル「相棒・・・? そこまで俺が立場的にマシになってるのか!?」 ラファエル「・・・」 ラシエル「・・・つまり俺もある程度認められたって事か!?」 ガブリエル「最早独立したキャラだからね・・・」 そして、彼等は歩き出した。 暗闇の中だが、視界はあまり悪くなかった。 そして・・・ ゼウス「これが、封印だ・・・」 目の前には、黒く輝く膜のようなものがあった。 スライサー「どうすれば、破れるんだ?」 ゼウス「先に膜の中に突入してくれればいい。」 スライサー「危険だが・・・」 スライサーは、膜にそっと触れた。 すると、そこだけ膜が消えた。 スライサー「なるほどな・・・ん?」 カラン、という音が足元からした。 そこには、人の骨のような物があった。 ラシエル「!!」 ミカエル「封印に突撃してしまった天使か、悪魔の生贄になった人間か・・・ ま、珍しくはなさそうだな。」 たくさんの死が、ここにあったという事。 彼等は先に進んだ。 進むごとに敵が現れる・・・ ラファエル「・・・悪魔、か・・・」 黒い、破れたような羽根を持った悪魔達。 天使と対極となる存在。 ゼウス「三下に構っている時間は無い、突っ切れ・・・!」 彼等は、一気に悪魔達を蹴散らし、突き進んで行った。 スライサーも、空間の天使に負けないほどの力を発揮していた。 ミカエル「(こいつ・・・強い! 俺達の想像を遥かに超えてる・・・)」 更に奥に行くと・・・ 突如、何者かが現れた。 ?????「おっと・・・通しませんよ。」 ラファエル「・・・ちょっと強い奴がお出ましの様だな・・・」 ラシエル「そろそろ勘弁してくれよ・・・全く・・・!? ・・・お前は!?」 ?????「ウィンド、ですか? いつの間にあなたも天使化したのですか?」 ミカエル「何ッ・・・ カルテット!?」 だった。 ?????「スピア。いえ・・・大天使ミカエルとお呼びした方がよろしいでしょうか? それに・・・他の天使達・・・更には、1人普通の人間が混ざっているようですね。」 ラファエル「・・・カルテットって、 ・・・あの、カルテットか?」 ミカエル「声も姿も口調も・・・そのものだ。 本人・・・だろ・・・」 ラシエル「何だよいきなり! 通さないってどういう意味だ!?」 ?????「そのままの意味ですけど?」 そういうと、突如、黒い羽根を飛ばしてきた・・・・・・ ・・・・・・黒い、羽根だって? ミカエル「悪魔!?」 ガブリエル「え!? 天使じゃないの!?」 ?????「・・・生まれ変わったのです。 天使から、悪魔へと・・・!!」 ゼウス「堕落したというのか・・・」 ラファエル「天使が悪魔に!? 対極のはずの存在が何故・・・!!」 ラシエル「そ、そういえば前・・・聞いた事が・・・ 悪魔王は・・・天使を堕落させる事が出来るとか何とか・・・」 ラファエル「何だと!?」 ミカエル「そ、それ誰から聞いた・・・?」 ラシエル「・・・覚えてないんだが。」 ミカエル「・・・だと思った。 にしても・・・天使を堕落させるって・・・冗談じゃないな・・・」 ?????「ふふふ・・・」 ガブリエル「悪魔は、破壊と欲望に満ちた悪しき生命体・・・ 例え元の心が白く純白だとしても悪魔の力が注がれれば、 それはただの感情を持たない殺戮兵器に過ぎない・・・」 ラファエル「操られているとかそういうのではなさそうだ・・・ 俺達を、消そうとしている・・・奴の、本心だ。」 スライサー「(・・・天使を堕落させる・・・こいつらも、下手をすれば・・・?)」 スライサーは嫌な予感を感じていた・・・ ?????「さあ、死んでもらいますよ・・・?」 ミカエル「おい! 元に戻す方法は聞いた事無いのか!?」 ラシエル「確か、無いって・・・」 ?????「ふふふ・・・これでも食らってくださ・・・」 ミカエル「しょうがない! こうなれば・・・」 ミカエルは、瞬間的に『カルテットだったはずの悪魔』に強烈な雷を浴びせて気絶させた。 