第29話 時代の夜明け――― 白く染まった世界。 それは・・・ フェザー「一体、何を・・・!!」 ライト「・・・」 フェザーの攻撃は完全に消滅していた。 フェザー「もう一度・・・!!」 しかし、何故か発動しない。 フェザー「くっ・・・!?」 ライト「・・・この空間にいる者は、攻撃の威力がほぼ0になり、 能力も発動できなくなる・・・そういう、能力・・・だと思う。」 フェザー「何・・・お前は、発動させておきながら、自分でも確かでないことを・・・!!」 ライト「・・・俺は、殺すのは嫌いだし殺されるのも嫌だし誰かが死ぬのも嫌だし、 お前のようなのから見れば完全に甘いだろうけど嫌過ぎる」 フェザー「・・・何のつもりだ・・・!!」 ライト「本当に嫌なんだって・・・ それが普通のはずだろう? なのにお前とか、一部の奴らは殺すことに快感すら覚えている、そうだろ?」 フェザー「・・・それがどうだって!?」 ライト「・・・お前は、何でこんな事をしてるのか・・・ 戦うなら最初にお互い話したほうがよかったかもしれなかったな・・・」 フェザー「綺麗事を・・・言うな・・・!! 永遠に相容れない者・・・!! 光と闇・・・交わらないもの!! 話し合ったところで収まるわけが無い!! そんなので済んだら私は・・・!!」 フェザーは倒れこむようにして、話していた。 誰にも言っていないだろう。 ただ、抑えきれない感情をぶつけているのか? その感情の元は、やはり昔の物・・・ 彼女は、かつて親に殺されかけた。 生まれた瞬間に刃物で刺されそうになったのだ。 その、彼女の親は、精神がほとんど崩壊していたらしい。 訳も分からないまま殺されかけ・・・ 気づいたら、様々な者を恨んでいた 理由は分からない リダクトも同じだったらしい 理由も分からない 何も分からないまま存在する憎しみは徐々に・・・ フェザーは立ち上がると再びライトを攻撃しようとした。 ほんの少しの言葉により相当、動揺していた。 弱い心。 攻撃は発動しない。 行き場の無い怒り・・・。 それとほぼ同時に。 ボルテージ「・・・? なんだ、いつの間に傷が治ってんだ・・・?」 なんと、倒れていた他のメンバーが全員回復していた。 ボルト「どうなってるんだ・・・? 白く・・・染まってる、世界が」 ライト「・・・みんな。」 ヤイバ「・・・ライト、奴は!?」 ライト「・・・まだ生きてる」 ヤイバ「・・・早く潰さねえと・・・!!」 ライト「待ってくれ、ヤイバ・・・そして、みんな」 全員「・・・・・・?」 ライト「殺すのは・・・やめておこう」 フリーズ「・・・やめる?」 フォルス「どういう事だ?」 ライト「無意味だって事」 ウイング「そんな・・・事は!!」 ヤイバ「正気か!?世界の危機を進んで見逃すって事か!?」 ライト「そうなるかもな」 ヤイバはライトを掴んだ。 ヤイバ「ふざけるな、ライト!! 裏切りか!?そうなのか!? ぶっ殺すぞ、貴様!!」 ヤイバの口から発せられるのは今までにない罵倒とか、 とにかく、ライトに向いたことの無いほどの怒りだった。 だけどライトは落ち着いていた。 実は彼は最初からそんな気は無かった。 殺さない。あくまでも「止める」だけだと思っていた。 ウイング「ライト、何で!!」 ウイングからも、今まで感じたことの無い怒りが伝わってくる。 誰も気づいていなかったが、この頃白くなっていた、この空間は消え、 再び元の光景に戻っていた。 ・・・戦いが始まった頃は、夜だった。 そしてこの頃は、夜明けだった。 時代が違う気がした・・・。 ライトは同時に攻められても落ち着いていた・・・訳では無かった。 むしろ、落ち着いていたように見えていただけかもしれない。 心の中は、少なくとも少しはゆれる。当たり前。 しかしそれでも彼は意見を変えないように・・・して・・・いた・・・が・・・ リダクト「もういいだろう、我等を殺せば」 能力を封じられていた、リダクトが唐突にその一言を言った。 全員「!!」 そしてそれにヤイバがすぐに反応した。 ヤイバ「・・・自分から、言うか? なら、跡形も残らないぐらいぶっ潰してやる!!」 全員、息を呑んだ。 ヤイバから発せられる、憎しみのエネルギー。 想像を絶するほどだった。 ウィンド「なんだこれ・・・やばいって」 スピア「俺らもただじゃすまない気がするが・・・!!」 ヤイバ「・・・これで終わ―――」 「やらせないよ」 突如、何処からか巨大な雷が飛んできた そしてその方向を、全員が驚きを隠さず、見た そしてその時には、雷でヤイバが吹き飛んでいた・・・!! ?????「これじゃあダメなんだよ」 その声は、聞いたことがある。 ボルテージ「な・・・」 ボルト「マジか・・・!?」 ウイング「嘘・・・!!」 ヤイバ「くっ・・・お前・・・」 フリーズ「お前は・・・この前の・・・?」 フォルス「邪魔をする気か・・・。」 ウィンド「・・・何でだ!?」 スピア「・・・何やってくれてんだ、」 ライト「リミテッド!?」