第15話 狂気の沙汰、血の再来


ライト「・・・逃げろって?
    そりゃ無理な相談だ!!」



ライトは、全く逃げる気は無かった。むしろ。



ボルト「行くのか、そこまで」

ライト「当たり前だろ!?」





シェイド「・・・やめとけよ・・・
     相手は未知の能力を使ってくる」

ライト「知るか!!
    逃げろって言われて逃げてたら・・・」


しかし・・・


ボルテージ「いや、俺も逃げた方がいいと思う」


ライト「何!?」




ボルテージが逃亡に賛同した。


ライト「何で!!」

ボルテージ「・・・」



何か嫌な予感でも感じ取ったのだろうか?






ライト「とにかく、俺は行くからな!?」


シェイド「やめろって・・・!!」




ライト「行くっつったら・・・」





そこに突然スピアが現れた。

ライト「!?
    な、なんだ!?お前も止め・・・」


スピア「もしお前がそこへ行くんだったら俺も行く。
    リダクトには聞きたいことがあるんでな」




いつから聞いていたのか。






ライト「・・・即刻、行くぞ!!」

スピア「ああ。」



一気に振り切り、即座に駆け出した!!




シェイド「馬鹿・・・!!」






シェイドは、他のメンバーにも言った。

結局、ライトとスピア以外には行くと言い出す者はいなかった。




と思ったら。


ウイング「・・・行かなきゃ・・・」


シェイド「はあ!?
     聞き分け悪い奴もう1体いやがった!!
     っつーかお前が行ったら元も子もないって話じゃないか!?」




ウイング「・・・それでも行かないと・・・」

彼女も、リダクトに聞きたいことがある。







そしてその場所。



リダクト「・・・手間をかけさせた罰だ。」


レジェンドは、ほとんど動けない。

レジェンド「・・・く・・・」






そこへ・・・。



ライト「いた・・・!!」




ライトとスピアは、途中で来たウイングと合流しこの場所へ向かったのだった。




リダクト「ん・・・?貴様ら・・・

     ウイング。せっかく逃げたのにまた捕まりに来たか?」



ウイング「・・・」


スピア「リダクト、てめぇ何でこんな事やってやがる?」




ウイングは黙っている。その代わりにスピアが問いを持ちかけた。



リダクト「・・・愛する者の復活のためだ」

スピア「・・・はぁ?
    復活とか・・・そんな事できるかっつーの・・・」





リダクト「出来るのだよ。
     復活対象の血縁者の血・・・
     そして大量の悲しみと絶望と命により!!」



スピア「・・・血縁者の血?
    悲しみと絶望と命?
    愛する者の復活・・・

    ・・・血縁者・・・もしかして。」


スピアはその言葉から色々と考える。

前、色々と聞いた事とたった今聞いた事を組み合わせると結論はついた。




スピア「・・・愛する者。血縁者。
    ウイングが前連れ去られたという事と総計した結果・・・

    分かった。色々と。
    お前、ウイングの父親だろ?」










ライト「・・・え?」

ウイング「・・・!!」




リダクト「・・・そうだ、と言ったら?」

スピア「・・・お前が血も涙も無い奴だってはっきりするな?
    実の娘を生贄に捧げる気かよ?」





ウイング「そ、そんな!!
     こんな・・・こんなのが私の父親な・・・はず・・・は・・・
     私の・・・親は・・・両方とも死んだはず・・・」



ウイングは、それが違うという事を確かめに来た。

絶対違うと思っていた。だけど。

リダクトの言う事を考えれば・・・否定の仕様は無かった。





だけど。ウイングの記憶の限り、彼女の両親は両方とも死んだはず。

死んだのは確認されているはずだった。

ウイングは昔ヤイバに、両親は死んだと語っている。

ウイングが語った、あの過去の記憶。





生き返るなんて事は有り得ない!!



ライト「ウイング!!」







スピア「・・・そしてもう1つ、
    お前が復活させようとしている者は・・・

    ウイングの母親・・・お前の妻か?リダクト」




更に追い討ちをかける予測。そして。


リダクト「・・・そうだ。」





ウイング「・・・そんな・・・!!
     それは・・・!!絶対に・・・!!」




ウイングの心の中で瞬間的に増幅した悲しみ。

それが一瞬で怒りに変わる。




ウイング「そんな事をしたら・・・また・・・
     また・・・血が・・・・・・」




リダクト「そうだ、それこそが望み。
     この世界を血で染めて、
     そして・・・この世界全てを我が物と!!

     これはその前の段階だ。」






ライト「!!」

スピア「な・・・」




リダクトは、その腕で。







ウイングを的確に貫いた。







スピア「リダクト!!てめぇ・・・!!何をしたか分かってやってるのか!?」


ライト「・・・ウイング・・・!!
    ウイングーーーーーーー!!」