第36話 冷酷非情 暗い闇の中に、彼等は立っていた。 暗黒の中・・・しかし、周囲は見える。 不思議で・・・恐ろしい闇。 ソル達は辺りを見渡した。 ソル「ここが・・・地獄・・・」 ?????「そう・・・そしてあなた達の最期の地。」 すると、突如何者かが現れた。 ソル「いきなり敵か!?」 エアー「待て! この声は・・・」 ?????「気付きましたか。」 そう、そこにいたのは・・・ エアー「カルテット・・・無事だったのか!!」 ダークネス「早速見つかったぜ! よかった・・・」 ライト「いきなり再開ってすごいな・・・ 強い絆で結ばれているからこその結果なのか?」 エアー「とにかく、よかった・・・ ・・・カルテット、出来ればお前の力も必要で」 カルテット「何を勘違いしているんですか?」 エアー「力を貸し・・・? ・・・何を言っているんだ?」 カルテット「・・・あなた達はここで終わりだって言ってるんですよ。」 その瞬間、カルテット(?)の背中から黒い羽根が生えた!! ダークネス「・・・え? お、おい・・・ちょっと待て・・・その黒い羽根は・・・!」 カルテット「大天使達は通してしまいましたが・・・あなた達を通す訳には・・・いきません。」 エアー「まさか・・・お前・・・ ・・・悪魔へと・・・堕ちたと言うのか・・・?」 カルテット「そうです。私は今や、天使ではなく・・・悪魔。 暗き闇に身を置く、混沌と絶望を導く者・・・」 焔火「天使が悪魔に?」 リーフ「どういう・・・事・・・?」 カルテット「ふふふ・・・悪魔の力は、天使の力より素晴らしいものだった・・・ こんなに素晴らしい力・・・!!」 途端に、強大な闇の力がソル達を取り巻いた!! ソル「くっ!?」 闇はソル達を捕らえる!! ボルト「な、何だ・・・? ち、力が・・・入らない・・・」 フリーズ「・・・力が、闇に吸い取られているのか? だとすれば・・・まずい・・・」 クラウソナス「何言ってるんだ!? こんなの、一振りで打開出来る!」 フリーズ「・・・大口を叩く奴だ・・・ 今度はしくじってくれるなよ・・・?」 フリーズは、クラウソナスを何とか一振りした!! すると、 カルテット「・・・闇を冷気で吹き飛ばしましたか。 さすが、ですね・・・」 フリーズ「・・・雑魚に手間取っている暇なんてないからな。 そこをどけ。さもなくば、斬る」 カルテット「そうは行きませんね・・・ 私は、あなた達を殺すためにここにいるのです。」 フリーズ「・・・なら、逆にやってやる・・・」 ダークネス「待て! 待ってくれ!!」 フリーズ「・・・?」 ダークネス「も、元に戻す方法だってあるかもしれないのにそんな一気に斬りになんて!!」 エアー「・・・一時的な催眠かもしれない、冷静に・・・」 ライト「確かに・・・ 操られていただけの奴を殺したりしたらそれは・・・」 カルテット「ふふふ・・・ あなた達には私が倒せないでしょう・・・ 何故なら、私自身が自分の意識を保ってるかすら分からない・・・ 操られているだけの可能性もある・・・ 元に戻す方法もあるかもしれない・・・ だからこそ、どうしても体が止まるんですよ。」 ブルームーン「・・・サタンとやら、随分人をコケにしやがる・・・」 ダークネス「くそっ・・・!!」 フリーズ「・・・」 クラウソナス「そ、そんな事言われたら手出ししにくく・・・」 フリーズ「・・・知るか。 斬る」 ダークネス「何ッ!?」 そう言うと、フリーズはカルテットとの距離を一瞬で詰め、 カルテット「!?」 フリーズ「敵に情けなんて必要無い」 カルテットを、 ライト「フリーズ!? お、おい!!」 フォルス「馬鹿か!? さっきの話・・・聞いてなかったのか!?」 カルテット「ば、馬鹿・・・な・・・!!」 斬った エアー「―――!!」 カルテット「そ、そんな・・・何て・・・愚か・・・な・・・ ・・・・・・・・・」 フリーズ「さて・・・」 クラウソナス「お、おい・・・フリー・・・ズ・・・」 その時、ダークネスがフリーズの胸倉を掴みあげた!! フリーズ「・・・何だよ」 ダークネス「て・・・てめぇ!! 何て事しやがる!! まだ助けられる希望もあったかも知れないのにどうして斬った!!」 エアー「フリーズ・・・貴様!!」 ライト「フリーズ・・・」 リーフ「・・・酷い・・・」 気付けば、フリーズは周囲から怒りや失望の目を向けられていた。 ろくに考えもせず、斬った、と。 助けられる希望を全く考えもせず。 ダークネス「この野郎!!」 ダークネスはフリーズを何回も殴りつけた。 この状況下にして、彼の怒りは最大になっていた。 だが、それに対してフリーズは反省の色など少しも浮かべていなかった。 それどころか、逆にダークネスを睨み付けていた。 ダークネス「何だよ・・・その目は!!」 フリーズ「・・・馬鹿はお前らだ。 それも、全員だ」 ダークネス「何だと!?」 