第6話 未開地


スピード「既にいないようだな・・・」

倒れている天使達。血で大地は染まっている。


グランディア「だが、すぐに見つかるだろう。
       まだそこまで遠くには行っていないはずだ・・・」



スピード「見つけ出したら、今度こそ完全に葬ってやろう・・・
     
     仏の顔も三度まで、と言うだろう?」





さて・・・


ボルト「どうするんだ・・・?」

スライサー「まあ、まずは大都市にでも行った方がいいな。
      人が集まりやすいからな。」


ボルト「それもそうか・・・」


スライサー「この近くには、この国の王都がある。
      世界最大の都市だ、何か期待できるだろう・・・」




ところが彼等はまだ知らなかった。


その都市はすでにソル達が訪れ、

そして、既に崩壊していたと言う事を。



ソル達は思いのほか遠くには飛ばされなかったらしい。




そしてそれを目の当たりにして。



スライサー「・・・ちっ、ここも襲撃をうけていたようだな・・・」

ボルト「そんな・・・」




スライサー「・・・まさかこの巨大な都市にいる全てが殺された、と?
      ・・・やれやれ、全世界の人口の約1割がこの街にいたっていうのに・・・」



ボルト「・・・すごい数なのか。」



スライサー「この国の名は「センクレイス王国」、
      世界最大の国で、巨大な力を有していたが・・・
      その都市が2つも壊滅したと・・・」



ボルト「・・・センクレイス?」


スライサー「・・・詳しく言うと、
      かつて、この国の若き王は失踪した。
      以前もこの都市は襲撃を食らってな。
      その時にその王は失踪してしまった。
      まあ、死んだだろうな・・・あの時も壊滅だった。」



ボルト「・・・その王の名は?」



スライサー「・・・確か、お前と同じ名前だったぜ・・・」






一方、別の場所で。



ライト「ここは・・・何処なんだ・・・?」

フリーズ「さあ、な・・・
     よほど北の方なんだろう、猛吹雪だ・・・」


ライト「俺達以外には誰もいないのか・・・?」

フリーズ「そのようだな。」




ライト「まさに未開地って感じだな・・・
    人の手が何も入っていない感じだ」


フリーズ「そもそもこの大地には人は住めないだろう・・・おそらく、だが。」




ライト「確かに、寒すぎる・・・」

フリーズ「こんな所に誰も住もうとは思わないだろう。
     環境は劣悪だし、動物もほとんどいそうにないからな。
     餓死するのがオチだろう・・・」




ライト「とにかく、ちょっと進んでみるか・・・」






ライトとフリーズはひたすら歩き続けた。


そして数時間も進んだ頃。



ライト「・・・海だ・・・」


吹雪を抜け、目の前に現れたのは夕焼けに染まる海。

もう、日は沈み始めていた・・・



フリーズ「この海・・・紅く染まっているな・・・」

ライト「確かに、夕焼けだけにしては紅いな・・・」



フリーズ「・・・ん?
     海の底が、紅く光っている・・・?」



ライト「え?」



フリーズ「・・・よく分からないが、
     人工でもなさそうだが自然的なものとも考えにくい・・・
     とにかく、そんな何かがある。」


ライト「・・・不思議だな。」

フリーズ「ああ。
     まあ、海に出たのは助かる。
     魚がいればそれを取ればいい・・・」




とにかく、明日の事を考えるのは後にして、2人は海に入り魚を取り始めた。




ライト「・・・生で食うのか、これ。」

フリーズ「・・・何処かに木切れでもあればいいんだがな。」






また別の場所で・・・



ボルテージ「あーー・・・あっちーーー・・・」


ブルームーン「まさか砂漠に出ちまうなんて・・・」



ボルテージ「あーーー・・・ん?
      何だあの穴は。」


ブルームーン「穴?」



その先には、流砂のようなものがあった。

そしてそこに穴がある。



ブルームーン「あ、あれはまさか巨大アリジゴクか!?」


ボルテージ「巨大アリジゴク!?」


ブルームーン「ああ・・・穴に落ちた奴を
       噛み砕いて粉にしてしまうんだ・・・」

ボルテージ「な、何だって!?
      そんな恐ろしい奴がいるのか・・・!!」


ブルームーン「穴がたくさんあるぞ・・・
       慎重に行かなきゃお陀仏だからな・・・」



ボルテージ「くそっ、なら空から攻めればいい話だ!!」








ブルームーン「まっさか・・・
       お前、人間じゃなかったのか?」


ボルテージはポケモンの姿に変身(戻る?)し、ブルームーンを乗せて砂漠の上を飛んでいた。




ボルテージ「ま、そういうもんさ」




世界各地で、この状況を打破しようと誰もが動いていた。



そして、それは彼らだけでは無かったのだ・・・








テレビのニュース「世界の各都市が謎の集団に襲撃、壊滅しました。
         世界各地に多大な影響を・・・」



?????「あ、あの街は・・・
      ソル達は、大丈夫なのか・・・!?」


テレビのニュース「おそらく生存者はいないとの見通しで現在・・・」



?????「冗談じゃねぇぞ!!
      探しに行くしかないじゃねぇか!!」