第38話 大いなる奇跡、平和な日常





ソル「ん・・・」


どれくらい経っただろうか。

ソルは目を覚ました。


ソルの目に飛び込んできたのは眩しい、太陽の光・・・




ソル「もう朝か・・・

   あれ? 地獄にいたんじゃなかったっけ?
   もしかして天国?」





ソルが頭の上に「?」を浮かべていると、




ゼウス「お前達の「グランド・フォース」により奇跡が起きた・・・」



ソル「え?」





ゼウス「本来なら・・・悪魔以外の存在は地獄から出る事は出来なかった・・・」



ソル「なのに、何故?」



ゼウス「・・・私にすら何が起きたのか分からなかった。
    だが、気付いた時・・・地獄と永遠の世界が繋がれていたのだ・・・」




ソル「繋がれて・・・いた?」





ふとソルが周りを見渡すと、右の方に禍々しい闇の空間があった。


おそらく、それが地獄だろう。




ゼウス「・・・まさに奇跡。
    奇跡により、私達は全員が生還した・・・誰も犠牲になる事無く」







ソル「は、ははは・・・

   何ていうか・・・あっけないな・・・
   犠牲も無く時空の危機が救われたなんて・・・
   ま、まさか・・・夢?」




と、ソルがそう言った時、後ろから蹴られた。




ソル「いてっ!?
   な、何だよ!!」



彼が振り向くと・・・


ブルームーンとスライサーがいた・・・



ブルームーン「夢じゃねぇよ、現実だ!!」




ソル「・・・!
   夢じゃ、ない・・・」






スライサー「信じる心か何かか・・・
      とにかく、本当に奇跡が起きたんだろうな。」



ソル「よかった・・・って、他のみんなは?」



スライサー「帰った」






ソル「・・・はぁ!?」


ブルームーン「お前は結構長い間寝てたんだぜ。
       だから、他の奴等は全員帰っちまったのさ」


ソル「う・・・わ・・・
   ひでぇ・・・」
















ライト「俺達、そろそろあっちの世界に戻るぜ。
    じゃ、ソルにはよろしく言っといてくれよ!!」





リーフ「いつか・・・城まで遊びに来て。
    歓迎するから。」





焔火「何かまだ自分が未熟な気がしたからここから旅を始める事に・・・」











ソル「・・・味気ねぇ」


スライサー「ははっ・・・
      じゃ、俺達も帰ろうぜ?」


ソル「ああ・・・って、何処へ?
   確か俺達の街は以前壊され・・・」







スライサー「奇跡はもう1つ起こっていた・・・」


ソル「は?」



ブルームーン「何か知らないが、壊れたはずの所が綺麗さっぱり元に戻ってて、
       あれから死んだ奴等も全員生き返ってるらしい!!」




ソル「は、はああああああああああああああ!?」


















ゼウス「グランド・フォース・・・
    最強にして、究極の力・・・」


ラファエル「あの力があれば、もうこの時空は安心なはず・・・」





ミカエル「それはどうかな?」



ラファエル「・・・?」



ミカエル「俺が見た所・・・あの力はもう無いと思う。」

ゼウス「・・・それは本当か?」


ミカエル「ああ・・・
     グランド・フォースってのはあの時のために存在した力なんだろ。
     もう、二度と何処にも現れないさ・・・

     ところで・・・ラシエルいないな。」



ガブリエル「・・・彼なら、天使の力を自ら捨ててどこかに走ってちゃったけど・・・」






ミカエル「何だって!?
     あ、あいつ・・・やっぱそうなるのか・・・ったく。
     さて、すぐに追いかけるか。」




ラファエル「・・・ミカエル。
      お前は散々空間の天使としての仕事をサボってただろう・・・?
      また何処かへ行くというのは・・・」





ミカエル「知るか。
     俺は天使である前に、スピアっていう一人の存在だから。

     じゃあな。」













ゼウス「行ってしまったか・・・」



ラファエル「・・・あいつ・・・」

























それからしばらく後の事だった。



元・反乱軍本部



エアー「やれやれ・・・地獄まで行って、何も出来ないとは、俺も大した事が無いな・・・
    この際、全員で修行でもするか?
    山に篭って・・・」


ダークネス「そんなの却下だ。却下。」







カルテット「ダークネス、高級料理奢ってください」





ダークネス「・・・こいつ、やっぱ奇跡とか関係なく死んでた方がよかったな・・・」


カルテット「そんな事言わずに奢ってくださいよ。お腹すいてるんです」




エアー「・・・悪魔だ・・・」










リーフ「戸惑いもあったけど・・・
    もう、大丈夫・・・
    この国はまた・・・」



ボルト「リーフ。
    そろそろ俺もライト達の所に帰るぜ。」


リーフ「え・・・!?
    そ、そうしたら王位を継承するのは・・・」



ボルト「もう共和国にでもすればいいだろ?
    じゃあ、またいつか来るからな。」




リーフ「あ、ちょっと・・・!!

    ・・・どうしよう。」








焔火「山に篭って数ヶ月・・・


   ここ数週間食べ物にありついていない・・・」







ライト「よし、相当久しぶりに・・・救助隊リバース活動再開だ!!
    ・・・って、お前ら戻ってきてたのか?」



スピア「もう天使は飽きた」




ボルテージ「よく分からん・・・」

ウイング「でもまたここに戻って来れるなんて・・・」

フォルス「確かに、な。
     一度地獄まで行った時はもうここに戻る事は二度とないと思ったのに・・・」

エリアス「残念なの?」



フォルス「んな訳あるか・・・」


ウィンド「やっぱここが落ち着くな・・・
     天使とかそんなの俺には・・・」


スピア「どっちみちお前の事だからまた必要になるな。」

ウィンド「つまり俺が弱いって言ってるよな。」






















ソル「さて・・・!!」


スライサー「もう怖いものなんて無いからな・・・
      伝説上の存在とされた黒き龍が相手でも、負ける気はしない。」


ブルームーン「よっしゃあ! 腕がなるぜ!!」




ソル「・・・よし、出発だ!!」













・・・1つの長い戦いが終わった。


犠牲を出す事も無く終わった最大の戦い・・・


ただ・・・これから先に何も起こらないとは限らない。


歴史とは・・・驚きの連続である・・・


















エスなんとか「はぁ・・・はぁ・・・何とか戻って来れたぜ・・・
       何でこうなったんだ・・・?
       ・・・よく分かんねぇや・・・・・・
       もう寝よっと」













スピード「地獄への入口の近くにいる何者か・・・まさか、悪魔の残党!?

     「天・空・剣」!!」





エスなんとか「ぎょべああああああああああああああああ!!」















終わり・・・? いや、違う・・・


きっと終わりなんて無い・・・