月日が流れるのは早い。


もうあの日から数年が経過していた。



そう、あの始まりの日から・・・。




「元人間。それは確かか?」








いつから狂いだしたのだろう・・・



悲しみの結末へ向かうなんて・・・






・・・いや。


悲しみの結末なんて迎えさせない。




絶対に・・・!!
















ポケダン小説 最終話






世界に流れるは永久に続く独唱曲










ライトたちの目の前に立つ者。



それは、かつては仲間だと思ってた者。




リバースと協力関係にあったあの救助隊の。






リバイブの・・・リミテッド。




ライト「何で、お前・・・!!
    一体何だっていうんだ!?」




リミテッド「何って?
      決まってるじゃん、

      僕は君たちを全員殺しに来たんだよ」




スピア「・・・正気かよ。
    多勢に無勢もいいとこなのにな?
    それにお前は俺よりは強くねえだろ」





それもそうか。



リミテッドはスピアよりは強くなさそうである。

なら問題ない・・・






訳が無い。




リミテッド「・・・冗談も休み休みに言えば?」


スピア「は・・・!?」




気づけば、真後ろに回りこまれている。




ライト「速・・・!?」


ボルト「おい、避けろ!!」



スピア「んな・・・無茶な・・・!!」





轟音と共にスピアは吹き飛ぶ。



フリーズ「・・・!?」


エリアス「え!?」


フォルス「マジかよ・・・」




そして轟音が止んだ時・・・


その後そっちから音はしなかった。






リミテッド「まず、1、だね・・・」






ボルテージ「てめぇ・・・
      てめぇは今仲間を!!」



リミテッド「裏切ってくれた者にかける気持ちも情けもいらない、死ねばいいよ」



ボルテージ「!!」







リミテッド「スピア、ウィンド、と裏切って、
      その後この話を持ちかけたら、
      ストーンもカッターもランスもエッジも裏切ってくれたよ」



ライト「・・・?
    何を言ってる、お前・・・」





リミテッド「だから・・・消したよ」










全員が固まる。



こいつは正気か?




裏切るも何も反対するのは当たり前の反応である。



それだけでも消されるというのか?



たとえ独裁者だろうがそこまでする可能性は低い。



こいつは・・・





リミテッド「裏切り者に情けは必要ないし、
      命だって必要ない」





ボルト「・・・すげえ原理だよ、それは。
    危険すぎる・・・!!」



全員が今までに無い危険を察知する。


はっきり言って勝てる気がしない。


だが逃げることも出来そうに無い。


下手をすれば数秒で全員が死ぬかもしれない。


何で・・・







ウィンド「俺たちを裏切ったのはお前だろ!!お前が消えろよ!!!!
     「グローリアスエアブレイド」!!」



だが危険を察知していない奴1体。





フォルス「これは・・・」


ライト「能力か!?」





周囲に風が巻き起こる!!

そして更にリミテッドの足元から植物が生え、足を絡めとり・・・


風によって巻き起こるかまいたちがリミテッドを切り刻む!!






ライト「!!」

ボルト「この連中・・・どいつもこいつも能力が強かったのかよ」




ウィンド「これで・・・」



リミテッド「・・・その程度で能力とか、笑わせないでよ。」


ウィンド「んだと!?」





リミテッド「お礼に、苦しむ間もなく消してあげるよ・・・!!」




瞬間的に、巨大な雷が上空に発生する!!








