第48話 ボルト センクレイス ティルヴィング「はっ!!」 ラーファス「なかなか出来るようだな!?」 かくして、ティルヴィングがラーファスと激闘を繰り広げていた。 神剣同士のぶつかり合う音が響く。 その度に大地は揺れる。 そして。 ミカエル「ここで見ているだけだもんな」 ソル「行けよ」 ミカエル「いや、さすがの俺でも何も持たずにあんな所には行きたくない」 ティルヴィング「(一発が重い…!! 支えきれない……)」 ラーファス「くっくっく、太刀筋が鈍ってきたぞ…? 食らえ!」 剣から放たれた闇が、もう一つの神剣を弾き飛ばした…!! ティルヴィング「しまった…!!」 ウィンド「(あ、これは…まずい…)」 ラーファス「とどめだ! 死ねえええ!!」 ソル「まずいぞ!? 神剣は持ち主がいなくなったら新たな持ち主を認識するって聞いたが… 神剣の精神が消えたらアウトじゃないのか!?」 ミカエル「そうなったら、ここで全員やられる…!!」 すると、剣のティルヴィングを拾った者がいた。 ラーファス「む……?」 ティルヴィング「…ボルト?」 ボルト「…ちょっと借りるぞ」 スライサー「!?」 ティルヴィング「ちょっと…!! 暴走する…!!」 ボルト「振る訳じゃないから勘弁してくれ。 ただ、ちょっと…」 ボルトはいきなりその剣を投げる態勢に入った。 ウィンド「(はぁ!?)」 ティルヴィング「ちょ、ちょっと!? まさか…!!」 そう、彼はそれをラーファスに投げた。 だが、冷静に考えてみてほしい。 今のラーファスは、「ボルテージの体で動いている」のである。 ライト「ボルト! そんな事したらボルテージごと!!」 ボルト「…「風」剣、だろ?」 そう、最初からそれで刺そうとなんてしていない。 ボルトは、ティルヴィングの風圧でラーファスを吹き飛ばそうとしたのだ… ボルト「神剣の風が、ラーファスの怨霊を吹っ飛ばしてくれることを望む!!」 ラーファス「なっ…ぐっ!?」 ラーファスがその風に触れた瞬間、異変が起こった!! ラーファス?「何だこの風、俺は一体!? ぐっ!? この体の精神が戻ってしまったのか!? ん!? ぐ…!!」 ライト「え!? マジかよ!? ボルテージ戻ってるのか!?」 ウィンド「(すっげぇ…)」 ティルヴィング「(…)」 ウィンド「(お前の事だぞ?)」 ティルヴィング「(え? そ、そう… わたし自身も予想外で驚いてるんだけど…)」 ラーファス?「ぐ、ぐごああああああ!! うお!? ぐはあああああああ!?」 ラーファス…いや、ボルテージが風圧で吹き飛んだ。 ボルテージ「な、何が起こっ…ぐふっ」 夕方― ボルテージ「……そんな馬鹿な!」 ライト「いや、事実だから…」 ボルト「ま、これで終わったわけだし、ようやく国に本当の平和が…」 ライト「でもまたあっさりした終わりだったな…」 ボルト「現実なんてそんなもんさ。 意外と燃え上がらないものさ… さて、この前に続きまた復旧作業か…今回は本当に国民の多くも亡くしたしな…」 スライサー「奴がまた誰かに乗り移ってくる、と言う事は無いのか?」 ブルームーン「怪しいとすればあの剣だけどな…神剣だったんだろ?」 ミカエル「大丈夫だ、あれには封印を施しといた。 神剣も無い、国も無いんじゃもう奴に残されてる物はない」 スライサー「そうなのか。さすが…」 その後 兵士?「くっくっく…」 ボルト「!? な、何だ!? いきなり発狂したか!?」 兵士?「まだだ…ラーファスは不滅…」 ボルト「閉じ込めとけ」 兵士A「はっ」 兵士?「ラーファスは不滅…不滅…うぐ… 涙の味はしょっぱい…」 兵士の元の人格「(早くどっか行け、むしろあの世へと)」 こうして、センクレイスから脅威は去ったのだった。 案外、あっけない終わりだが、それもまた一興。 この後、センクレイスは未曾有の発展をするが、それはまた別の話である。 バイタリアス「機械を買わないか!?」 ボルト「帰れよ。」 バイタリアス「部下に城を追い出されてしまったのだよ!!」 ボルト「…はぁ…」 ボルトはため息をついていた… だが、そんな暇は無い。 ボルト「いいから帰れって! 俺はこれから忙しいんだ…」