第2話 平和と騒動、小さな発端 2 あの日の過去 そこには何も無かった。 いや、何も、ではない。 ヤイバが倒れている・・・ ライト「お、おい!!大丈夫か!?」 ヤイバ「ぐっ・・・まさか・・・負けるなんて・・・」 ボルテージ「負けた!?誰に!!」 ヤイバ「連中・・・ウイング・・・北へ・・・何で・・・こんな・・・」 ヤイバの言葉は、そこで途切れた。 ボルト「ヤイバ!? くっ、誰かこいつを頼む!! 俺はそいつらを追いかける!!」 フォルス「元は俺の責任になりそうだ・・・俺も行く」 エリアス「わ、私も行く!! 仲間が連れ去られたなら・・・」 ライト「こんな事しやがって・・・!!」 フォルスの言動、それが発端。それだけなら小さい。小さな発端。 だが、それが最悪の事態を及ぼしてしまった。 ヤイバは薄れ行く意識の中で、ある過去を思い出していた・・・ 「離せ!!くそっ!!」 「黙れ・・・雑魚が・・・」 「返せ・・・!!俺の・・・!!」 ライト達は、言葉の断片だけを頼りに、北へ向かった。 北の山脈、付近 ????1「へっ、簡単だったな・・・」 ????2「あんな奴、ちょっと全力でやればこんなもんさ」 ????3「多勢に無勢って言葉を知ればいい物を。馬鹿な奴だ」 ????1「だが・・・それで、成功したんだ・・・ さーて、お望みの奴を連れてきてやったぜ・・・出て来い!!」 リダクト「ご苦労。そしてもう用済みだ、消えていいよ」 ライト達は、この数分後に辿り着いた。 そして、その地獄のような光景を見て、息を呑んだ。 ????3「き・・・貴様の言う通りにしてやったんだ・・・ぞ・・・」 リダクト「ああ。分かる。 言う通りにするのは当然だろう・・・?なあ、捨て駒の諸君。 ああ、もう意識も何も無いのか。ははははははははははははは!!」 ライト「(な、何だ・・・!?)」 ボルト「(きっと、ヤイバの言ってたのは、あの・・・倒れてる・・・奴等だ。 そして・・・あいつが・・・!!)」 フォルス「(リダクト、か。残虐非道な奴みたいだな)」 エリアス「(ど、どうするの?)」 ボルト「(ウイングは何処だ・・・?)」 ライト「(・・・あそこ!!)」 ライトが差した先には確かにウイングがいた!! やろうとすれば、奴に気づかれても、そのまま逃げられるかも知れない、そんな距離。 ボルト「(・・・誰が行く?)」 フォルス「(これに関しての責任が俺にあるとしたら・・・自分で行かなきゃいけないだろう?)」 フォルスは、慎重に、チャンスを見た。 そして、リダクトが、ライト達とは反対の方向を向いた隙に!! フォルス「(今だ!!)」 フォルスは音も無く走り、ウイングを掴もうとして・・・ リダクト「無駄だ・・・」 その手は、届かなかった。