第7話 空間転移


スピア「先手を奪って、奴等を壊滅させたのは大きかったな。
    あんな大人数じゃ・・・」



ダークネス「なんだ・・・?
      もう見つかったか・・・」


スピア「ん・・・?
    お前は・・・ダークネス・・・」




ダークネスはスピアに経緯を語った。


ダークネス「という訳で、4人で手分けしてお前を探していたわけだ。」


スピア「そうか・・・
    ウィンドは生きててくれたんだな・・・
    それに、エリアスも生きているなら、他の奴も生きていると見ていいか。」


ダークネス「さて・・・(通信機みたいな物を取り出す)
      エアー。至急来てくれ、スピアはあっさり見つかったからな・・・」



エアー「(通信機から)
    そうか。すぐに行く。」



場所を伝えないのか、というと。

エアー達4人はお互いのいる場所は簡単に分かる訳で。

長い間の信頼関係のおかげで。



少し経って。ほんの10分程度。



カルテット「あっさりしてますね。
      幸先いいですよ。」

エメリア「じゃあ、わたしはウィンド達に伝えてくるね!!」


エアー「ああ。素早く、な。
    そうしたらここへ連れて来てくれ。
    これを使って、な。」


エアーは、自分の翼から1枚、羽を抜いてエメリアに渡した。




エメリア「うん!!」


エメリアは、すぐに行ってしまった。


カルテット「そういえば場所は分かるのでしょうか?」

エアー「まだあまり移動はしていないだろう。」

ダークネス「だったらいいけどな・・・」


スピア「ああ・・・よかった・・・
    しかし、お前達とたまたま会えたのも大きいな・・・」



ダークネス「ああ。
      こっちだって戦いとかそれ以前にまた会えてよかった。」



カルテット「本当ですね、よかったですよ。
      ですが・・・そう喜んでる暇はないようですね?」


エアー「ああ・・・分かってる。
    この感じ・・・奴が近くにいる・・・」


スピア「・・・スピード・・・」



彼等には分かっていた。


奴が来ることぐらい。



スピード「見つけたぞ・・・スピア。
     それに・・・反逆者が3人もいるのか。好都合だ・・・」


スピア「ったく、妙に粘着質だな。
    死んだと勘違いしてくれてればいいものを、な。」


スピード「馬鹿か。大量に他の天使がやられたと分かればお前意外誰も浮かばない。」




エアー「仕事の速い奴だ。」

ダークネス「なんかやろうとしてたのか、スピードめ・・・
      スピアに感謝だな。」



スピア「やりすぎたか。
    まあいいよな。お前の方がやりすぎだ。」



スピード「しょうがない、ここで本当にお前を消滅させてやろう!!」



スピア「馬鹿か、今回の俺は全開で行くぜ・・・?
    こんな所なら何か巻き込む恐れも無いしな。」



そこは、辺り一面ただの更地だった。





グランディア「そうか。なら、見せてもらおうか?」



カルテット「グランディア・・・!?」

ダークネス「お前もいたのか・・・!!」



エアー「好都合だ、2人の黒幕が出てきてくれたんだからな。
    計6人の大戦争と行こうか?」



グランディア「醜悪な屍をさらすがいい、反逆者・・・そして、スピア!!」


スピア「お断りだ、馬鹿が。」








スピード「「エレメンタル・バスター」!!」


グランディア「「アースクエイク」・・・」


エアー「「ディストラクションストーム」」


ダークネス「「ブラックホール」・・・!!」


カルテット「「クロニティストッパー」」


スピア「「ジ・エンド・オブ・サンダー」!!」









6つの強大なる力が放たれた時、大地は震えた・・・!!




スピード「ほう?
     マシな戦いが出来るようになったようだな?」


エアー「お前こそ、ちょっとぐらい強くなってるようだな・・・」



ダークネス「ったく・・・」


カルテット「さて・・・
      今のような攻撃を続けると永遠に戦いが終わらなくなりますね・・・」




グランディア「なら、死ね!!」


スピア「だから断るって。
    死ぬならお前が死ねよ!!」




スピード「大きい口を叩くな、これで消えるがいい!!
     天・空・剣!!」



スピア「・・・チャージ開始!!」




エアー「天空剣・・・面倒なものを・・・」






あの街の時のように・・・巨大な光が周囲を飲み・・・




エアー「吹き飛べ、
    旋風剣・・・」



込むと思った瞬間、エアーが放った暴風によりその光は吹き飛んだ!!




スピード「光をも吹き飛ばす風・・・!!
     くっ・・・」



ダークネス「『属性剣』は自分の属性にあった物を使わないと威力が落ちる・・・
      お前の属性は光じゃないからな・・・」




スピード「なら・・・この、死の属性で消してやろう!!」





スピードの属性は「死」という特殊属性。


この属性は、闇の属性に近いが、それより更に暗い力である。





スピード「滅・亡・剣・・・!!」




禍々しい闇の波動が広がる・・・!!



エアー「これは・・・やや厳しいか・・・!?」


ダークネス「伏せてろ・・・
      暗黒剣!!」




属性剣はそれぞれの属性に存在する。


彼らのような天使はそれをうまく放つ事が出来る。


属性を司る天使なのだから。


なお、炎は「灼熱剣」、

水は「流水剣」などなど、それぞれの属性だと分かるような名称がついている。






2つの暗黒がぶつかり合い、またも強い衝撃が起こる!!