エリアス「大きい!!」

フリーズ「まずい、消し飛ばされるぞ!?」



ウィンド「善意・・・ねぇなお前・・・」





リミテッド「終わり」











雷による閃光で目が眩む。

そしてようやく目を開けると・・・


周囲にいた者は全員倒れている・・・



攻撃範囲の中心に捕らえられていたウィンドの他、


ウイング、ヤイバ、フリーズ・・・


そしてエリアスも巻き込まれ、倒れていた・・・







ボルト「な・・・嘘だろ!?」

ボルテージ「う、動かない・・・」

フォルス「・・・まさか!!」



ライト「・・・嘘だろ?
    一発でこんな・・・はず・・・

    ウイング・・・
    ヤイバ・・・
    フリーズ・・・
    ウィンド・・・

    スピアもやられてるし・・・それに・・・



    エリアス・・・!!」





リミテッド「5つ消えたね、これで6だ」





だが確か・・・



ライト「・・・リミテッド。何したか分かってんのか・・・!!
    少なくとも・・・
    少なくともヤイバはお前の兄だ!!」




ボルト「え!?」

ボルテージ「そ、そうなのか!?」



案外知らなかったりするが、そうである。




リミテッド「・・・」


ライト「なのに・・・」




リミテッド「それが?」



ライト「!!」







ボルト「・・・それが、って・・・
    お前・・・」


リミテッド「兄弟だから何?
      関係ないよそんなの、邪魔だから消しただけ」




さっきから耳を疑いたくなるような言葉をさらっとたくさん言ってくれる。

ここでボルトがキレた。




ボルト「・・・っけんじゃねぇぞ!!」




完全にキレた。止められそうにはない。


リミテッド「ふざけてなんかいない、真剣だよ」




ボルト「・・・どうしてそんな簡単に殺せんだよてめえは!!」


リミテッド「僕にとって邪魔をする奴なんてこの世界にいらないよ」






意味が分からない。

世界のことを決めるのはお前なんかじゃない。

むしろ決める奴なんていない・・・




ライト「神みたいな存在なんていない、誰も世界は決められない・・・!!」



リミテッド「いるよ、神は」

ライト「・・・?」



リミテッド「そして、僕は神に認められた」


ボルテージ「何訳の分からないことを言ってやがる!?」






リミテッド「さあ終わりにするけど・・・
      まあ、せいぜい苦しみながら死んでくれるとうれしいけど。

      「フィニッシュスパーク」!!」






意味が分からないほど巨大な雷が正面から向かってきた。




巨大なだけじゃなくとてつもないエネルギーが。





ライトは対抗を試みる!!


ライト「くそっ、「ファイナリティ・カノン」!!」




強大なエネルギーが発せられるが・・・



リミテッド「無駄無駄、その程度じゃ何の意味も無いよ」




残念ながら雷に飲み込まれて消えうせた。







ライト「そんな・・・!!」




諦められない。

なのに強制的に終わりになってしまうのか?



思いも通じない物があると言うのか?





ボルテージ「・・・どうするよ」

ボルト「・・・この世での思い出を振り返れってか・・・?」




フォルス「・・・」





諦めたらそこで終わりだ。


勝つまで信じろ。





なのに・・・諦めてないのに・・・信じてるのに・・・


仲間もきっと信じてくれているのに・・・




遠く、及ばないのか・・・これで終わりなのか・・・








そう思うと泣かずにはいられなかった。


もうこんな事無いと思ったのに。


せっかく全て分かったし、


リダクトも倒せたかと思ったのに。


なのにたった1体、来てしまっただけで終わってしまった。







ライトは、目を閉じた―――。







































・・・?





ライトは再び目を開けた。


何で何もおきないのか・・・!?






ライト「え!?」



何故かは分からないが。



目の前に何故かライト達を庇うかのように・・・







リダクトと、フェザー。





リミテッド「!!
      君達まで裏切る気・・・!?」






フェザー「・・・あなたは私達より危険すぎる・・・
     私のような生粋の悪者にこう言わせるんだから、相当な物・・・」



リダクト「・・・殺したり、殺したりして来たが、
     お前の動機はおかし過ぎる・・・」


リミテッド「おかしい・・・?
      何が!!」


リダクト「ただ自分のわがままや身勝手で殺す・・・
     我等も同じだった・・・
     だが・・・意味1つ無く自らの肉親まで殺すとは・・・

     私も、フェザーを生き返らせようとウイングを殺そうとし・・・
     実際、一度殺したが、それは間違っているとは知っていた・・・
     なのにやってしまった私は弱い。

     だがお前は悪いとも思わずただ殺す。お前は私より更に弱い、
     お前は道端の雑草より弱い・・・」




リミテッド「・・・何を・・・!」






ここで、リダクトはライトを見た。




リダクト「すまなかった・・・
     私はただフェザーを復活させようとしただけだったが、
     それも許されないことだった。
     現に今、きっと・・・そのせいでこの状況になっている。
     私があの時ウイングを連れ去ったりしなければこうはならなかった・・・

