Cross Reverse 後編 間章 混沌に満ち溢れたかつての世界。 一つの街で殺戮が起きた。 「精霊都市」と呼ばれた世界最大の街で。 一人の女が全てを打ち壊す。 命は消えていく。 だがそれを止めた一人の青年。 一瞬の油断を突いた一撃。 即死。 英雄と呼ばれてもおかしくないその状況を、 彼は「最大の汚点」と呼んだ。 彼にとってこの事は最悪の出来事。 彼の名は、ヤイバ。 壮絶なる戦いに自らを沈めてしまった者・・・ 今に至り・・・。 第21話 絶望からの脱出 何処とも知れぬ場所で。 ヤイバは起きた。 暴走の後・・・。 暴走はとまった、だがその代わりに後悔の思いを大量に持っていた。 それと同時に、焦りも。 その後。 彼は、ボルテージと会った。 偶然、だが。 ボルテージ「止まれ!!」 ヤイバ「何を!?」 攻撃されたけど。 その後、話を聞いた。 ボルテージ「いや、まだ暴走してると思って」 ヤイバ「・・・それに関しては勘弁してほしい、 俺もどうしてあの程度で・・・」 ボルテージ「お前にとっては最重要事項だろ?」 まあ、それもそうか・・・と、ヤイバは思った。 ボルテージ「で、お前に言うことっつーと・・・」 全て聞いた後。 ヤイバ「・・・そうか」 冷静に聞いた。 感情的にならないように。 ヤイバ「・・・確かに、実力差は大きそうだな。 そこまで行けば、恥も何もかもかなぐり捨てて逃げたくなるのも分かる」 ボルテージ「でも、ライトとか、ウイングとか、あと悪霊とスピア? そいつらが必死に戦った後に、こうやってあっさり逃げていいのか!?」 ヤイバ「・・・スピア、か。あいつですら無理ならほぼ誰にも無理だろう。 ライトも、あの能力(「ファイナリティ・カノン」)があった、 あれで止められないなら止められる奴は1体も居ない。」 ボルテージ「・・・お前も、諦めるのか!?」 ヤイバ「さあな・・・ 少なくとも俺だけじゃどうにも出来そうに無い。 だからといって数で押しても次々と殺されるだろうな・・・ 対処法は・・・どうするかな・・・」 ヤイバは考えた。 ライトのあの能力より強い攻撃は無いか・・・? 知っている者達を全て挙げた。 味方だけではなく敵ですら。 だがあれより強い攻撃を撃つのはいない。 というより、太陽を止めるほどのあの能力を超えるものがあると想像する方が難しい。 現に、今越えるものがいる訳だが。 ヤイバ自身もかなり強い方だが、それでも多分無理だろう。 みすみす、命を捨てに行くようなことはしない。 昔、レジェンドにそんな事を言った。今更自分でそれを犯すことはしない。 だが頼れるものはいない。 ならば・・・ ヤイバ「・・・追いかけるか」 ボルテージ「え?」 ヤイバ「逃げた奴らを説得しよう。 そして、戦う!!」 ボルテージ「そんな簡単に行く物なのか・・・?」 ヤイバ「分からざるを得ないさ、 逃げ場なんて無いという事に・・・ 戦うしか手が無いという事に・・・!!」 世界全土、逃げ場は無い。 だからこそ真の力が発揮される。