グランディア「ちっ・・・」


スピード「またか・・・
     全く、ご立派な事で・・・」




このまま行けば勝てるのではないか?



スピア「よし・・・「エクステンションエターナル」!!」


そう思った瞬間、スピアはその力を最大限に発揮した!!



尋常じゃない量のエネルギーを体に纏い、自らを雷の槍と成す、究極の雷の攻撃!!




スピア「これで終わらせてやる・・・!!」





だが、予想しない事態が起きた。




エメリア「ど、どうしたの・・・!?」


エメリアが、このタイミングで4人を連れてきたのである!!




ソル「な、なんだこの状況!?」


リーフ「すごい戦いが起きてる・・・!!」


エリアス「どう・・・なってるの?」


ウィンド「スピア!!」








カルテット「!?
      最悪のタイミングで・・・!!」



エアー「エメリア!!離れろ!!危険だから・・・」





グランディア「そうは行かないな・・・」



するとグランディアはエメリアと、彼女が連れてきた4人の後ろに回りこんだ!!




ソル「!?」



エアー「・・・何をする気だ!!」



グランディア「・・・こいつらの命が惜しければ、おとなしくついて来い。」



ダークネス「何だって!?」


カルテット「汚い真似をしますね・・・!!」




グランディア「汚い・・・?
       ははは・・・!!
       汚いも何も存在するわけが無い・・・
       これは戦いであり、遊びとは訳が違う・・・」




スピア「てめぇ・・・!!
    ふざけ・・・」


エアー「よせ、スピア。
    奴は本気だ、今反撃しようとしたらあいつらが殺される・・・」



スピア「くそっ・・・!!」



グランディア「それでいい・・・
       さあ、来るがいい。

       開け、天界の門!!」




その時、巨大な門が音も無く現れた・・・!!




スピード「やれやれ、これで終わりだ・・・」


エアー「・・・やはり、思った通りには行かないようだな・・・」




ソル「お、おい・・・なんでこんな事に・・・」


リーフ「・・・天使・・・!!」


エリアス「ど、どうするの!?」


ウィンド「・・・手は1つしかないな・・・」



ウィンドは小さく呟いた。


エリアス「え・・・?」


ウィンド「こうなったら普通どうしようもない。
     だから・・・」




グランディア「貴様、今の立場を分かっているのか?
       何かやる気なら、すぐにでも・・・」




ウィンド「スピア!!
     アレ、使えないか・・・?」



スピア「アレ・・・?
    ・・・その手があったか。」




グランディア「下らん事をしたら、すぐにでも・・・」



スピア「だがこれを使うのはギリギリまで追い詰められた時にしたかったんだがなあ・・・」

ウィンド「どうせ連れてかれたら処刑一直線だろ!!」



スピア「・・・分かった、ならやってみるか。」



グランディア「何を・・・」



スピア「固まってるとまずい事になるかもしれないから、
    大体別々の場所へ送るか・・・」




エアー「・・・?
    スピア、何を・・・」



スピア「・・・」



スピアが何かを唱え始めた。すると・・・!!




ソル「ん?
   な、なんだ!?」



ソル達の足元に魔方陣が広がった!!





エリアス「こ、これ、何!?」



スピア「ちょっとした空間転移だ、
    ちょっと妙な所に送っちまうかもしれないが我慢してくれ!!」




そして、魔方陣が光り輝いた!!



グランディア「ぐぉっ・・・!?」




そして、光が消えた時、ソル達の姿は無かった。







ダークネス「スピア、一体何をしたんだ!?」

スピア「だから空間転移だって。」


カルテット「スピア・・・あなたが、こんな事出来るのですか!?」





グランディア「貴様ら、なめた真似を・・・!!」



スピア「一旦引くか・・・」



同じ魔方陣が足元に広がった!!











ソル「うーん・・・!?
   さ、寒い!!」



ソルは、なんか寒い所で目を覚ました。



ウィンド「起きたか?」

ソル「あ、ああ・・・
   って何処だここは!?」



猛吹雪の中に放り出されていた。



ウィンド「まさかこんな所に飛ぶとは思わなかった。」


エリアス「うーん・・・」


リーフ「こ、ここは・・・?」



ウィンド「まあ助かったわけだから。」


ソル「・・・また理解できない・・・
   あのスピアって奴がなんかしたんだよな・・・?」








一方、


エアー「・・・何処かの砂漠まで飛んだな。
    一体何をしたんだ?」


スピア「トップシークレット。」


カルテット「もったいぶりますね。」

スピア「まだ言うべきじゃないと思った。」




ダークネス「・・・まあいい、
      一応状況は打破できたようだしな。」



エアー「・・・まあ、それはいい事か・・・
    すぐにもう一度合流するとしよう。
    エメリアはあいつらと一緒にいそうだな・・・」








エメリア「ふう・・・
     何があったの?」


ウィンド「ちょっとしたものだが、今は言えない。
     いつかあいつが直に話してくれるだろ。」



ソル「・・・で、これからどうするんだ?」


リーフ「よく分からないところに出たら海岸線を探すのは基本だよね?」


ウィンド「それ基本なのか?
     まあいいや・・・」


エリアス「・・・あれ?この感覚・・・」