第53話 魂を狩る者 センクレイス城 ソル「一体、どうして呼ばれたんだろうな?」 スライサー「また面倒な事が起きるに違いないな…… …あれはミカエルか?」 ミカエル「お、来たか。 …無理か。うん、帰ってもいいぞ。」 ソル「ここまで来るために要した金を返せ!」 スライサー「……理不尽な呼び出しだったな」 そして二人は即刻帰路についた。 ソル「ん? 誰かいるぞ…?」 ????「まだ足りんか…しょうがない…… この際、この程度ならば大丈夫だろう……」 うすら笑いを浮かべている謎の男を発見した。 スライサー「(何だあれは……)」 ????「ん……? ほう、自分から生贄になりに来るとは、感心だな。何物かは知らんが……」 ソル「今、生贄って言ったよな」 スライサー「ああ……」 ????「くくく…魂を寄こせ!」 謎の男はいきなり鎌を取り出し襲いかかってきた! スライサー「(何て在り来たりな展開だ……!!) 敵か!!」 ソル「いきなり何なんだこれは!?」 ????「俺様は魂に餓えているのだ… 貴様等の魂は上質の物やもしれぬ……さあ寄こせ!!」 ソル「あー、もう! こうなったらぶった斬る…」 ミカエル「待て! そいつは危険だ!」 ソル「ん!?」 ????「…? おお、これはこれは…ミカエル…」 ミカエル「…… こいつらが出た後不穏な空気を感じたらこれか……」 ソル「金くれ!」 ミカエル「知らん!」 ソル「理不尽!」 スライサー「…知り合いのようだな。」 ミカエル「ああ。あいつはちょっと危険な奴でね…」 ????「貴様の魂も寄こせ……!!」 ミカエル「奴の名はサマエル……「魂狩りの死神」とも呼ばれている……」 ソル「またやばい敵が出てきたって事か…迷惑な… 悪魔王に皇帝に死神…何でこんなに…」 サマエルと言うらしい男は鎌をいきなり振りかざした!! ソル「ってうおぉ!?」 ミカエル「気をつけろ、奴の鎌で斬られたら…」 スライサー「どう考えても即死だな…」 ミカエル「それだけじゃない、魂ごと切り裂かれ、後には何も残らない……」 ソル「怖…」 サマエル「そう言う事だ…さあ、最初の獲物はどいつだあああああ!?」 スライサー「こいつ…狂ってる」 ミカエル「ああ。 とりあえず逃げた方がいいな…」 そう言うと、ミカエルは懐から何かを取り出した。 ミカエル「秘密兵器の「煙幕玉」!」 その玉から煙幕が吹き出し、辺りを覆った!! サマエル「…」 ミカエル「早くここに入れ!」 ソル「あ、ああ…」 煙幕が晴れると、ソル達はいなくなっていた。 サマエル「ちっ、逃がしたか…まあいい…」 空間の神殿 ソル「な、何だここ…」 ミカエル「お前は来た事無かったな。 ここは空間の神殿…俺達の本拠地だ」 スライサー「俺は以前一度来た事があるな… 地獄へ向かう直前だったか。」 ラファエル「苦労したようだな…」 ソル「ん!?」 ラファエル「まさか、今になって「魂狩り」が現れるとは…」 ガブリエル「このままでは、また地上に災厄が…! 既に二度もの危機を乗り越えたというのに…」 ラファエル「…二度目はほとんど介入しなかったがな。」 スライサー「…あの「魂狩り」とかいう奴は何者だ?」 ラファエル「…奴は裏切り者だ。 空間天使の、な……」 ソル「裏切り者?」 ラファエル「サマエルは、かつての天空の天使との戦いにおいて、俺達を裏切り、奴等に付いた。 最大の汚点だ」 ソル「天空の天使に付いた?」 ラファエル「その理由は、魂を求めるが為…… あの時の戦いにおける犠牲の25%程度はあいつのせいと言っても過言じゃなかった……」 ミカエル「ついでに、残りの75%がグランディア(サタン)達による物だ。」 スライサー「多いな… あいつは、魂を得るためだけに動いているのか? そして、何のために魂を…?」 ミカエル「その通りの行動理由さ。 奴にそんな細かい目的は無い、ただ上質な魂を貪るためだけに動いている。」 ソル「何でそんな奴がいるんだよ…」 ガブリエル「私達にもよく分からないけれど…… 存在自体に意味は……きっと……」 スライサー「…?」 ラファエル「…とにかく、一旦下に降りた方がいい。 もしかしたら……」 センクレイス城 兵士A「ボルト様! 敵襲です!」 ボルト「(何でこの国はこんなに襲われるんだよ! もう二回も壊滅してるのに!) 誰が来たんだよ!!」 兵士A「鎌を持った何者かです!」 ボルト「一人か!?」 兵士A「一人です!!」 街中 サマエル「さあ、魂を寄こせ…!!」 一般人A「うわあああああ!!」 一般人B「きゃあああああ!!」 エスなんとか「また危機の予感…! 今度は死ぬ…!!」 サマエル「さあ、貴様も… こいつの魂はゴミ以下か。いらん」 エスなんとか「何だってええええええええええ!? そんな馬鹿な!!」 サマエル「失礼…ゴミが可哀想だったか」 エスなんとか「…うごおああああああああああ!!」 兵士A「今、誰か変な奴が狂ったかのようにその男と戦っているようですが…」 ボルト「誰だよ…まあいい、戦闘準備だ!」 ラファエル「やはりか…!!」 ミカエル「すぐに止めるぞ!」 ソル「あれ、誰か戦って…………え? あ、あいつはエストレア!?」