ラファエル「・・・それしか、無いようだな。」 ミカエル「・・・ああ。悪いが、倒れこんでてもらうしかない。」 ラシエル「・・・」 様々な焦りが生じつつも、彼等は先を急いだ。 カルテットの事については、今はどうしようもない。 急がなければいけない。 ミカエルは、心の中でカルテットに謝りつつ、走った・・・ そう。彼等は急がなければならなかった。 悪魔「天使共よ!死ね!!」 悪魔の大群「死ねえええええええええ!!」 数多の敵が襲ってきても。 悪魔「通さない・・・」 ラファエル「こいつら・・・!? 以前の天空の天使との戦いで消えた同胞達・・・!!} ガブリエル「そんな・・・!!」 スライサー「(・・・卑劣だな、悪魔王サタン・・・)」 ミカエル「怒りも悲しみも浮かべる暇なんて無い!!突っ切れ!!」 かつての仲間だったはずの同胞と戦う事になっても・・・ エスなんとか「地獄にも登場、エ」 ミカエル「「エクステンションサンダー」!!」 進み続けなければならなかったのである・・・ その頃。地上では騒ぎが起こっていた。 いや、言い方に御幣があった。地上だけじゃない。 全世界で、と言った方が正しいだろう・・・ 空に浮かび上がった謎のビジョン。 それは・・・ ???「全ての世界、空間、時空に存在する者共よ!! 我が名は悪魔王サタン・・・!!」 「何だあれは!?」 「悪魔王!?」 「サタン・・・?誰?」 「あの黒いのは何だ!? 「禍々しいほどの闇のエネルギーを感じる・・・」 「・・・そんな存在がいると言うのか?」 「・・・知った事じゃない。 俺は本当に興味が無かった、それだけだ・・・」 「これは・・・世界の終焉・・・?」 「あんな存在、この空間に存在しないはず・・・!!」 「・・・!?」 各世界で上がる叫び、悲鳴。 サタン「この度姿を見せたのは他でもない。 我は宣言しよう・・・ 全ての世界、空間、時空を我が物とする!」 突如として言い放たれた言葉。 ゼウス「貴様・・・何を言っている!?」 そしてそれと同時に、彼等はサタンの元へと到着した。 サタン「・・・来たか、ゼウス。 邪魔してくれるな、今忙しいのでな。」 ゼウス「誰に、何を言っているか聞いている!!」 サタン「・・・ふん。 全ての存在に向けて言っているのだ。 時空の全てを我が物とすると!!」 ミカエル「そんな事出来ると思っているのか? 今からお前は俺達に倒される運命にあるんだからな!!」 サタン「・・・面白い冗談を言う・・・」 ラファエル「冗談ではない!! 今こそ・・・」 ガブリエル「わたし達、4人の空間天使が・・・!!」 ミカエル「お前を・・・倒す!?」 ラシエル「(4人って、やっぱり・・・ いや、ゼウスだ。ゼウス。きっと。)」 ゼウス「・・・空間の神と4人の天使の力・・・ 思い知るがいい・・・サタン・・・!!」 ラシエル「(・・・やっぱり?)」 スライサー「(さて・・・俺は、どのタイミングで攻撃を仕掛ければいいか・・・? あの5人にサタンが集中している間に、後ろから斬るか・・・? いや、無理だろうな・・・なら・・・)」 サタン「何人同時にかかってこようが・・・ ただ、醜い屍を全存在の前に晒すのみになるぞ・・・?」 ミカエル「そんなの分かってる・・・お前の醜い屍が残るだけだ!!」 ラファエル「空間を操る、天使の力・・・思い知れ!!」 そういうと、サタンの周りの空間が揺らぎ始めた!! ミカエル「このまま空間ごと隔離する! それでもう終わりだ!!」 ラシエル「あれ、案外楽に行けるのか!?」 スライサー「(・・・空間を操る力・・・本物なのか・・・)」 サタンのいる場所は切り離されていく・・・ ミカエル「所詮、悪魔王と言ってもこの程度だ!! お前のような欲望の塊なんかに負けはしない!! 仲間と世界を守るため・・・お前をこれで終わりにする!!」 サタン「・・・仲間と世界を守る? 