第50話 予感前兆




ミカエル「正直な話を言って、俺達だけじゃ無理がある」



ラファエル「…どういう事だ?」


ミカエル「サタンといい、ラーファスといい、
     二回も邪悪な存在が現れた。
     それも、ここまで立て続けに。
     今までこんな事があったか?」



ガブリエル「無い…けれど…」

ラファエル「それが一体…?」


ミカエル「何か、この空間に…いや、あの世界に異変が起きてる…そう思うんだ。
     そして、いずれ更なる敵が現れる…その時、俺達三人だけじゃあ無茶だ。」



ラファエル「…何が言いたいんだ?」





ミカエル「天使の素質を持った奴を探す…」



ガブリエル「増やすの?
      でも、グランド・フォースを持った四人や、神剣、
      それにあの人達の力があれば天使が増える必要は…」


ラファエル「…四人? 五人じゃなかったか?
      ほら、あのエス…」


ミカエル「そんな奴存じないなあ。」


ラファエル「(悪魔より酷いな…)」


ミカエル「だが、面子は多い方がいいだろう?
     素質を持った奴はそこまでいないだろうしそんな増えないさ」



ラファエル「あいつらの中に…いたか?」

ミカエル「いや。あいつらの中にはいない。
     その中で強いて言うなら…

     エリアス…」



ラファエル「その兄が猛反対だな。」


ミカエル「だからそれは除外だ。それにあいつはそのままでも十分強いさ」



ガブリエル「そういえばあのエリアスって…」


ラファエル「…俺も感じたんだが、あいつの力は凄まじい物がありそうだ…
      グランド・フォースほどではないにせよ、な。」


ミカエル「ま、その話はいいや。
     で、とにかく素質を持った奴は…」



ラファエル「またウィンドに協力させればいいだろう?」


ミカエル「よほどの事がないとあいつは駄目だろ。
     あいつに一度は入ったはずの天使の力が今は完全に消えている。
     ウィンドの奴、自力で天使の力を消滅させたんだろう…」


ラファエル「…ある意味すごいな」


ミカエル「戦闘で生かされる事は無いけどな…」



ガブリエル「じゃあ、そうせざるを得ない原因を作れば?
      人質捕るとか。」


ラファエル「それはまずいだろ…」




ミカエル「まあ演技だとすぐバレそうだしな。不自然すぎる」









ウィンド「で、何の用だ?」


ラファエル「協力してほしい」

ウィンド「してるじゃないか今までも」


ラファエル「だがそのサポートセンターは数十年で閉鎖してしまう。」


ウィンド「言い回しおかしいだろ…大体言いたい事が分かったので、俺は帰る!」


ラファエル「何でだ!
      もうこれだけ関わっている以上あっても無くても同じだろう!?」



ウィンド「いやそう言う問題か!?

     真面目な話をすると、永遠の命を持つという事は、より多くの、
     平凡な命、普通の命の消えるのを多く見る羽目になる。
     そんな、人が死ぬのは見たくない」




ラファエル「…そうか。なら仕方な…」



ミカエル「面白くないから却下!」


ウィンド「いや面白くしようとしてないから!! 真面目な話って言ったよな!?」




ラファエル「(理不尽な…)」




ウィンド「毎度ながらこのテンションでお前らと会話するの疲れる…
     天使がこんなに軽くていいのか!?」



ガブリエル「翼でふわふわ飛んでるから…」


ウィンド「黙れよ。
     第一、仮に受け入れたとして、」




推測


ソル「天使が一人明らかに弱いのは仕様か?」

ライト「仕様だろ」






ウィンド「と、なるに決まってるだろう!?
     泣くぞ!」






ミカエル「それは想定していなかった…」



ラファエル「ま、まあ落ち着け…
      ウィンド、この事によるメリットを考えてみないか?」



ウィンド「メリット?


