第44話 ミカエルの誤算 驚異のラーファス空軍



ソル「空襲……?」



ミカエル「……唐突に空襲を仕掛けて即座に3都市を壊滅させるのか。
     いきなり攻めるとは、卑怯だな……」


ウィンド「最悪……」



ボルト「くそっ……何で……!!」




ミカエル「この国は空飛べるのは無いのか!?」


ボルト「……陸軍と海軍はあるが空軍は無い。
    そもそも飛行技術がそこまで完成されていない。

    飛行船ならあるが……」


スライサー「なら、それに武器を積んでラーファスに爆弾などを落としまくればいい。
      それで一気に壊滅させれば……」


ウィンド「駄目だな。
     ラーファスを潰せても同時にこっちも滅ぶ。
     それにラーファスは……」



スライサー「……?
      他にも問題があるのか?」


ウィンド「ラーファスの軍事基地は世界中に8ヶ所程度あるらしい。
     下手するともっと多いかもしれないけど。」



スライサー「そんなにあるのか……!?」




ミカエル「それじゃあ城を潰した程度で止まりそうにない!!」



ソル「だけど、皇帝さえ潰せば!!」


ウィンド「それも駄目だな。
     奴はボルテージの体でやりたい放題してるからな。」


ライト「そんな……」

ウィンド「それに、ああいう執念と欲望の塊のようなのは何回倒しても……
     乗り移ったりして永遠に終わらないぞ……」






ゼウス「……どうやら、危機のようだ。」







ブルームーン「ど、どうすんだよ……」


スライサー「……そう考えてると、ラーファスはもうチェックメイトをかけている事になる。
      まさに八方塞がり。
      わずかな時間でここまで追い込まれるとは、恐ろしいものだ……」




ソル「くっ……」





ボルト「………方法があるとすれば、他国との同盟を結ぶのみ。」



ミカエル「同盟、ねぇ……」


ボルト「この世界には他の国も当然ある……でも……
    同盟を結びに行っている間に城が落ちたり、
    同盟を結べなかったり……」







ミカエル「……待てよ?
     同盟を結ぶなら……
     結べないことはないはずだ。」

ボルト「?」



ミカエル「……通じる」





ソル「他の国と関わりがあるのか?」


ミカエル「ああ。
     向かえばすぐにでも結べると思う」



ボルト「そうなのか!?」





ミカエル「ああ。
     ひとっ飛び、行ってくるか?」






ボルト「時間は……どれぐらいで?」



ミカエル「最短なら半日で行ける」



スライサー「いくらなんでも早いな……」


ウィンド「他国の王と関わりがあると便利。」



スライサー「……王と関わり……?」





ミカエル「よし、じゃあ行ってくる。
     俺達だけでも結ぶことが可能だ」



ボルト「って……何処の国だ?」



ミカエル「……雪と氷の国、スノークリア。
     そして、超未来国家サイバーキングダム。」




スライサー「雪と氷の国……超未来国家……」




ソル「超未来国家って、すごいな……」




ミカエル「それらの国がそもそも同盟を結んでいる。
     一気に行ける」



ボルト「……まあ、大丈夫だろう。」




ミカエル「というわけで、行くぞ!!」

ウィンド「ああ。

     移動手段無い!!」

ミカエル「確かに、冷静に考えたら飛びっぱなしであそこまで行ける自信が無い」



ティルヴィング「わたしに任せて……二人ぐらいなら……」


ミカエル「風で?」

ウィンド「やっぱすごいな……」





ボルト「……頼む……」



スライサー「そして……こっちは、何とか陥落しないようにする必要があるな……」



ゼウス「……私の力で、バリアを張ることが出来る。
    一つの国を丸ごと覆う物はそこまで強度は高くならないが……」



ボルト「本当か!?」


ソル「いくらなんでも簡単に破れそうにないと思うんだが……
   神のバリアとなると……」




そして。








ミカエル「さて、今から海を飛び越えて二つの国のある大陸へ行くわけだが……」


ティルヴィング「上昇気流で一気に行くから。」

ウィンド「ちょっと待て。着地は?
     海飛び越えるレベルだとうまく着地しても衝撃で死ぬ」








ティルヴィング「……ど、どうしよう……」


考えてなかったようだ。



ミカエル「……まずいな。
     でもやらない事には……」



ウィンド「……じゃあ、もう駄目元でやってみるか。」








ティルヴィング「じゃあ……ジャンプして!!」




2人は全力で飛び上がった!!


すると……





ウィンド「ほ、本当に上へ!!


ミカエル「何もしないでも飛ぶんだな。」




ティルヴィング「そして……」




追い風が吹いてきた。


ミカエル「こうやって早く行くと……





     暴風」




物凄い風圧で吹き飛ばされた。


方向は間違っていないようだが生還出来るか怪しいものがある。









ウィンド「だ、だけどすぐ着きそうだ……でも風が寒すぎる!!」




ミカエル「……ん? あれは!?」




すると突然、前方に何かが現れた。それは……






ウィンド「ラ、ラーファスの戦闘用飛行船!?」



ミカエル「何だと!?」










『目標発見しました!!』


ラーファス空軍指揮官「くく……とんでもない事をやる奴等のようだが……
           大体の行動の予測は掴める……待ち伏せは成功だ」




飛行船の砲台がミカエル達を捕らえた……





ミカエル「なん……だと……!?」


ティルヴィング「こっちは高速で飛んでる、当たるはずが……!!」




砲台から玉が……!!





いや、



ミサイルが発射された!!




ミカエル「ミサイルかよ!
     だが、外れ……」





だが、そのミサイルは方向を変えた……







ウィンド「追尾型高速ミサイル!?
     マジかよ……!!」





ミカエル「くっ!?」




ミカエルは雷を放ち、ミサイルを落とした。




ミカエル「ミサイルと名前が2文字被ってる……いや、そんなのはどうでもいい!!
     こうなったらこっちから……!!」




ティルヴィング「!!」



ミカエル「どうした!?」






ウィンド「後ろ!!」




ミカエル「なっ!?」









ミサイルが直撃した瞬間、爆発した。






爆発は、彼らを巻き込んだ……









ラーファス空軍司令官「ミッションコンプリートだ……」






彼等は落下していった。


そして、海へと落ちた……