フリーズ「・・・助けられるかも? 希望?愚か? そこまでお前らは幼稚なのか。 全く・・・聞いても議論にすらなりそうに無いな・・・」 エアー「・・・どういう事だ・・・!!」 フリーズ「・・・命の1つぐらい、切り捨てる必要がある。 場合によっては数千数万切り捨てる必要がある」 ダークネス「何だと!? じゃあお前は、必要ならば死にそうな奴をわざわざほっといて死なせる方がいいって言うのか?」 フリーズ「全くもって、その通りだな。」 ボルテージ「・・・フリーズ、お前最低だろ!! 切り捨てていい命なんてあるのか!?」 エリアス「酷いよ!! どうしてそんなに命を軽く見てるの!?」 フォルス「正直・・・結構前から一緒に行動してたが・・・ その言い分は頂けないな・・・失望したぜ」 ライト「フリーズ・・・お前・・・!!」 フリーズ「・・・失望しても結構、だが俺は俺のやった事こそが最良だったと思っている」 ライト「何でだよ!? 希望を潰すのが最良か!?」 フリーズ「・・・どうせ地獄にいる。 死んだも同然だ。 最早全員死んだのと同じだ。 そんな状況下にあって命なんて優先順位の何処にも入らない。 どっちにしろ、サタンに勝てないなら全部死ぬ。 それに、時間をここで取られて、サタンの所に行く前に全て死に絶える可能性もある。 だというのに、わざわざ低すぎる可能性にかけて時間を潰して、 救える可能性のあるたくさんの奴等の命を丸ごと棒に振るのか? お前らは仲間1人のために時空全てを犠牲にするつもりか? そこまで考えが行き通らないなら・・・もう考えるな、鬱陶しいんだよ・・・」 ダークネス「くっ・・・!!」 フリーズ「こんなの、本当に冷静に考えれば子どもでも分かる・・・ たかが1人の命は、それ以上の数の命と天秤にかけてしまえば何の価値も無い」 エアー「・・・確かに、目の前の奴を助けている間にもっとたくさんの命が消えてるかもしれない。 だけど、それでも・・・ 俺は仲間を救う希望に・・・賭けたかった!!」 フリーズ「・・・なら死体の前で泣いてればいい。 そこまで感情的になってたら、邪魔だ」 そう言って、フリーズは奥へと進んでいった・・・ ボルト「あいつ・・・!!」 ティルヴィング「・・・2つほど、言っておきたい事がある」 突如、ティルヴィングが喋りかけてきた。 ライト「・・・?」 ソル「言っておきたい・・・事?」 ティルヴィング「・・・わたしは、前、聞いた事があって・・・ 天使の堕落について。」 エアー「天使の・・・堕落・・・」 ティルヴィング「・・・一度堕落した天使を元に戻す方法は無い。 堕落した瞬間、既に元の心は完全に消滅している。 封じ込められているわけでもなく・・・。」 ライト「・・・」 ティルヴィング「・・・そして、心に残るものは、残虐なる欲望のみ。 永遠に、欲望に任せて生きる邪悪・・・それが悪魔。」 ダークネス「だけど・・・!! 本当に無いって決まったわけじゃ・・・!!」 ティルヴィング「無い。 元に戻す事は出来ない。 それが現実・・・目を背けないで、その結末から・・・ そしてもう1つ・・・」 ダークネス「・・・」 ティルヴィング「怒りに囚われたら・・・ダークネス、あなたも堕落する・・・ サタンはかすかな心の闇も突いて来るらしいから・・・」 ダークネス「・・・くっ・・・ 畜生・・・」 そして・・・怒りと悲しみを感じつつも・・・彼等は・・・奥へと進んだ・・・ 次第に・・・剣の音が響いてきた。 ソル「この音は・・・!?」 サタン「ただの下等な人間の癖に、ここまでやるとはな・・・だが・・・もう終わりだ・・・!! 終わりのはずだ・・・!! もう立てまい!!」 スライサー「・・・参ったな・・・ ここまで・・・か・・・? いや、まだ立てる・・・」 サタン「くっ・・・何故だ!? 何故立てる!? もう貴様の力は限界を超えているはず!! もはや死んでもおかしくないはずだ・・・!!」 スライサー「・・・ここで、諦めるわけには・・・!!」 ソル「スライサー!!」 サタン「ぐ!? な、何故・・・!?」 スライサー「・・・ソル!! ようやく・・・来てくれたのか・・・」 ソル「だ、大丈夫か・・・!?」 スライサー「・・・大した事はないさ。 まだ立てるぐらいだから。」 ライト「・・・どう見ても重傷なんだが・・・!!」 ブルームーン「無理するなよスライサー!! 一旦休めよ! 俺達だって来たんだからな!!」 スライサー「気遣いはうれしいが・・・ ここで休むのは、個人的に嫌だからな!!」 サタン「ぐっ・・・!! だが所詮は下等生物が増えたのみ!! すぐに叩き潰してくれる!! そして、混沌の闇に消え去るがいい!!」 ゼウス「・・・来た・・・か・・・」 ラファエル「これが・・・希望・・・」 ガブリエル「きっと・・・」 ソル「うおおおおおおおおおおおおお!!」