第54話 エストレアフィーバー!!



エストレア、彼の名前である。

随分長い間彼は誰にも呼ばれなかった。


しかし彼には古き親友がいたのだった!!







エストレア「誰がゴミクズ以下だクソッタレ!!
      このエストレア様がギッタギタのズッタズタにしてやるぜ!!」



サマエル「ほう…そこまでこの鎌の餌食になりたいか…」






ソル「エストレア…!!」


スライサー「(…ん? 何か後ろめたい感じがする…)
      エストレア、か……」



ミカエル「あれ…誰だ」






サマエル「ほう…?」




サマエルは素早くエストレアに鎌を突き付ける。


鎌とエストレアの距離、僅か数ミリ。


しかし…




エストレア「遅いんだよクソッタレ!!
      てめぇがゴミクズじゃねぇのかよバカが!!」



サマエル「む…!?」



エストレアは更に素早く後ろに回り込み、彼にキックを連打した!!



エストレア「食らってみやがれ必殺の十連打!!」


サマエル「ぐうっ!?」





ソル「よし、やっちまえ!!」




ミカエル「な、何だあいつ…強い…」






ラファエル「(あんなに強かったのか…この前のは何だったんだ?)」





サマエル「ぐう…小癪な! この俺様に…」


エストレア「てめーのようなカスが俺様なら俺様は神様だぜザコが!!」





ソル「よっしゃ、いいぞ押し切れ!!」


ミカエル「(あいつが神様なら俺は更に上を行く!)」


ガブリエル「(…?)」




エストレア「俺の怒涛のラッシュも受けてみろ!!」


エストレアはパンチとキックを凄まじい速さで連打している!!



サマエル「ぐ…魂はゴミ以下だが身体能力は…」




サマエルは何とか鎌で受けるも一部を防御しきれていない。





ミカエル「まさか一般人が奴を押すとは…恐るべし、だな。」





サマエル「くっ…俺様を…舐めるな!!」



サマエルは一瞬のすきを突き鎌で足払いを仕掛けた!!



エストレア「うおっ!?」





ミカエル「まずい!」



ラファエル「任せろ…!
      はあっ!!」




エストレアが転んだ瞬間、ラファエルが咄嗟にサマエルに強力なエネルギーを放った!」




サマエル「ぐっ…!?
     ちっ…邪魔が入ったか…」


そう言うと、サマエルは突然消えた。






ラファエル「追い払えたようだな…」


ミカエル「一旦は安心か。」





エストレア「くっそ、逃がしたか!!
      まあいいや、助けてくれた事を感…謝…?

      はっ…てめぇらは!!」






ミカエル「俺達はお前を知らない」




エストレア「んだと!?
      忘れたとは言わせないぞ!

      地獄にまで現れて出番を得ようとした俺を一瞬で…」





ソル「(地獄にまで現れ!?)」

スライサー「(そういえばそんな奴いたようないなかったような……)」




ミカエル「何て奴だ…出番を得たい一心で地獄にまで行くとは…だが記憶に無いな。」




エストレア「なら今ここで記憶に刻みつけさせてやるぜ!!
      このエストレア様の名前をなあ!!」


ミカエル「悪いけどお前の事を覚えても記憶領域の無駄だと思うんだ」



エストレア「んだと!?」



ラファエル「(話す言葉がワンパターンだな…)
      そういえばお前とは以前会った事があったな。」



ミカエル「って、知り合いか…」



ラファエル「確か秘宝(財宝)を割られたという悲報を聞いたが」





ソル・ミカエル「くっだらねぇ!!」





ラファエル「まあ、あれは強くなるんじゃなくて実は弱くなる物だったらしくてな…」




エストレア「何だと!?
      割れてよかった…」


ラファエル「よく確認しないといけないようだ。
      最近間違いが多くてな…」

ミカエル「もう御老人なのさ!」


ラファエル「ならお前もだ」








ガブリエル「ちょっと…そろそろ話を元に戻して…」


スライサー「元も何も無くなってしまった気がするが…」




ガブリエル「そんな……」





エストレア「あの野郎今度あったらこの俺様が原形を留めなくなるまで殴ってやるぜ!」


ソル「ところでエストレア、さっきから普通に話してるけど俺だ、ソルだ」




エストレア「ん?


      (空白)


      ソルじゃないか!!」




ソル「そうだ!
   こんな所で」



ラファエル「というより知り合いならもうそっちに話が逸れてもいいと思うが…
      気づく前にしばらく話をしていたな」



ミカエル「まさに友情…」

ラファエル「……」





エストレア「そういえば最初はお前が何か忘れたけど何かの事件に巻き込まれている事が分かって
      (※ソルの住んでいた街が一度消し飛んだ時)
      探しに来たら何か色んな奴に吹き飛ばされて……」





スライサー「…前、ライトに聞いた話によると、
      そういう事象の事を「魚現象」というらしい。」




ミカエル「(魚って、ブレイカーの事か…なるほど)」


死してなおこんな扱いとは酷過ぎる。




エストレア「そうなのか!?
      魚を食いすぎたのか…」


スライサー「いやそう言う事ではなく」


エストレア「断魚だな!」



スライサーは呆れて物も言えなかったのだった。









ガブリエル「もう少し真面目な話をしてよ…」


ミカエル「そんな長く話してたか?
     まあいいや、じゃあそろそろあいつについて語るとするか…」



ソル「魚?」


ラファエル「何でそっちに!?」


ミカエル「別に話してもいいけど、俺はあいつの事はそこまで知らんぞ」

ガブリエル「そんな事話さないでいいから……」





スライサー「魚の事を聞きたいならライトにでも聞け」

ソル「分かった」





ミカエル「さて…サマエルについてだが…」