     
     一度負けてからでないとこんな事を言えないのも困ったものだ・・・」



ライト「・・・リダクト・・・」



フェザーもライトの方を見た。



フェザー「・・・私は、細かい所は知らない・・・復活したのもほんの少し前。
     でも・・・ごめんなさい・・・」





謝罪。

ライトは多少驚いた。


そして、フェザーは倒れ・・・そして倒れた後つぶやいた・・・




フェザー「どうか・・・あの子が生きていたら・・・おね・・・が・・・い・・・」


続いて、リダクトも倒れ・・・


リダクト「・・・世界は、誰が支配するものでもない・・・
     そんなつもりはないだろうが・・・
     私がこう思えるのはお前達の・・・おかげだ・・・
     
     ・・・リミテッドの能力は一度撃ったらほとんどのエネルギーを使用する・・・
     逃がすな・・・今しかない・・・頼む・・・ふてぶてしいかもしれないが・・・」










ライト「・・・」

ボルテージ「・・・あいつら・・・」






リミテッド「くっ・・・どいつもこいつも!!
      こんな・・・こんなこと!!」




ライトは急いでリミテッドの方を見た。


リミテッド「分が悪いから・・・引き・・・」









フォルス「させるか・・・!!」



すると、フォルスがリミテッドの足元を攻撃し、転ばせた!!


リミテッド「くっ!?」



ライト「(今しかない・・・!!)」



だが、転びながらでも、リミテッドは、残りのエネルギーを使い、攻撃してきた!!


狙いが定まらない・・・!!






ボルテージ「ダメだ、これじゃ無理だ!!」



が・・・








突如リミテッドが後ろから捕らえられた。




リミテッド「・・・!?」



それは・・・







ヤイバ「まだ・・・死んじゃいねぇ・・・!!」



ライト「ヤイバ!?」


リミテッド「くっ、離せ・・・!!」



するとヤイバは驚きの一言を言った。







ヤイバ「俺ごと、能力で吹っ飛ばせ・・・」




ライト「・・・え・・・」



ボルト「ヤイバ!!」

フォルス「・・・死ぬぞ?」




ヤイバ「かつてまだ人間の世界にいた頃もう少しこいつにかまってやりゃあ、
    こんな事にはならなかったんだろうな・・・」


ライト「え・・・」










ヤイバ「俺が、お前と出会う前だが・・・
    リミテッドの事なんて俺は全く気にかけちゃいなかったんだ。

    俺が好きだったのは、外で冒険したりするのが好きだったよ。
    毎日出てった。
    ・・・その頃すでに親はいない。
    それにあいつにはただ1人も友達がいなかった。
    で、俺がこうだ。
    孤独感の上に育っちまったんだろうな・・・


    だから俺の責任なんだ、ライト。すまない」



ライト「・・・ヤイバ・・・


    ・・・分かった。」






ボルテージ「ライト!?」

ボルト「お前も、正気か!?」




ライト「ああ。
    ここであいつを倒せなければ・・・全部終わっちまう。
    それに、ヤイバは覚悟してる」





リミテッド「くっ・・・!!
      殺すことにさんざん文句を言っておきながら、殺すのか!!」




もはや彼は精神的にも危ない・・・。


リミテッド「自分の事を棚に上げやがって!!
      お前も殺してるだろう!!色々と!!
      なのに何で・・・!!」








ライト「・・・俺もいつか死んだら文句聞いてやるから・・・

    苦しませないように1発でやるから・・・
    今文句言わないでくれよ・・・!!」









彼はエネルギーをためる・・・



ため続ける・・・





そして・・・



ライト「・・・ごめん、リミテッド。俺も謝る。だから・・・今は・・・!!」









リミテッド「うう・・・どうして・・・
      ・・・神とか・・・嘘だったのかなあ・・・」








最後まで愚かな幻想に取り付くリミテッドを。









ライトは一撃で・・・。



それがせめてもの・・・。








辛い。

自分の手で殺すなんて辛い。

だけど・・・どうしようもなかった。

もう少しいい発想があればよかった。




だけど。



こうするしかない。なら・・・




やるしかないんだ・・・










そして、放たれた・・・


もう、後戻りは出来ないけど・・・




後悔はある・・・だけどそれを引きずってはいけない・・・!!




自分の自身の戒めとしても!!


ライト「・・・終わり!!」




ファイナリティ・カノン!!!!































リミテッド「・・・なんで・・・」

ヤイバ「リミテッド・・・すまない・・・全部俺が悪いから・・・」




リミテッド「・・・構ってくれなかったあの時・・・
      本当にさびしかった・・・
      けど・・・もう・・・今は・・・大嫌いだから構ってほしくも無い・・・」