     ・飛べる
     ・強くなる
     ・不老不死
     ・出番が増える」


ラファエル「出番…!?」



ミカエル「こいつこれまでの話で活躍全然ないからな。
     ほら、ティルヴィングに体乗っ取られたりして」



ラファエル「…出ている時期だけなら最高レベルだが事実上の出番数は下方なのか」


ミカエル「もう一押しで行けそうだな☆」

ラファエル「星をつけるな! 気持ち悪い!」



ウィンド「乗せられる所だった」






その後



ラファエル「とりあえずあいつとも交渉しに行った方がいいな」









ミカエル「と言う訳だ」



エリアス「いいよ」

ライト「いやちょっと待てエリアス!」


エリアス「えー? だって、ファンタジックでカッコイイよね!」



ライト「よく考えろ!
    (説得省略)だからやめておいた方がいい!」



エリアス「えー?」






遠くから


フォルス「(エリアスが…あのブラコンエリアスが…!!)」


何だそれは。



フリーズ「(こいつ…何を考えているんだ…?)」





フォルス「(エリアスが天使になったら…俺はあいつの近くにいられないかもしれない…
      それは……ん? 待てよ…?

      エリアスが天使……」



フォルスの 妄想 想像



エリアス「フォルス! この翼、きれい?」


フォルス「!!」


エリアス「これで飛べるんだよ!」


フォルス「……(バタッ)」


エリアス「あれ? どうしたの?」



終了






フリーズ「(危険だ…こいつから危険な予感がする…)」



フォルス「(エリアスに近づいて)
     お前が決めればいい、結局は本人の判断だ」

ライト「フォルス! だけどエリアスが危険に曝され…!」


フォルス「だが、エリアスは弱くない。」

ライト「だけど…!」


フォルス「弱くない!!」

ライト「(ちょっと待て…なんだこの異様な威圧感は!!)」






ウィンド「エリアス…どう考えても危険だぞ?
     天使は危険に曝されすぎるし」



エリアス「でも君よりは強いから大丈夫だよね?」


ウィンド「何…だ…と…俺は…」




ミカエル「(一網打尽、ってか?)」


ミカエルはここまで考えた? いやそんなわけは無い。



ウィンド「俺…やっぱ弱くて…役に立たなくて…あはははははは」



ミカエル「今こそ新たな力で名誉挽回する時だぜ☆」


ミカエルのテンションが暴走気味。

昔からか?




ウィンド「…俺はもう少しぐらい強くなってもう少しぐらい見直される!
     それで俺は満足すぎるぜ…」



エリアス「それで、どうすればいいの?」




ライト「エリアアアアアアス!!」


フォルス「頑張れよ」


ライト「おい!」




フォルス「大丈夫さ…99%」

ライト「くっ…フォルス! てめぇ!!」


フォルス「考えてみろ! (省略)!!」






ライト「!!」





場所は戻って


ミカエル「じゃ、ラファエル。他探してきてくれ」


ラファエル「(何があったんだ…?)」





ミカエルまた遠出。


ラファエル「一体何があったんだ…」


ウィンド「うまく乗せられたのさ! エリアスにな!!」


エリアス「え、わたし何かした?」



ラファエル「(本当に何があったんだ…?)」





ガブリエル「ゼウスはいらないの?
      いないと無理なんじゃ…」



ラファエル「いや、そうでもない。少し時間はかかるが。
      にしても、本当にいいのか?」


エリアス「うん!」


ラファエル「(即答!?)」


ウィンド「……………もういいや何でも」


ラファエル「そうか…
      (そういえば天使名どうする気なんだ?)」


ウィンド「あー、天使名の心配してるな。
     前のは適当にやられた奴だし即席だったからまともに考えないとな…」


エリアス「かっこいいの?」


ウィンド「そうとは限らないだろ普通。」




数時間後


ミカエル「見つからない……どうするべきか」




????「いた!」


ミカエル「ん? エリアス?」


????「名前を呼ばれても名前が????って書いてあるのに違和感を覚えるね!」


??????「ちょっと待てお前
       ????とかそう言う事言うなよ…本当に」











ラファエル「そう言う事で天使が五人に…」



ゼウス「(……まあ大丈夫だろう)
    だが何故今になってウィンドが協力体制を?」


ラファエル「…原因不明…」


ゼウス「……?」






その後


????「兄さん! フォルス!」



ライト・フォルス「!!」




フリーズ「(…おい)」





フォルス「エリアス…かわいいな」


????「え?
     い、いきなりそんな事言われたら…」



フリーズ「(…おいおい)」





????「フォルス……」


フォルス「エリアス……」







雰囲気が何処か違った。


フリーズ「(…おいおいおい)」









ミカエル「さて、ある程度の準備は整ったか…
     そろそろまた一波乱ありそうだし、な。」