何を言っている。」 ミカエル「何・・・?」 サタン「貴様等は立場が分かっていないようだな。 今から身をもって思い知らせてやろう・・・」 ラシエル「お、おい・・・やばくないか?」 ラファエル「怯むな!! お前も空間の力を使え!!」 ラシエル「やり方分かんないんだけど!?」 ゼウス「サタン・・・余裕ぶっていたとしても、 お前の負けこそが事実だ・・・!!」 そう言うと、ゼウスは自身の前方にとてつもなく巨大な光を具現化させた・・・!! ゼウス「苦しまぬように、一撃で葬ってやろう・・・ それが、この空間に存在する者への、せめてもの慈悲だ。」 「そんな意味分からない奴やっちまえー!」 「何のマジックだったんだ?」 「何だよ・・・映画か。」 「悪魔なんかが、神に勝てる訳が無い。」 「興味無い」 もう、人々の興味は逸れていた。 ゼウス「・・・終わりだ」 サタン「貴様等が、だ。」 ミカエル「何!? いつの間に後ろに・・・」 サタン「チェックメイトだ・・・死ね!!」 黒い光が5人を貫いた。 スライサー「!?」 ラシエル「だ・・・駄目だ・・・」 ラファエル「何・・・だと・・・!?」 ガブリエル「あ・・・あ・・・」 ゼウス「馬鹿・・・な・・・!!」 ミカエル「そんな・・・!? くっ!!」 倒れる天使。そして神。 しかしミカエルだけはまだ立っていた!! サタン「ほう? よく耐えられたな・・・」 ミカエル「・・・ぶっ殺す!! 「エクステンションエターナル」!!」 ミカエルは、巨大な雷を纏い、サタンに突撃した!! ミカエル「うおおおおおおおおおおおおおお!!」 サタン「・・・がっかりするほど弱いな。」 ミカエル「何・・・!?」 人々はそれを見た。 スライサー「・・・!?」 ミカエル「な・・・」 サタンに攻撃は当たっている。当たっているのだが。 傷1つ・・・いや、何かに当たった痕跡さえついていなかった。 ミカエル「嘘・・・だろ・・・? 俺の・・・本気が・・・ 全く・・・歯が立たない・・・」 サタン「力の差を・・・思い知ったようだな?」 そう言うと、サタンはミカエルに黒い光を放った!! ミカエル「ぐあああ・・・!?」 サタン「ふはははははははは!! 消えろ!消えろ!消えてしまえ! 目障りな天使よ、消えてしまえ!! 我が物となる世界に貴様のようなゴミはいらん!! 死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね! ふはは・・・ふははははははははは!! 貴様等も見るがいい!!時空に存在する者よ!! 我に逆らいし者の・・・醜い結末と言う物を!! ハーーーーーッハッハッハッハッハァ!!」 サタンは攻撃の手を緩めず、ミカエルを無数の黒い光で貫き続ける!!!! ミカエル「ああああああああああああああああああああああ!! うう・・・あああああああああああああああああああああああっ!!!!」 サタン「そろそろフィニッシュだ!! 無残な死体を晒すがいい!!」 そして、一際巨大な闇が、ミカエルを飲み込んだ。 悲痛な叫び声も、聞こえなくなった・・・ サタン「さあ・・・次はそこにいる貴様等だ!! まずはどの世界にするか・・・そうだ、 この永遠の世界からだな・・・ さあ、見るがいい!! 逆らう事の許されない、真の神の力を!!」 そう言った時、遂に暗黒の時代が始まった。 反乱軍本部 エアー「・・・!? 何だ・・・!?」 地上から聞こえる轟音。 それに、闇の力を感じる。 ソル「・・・?」 ライト「これ・・・は・・・」 そして地上に待っていたものは、惨劇。 黒い光が地上に降り注ぎ、 山を、森を、海を、大地を・・・そして・・・生命を消し去っていく。 エアー「・・・遂に・・・終わりか・・・ この世界は・・・滅びる・・・」 全ての者は見た。 世界の結末を。 すぐにこうなってしまうのだ。 自分達の世界も。 それこそが絶望。