ヤイバ「・・・いつか・・・分かるさ・・・全部・・・お前も・・・」





そして、命中直前、ライトは声が聞こえた。





「ウイングの事とか・・・頼むぜ・・・」



ライト「ヤイバ・・・」








・・・








気づくとライトはどこか分からない、周りが黒い空間にいた。






ライト「ここは・・・」



すると、周りにぼんやりとした姿が見える・・・それは・・・








ライト「・・・ラ、ライン・・・?」



それは、前、ボルトのかみなりに撃たれ死んだはずのラインだった。





ライン「結局お前も殺したな。
    どうせそういうもんなんだよ所詮・・・!!」





そしてラインが消え、今度は別の姿が現れる・・・




ライト「てめえは・・・ナイトメア・・・!!」




それは、かつて戦った、宿敵、ナイトメア。





ナイトメア「くくく・・・お前もその程度だ、
      殺した気分はどうだ・・・!?最高か!?クハハハハハハハハ!!」







ライト「・・・」




またラインが現れ、


2体で嘲り、暴言を投げかけ、あざ笑う。




ライトは耐え切れなかった・・・けれど。





反対側に別の影が現れた。




ライト「・・・!?
    救世主・・・」




それは、前回の事件で最後に戦った、ゴウエンだった。






ゴウエン「運命は覆せない物が多い・・・
     こいつが殺したのは運命だったかもしれない。
     さけられない事を使って嘲るのはやめておけ・・・」
















その時目が覚めた。


ライト「・・・」



ボルテージ「起きたか、ライト。」



ライト「・・・俺は・・・?」

ボルテージ「あれからぶっ倒れて眠り通し。1週間ほど。
      まあそれはいいとして・・・
      そういやあ、ウイング達生きてたぜ!!」



ライト「え!!
    本当か!?」


ボルテージ「ああ、ギリギリだったがな。
      ・・・犠牲0は有り得ない話だったが・・・
      だけど死ぬのが少なければ少ないほどいいだろ・・・」










そして。


フリーズ「何とか、生き延びた・・・
     だが、どうして・・・?」

スピア「気にすんな、生きてるんだから」


ウィンド「ああ、もう勢いに任せての行動はやめるか・・・」





エリアス「兄さん!!」

ライト「エリアス・・・!!」




ウイング「・・・ヤイバは?」


ここで、ライトはウイングに事の終わりを話した。


ウイングはショックを受けていたが・・・

ライト「・・・俺がもう少しマシな手を考えれていれば・・・」



ウイング「いいよ」

ライト「・・・は?」

ウイング「ヤイバは覚悟してた、ならいいよ。
     何も無く死んだんだったらもう立ち直れなかったけど」






ウイングは、笑顔を浮かべた。




ライト「・・・強いな、お前。

    ・・・まあ・・・あいつもあいつなりに覚悟してたんだよな・・・
    忘れないで生きていくしかないか・・・これからは。」










ヤイバ、シェイド、ブレイカー・・・


故郷の街を襲撃されてから今に及ぶまでの長い物語の中で3体の仲間を失った・・・



だが、元気に行きたい。

そして、生きたい。



彼らの事は、忘れない・・・。







ストリーム、ナイトメア、ライン、ゴウエン、リダクト、フェザー、そしてリミテッド・・・


立ち塞がった者も今までたくさんいた。



でも今こうして生きている。



幸せな事だ・・・















ライト「よし、今日も活動だ!!」


スピア「面倒だ」

ライト「あのさあ、こんな時にそんな事言わないでくれる?」


ボルト「全くだ、空気読めよ新参者」





フリーズ「・・・空気が読めない奴も、いるんだな。」



ウィンド「スピアしっかりしてくれよ・・・」


ライト「・・・はあ。もう俺疲れた・・・活動終わり」









全員(2体ほど除く)「いや短いって!!」




スピア「だろ?」

ライト「お前のせいだっつーの・・・」







その日、笑って過ごしてた。












その日の夜・・・





スピア「(にしても・・・聞いた話によると、
     リミテッドが言った神っつーのがあるが・・・
     一体・・・?)」





????「幸運な奴らだ」






スピア「・・・!?

    ・・・てめぇ、何でこんな所に・・・」


????「さあな・・・ま、今は手を出さないがな・・・」


スピア「・・・」










その時に・・・



ライト「・・・みんな・・・」





今までありがとう・・・そしてこれからも・・・








それからかなりの月日が流れて。





ボルテージ「おい、何で俺等はこんな全力ダッシュしてんだ!?
      何で逃げなきゃいけねえんだ!?
      何で誰か分からないようなのに追われてんだ!?」


ライト「さあ!?
    まあ、長い間暇だったしいいんじゃないか!?」


フリーズ「そんな事言ってられる状況じゃないだろ・・・」





ライト「気にすんなよ!!
    まあ・・・どうにかしようぜ!?
    俺達・・・リバースは負けねぇよ!!」















ポケモン 不思議の ダンジョン










FIN