第37話 救助隊リーダーの共同戦線
(挿絵は愛さんが描いてくださいました!!)

空は青く、澄み切って、

海も青く、澄み切って・・・



澄み切ってないのは、心の中。





人間の世界

????「ほう・・・見捨てられた?」

ライト「そうさ・・・おそらくそうとしか思えない。」


????「なるほど。事の始まりは冗談からか・・・
     しょうがない奴だ。まぁ、
     それだけでそこまで追い込む状況になるのもある意味きついがな・・・」



ライト「・・・だろ?」

????「そいつらの言い分が正しいとは言わない。
     だが、お前の言い分が間違っていない訳じゃないな」




ライト「・・・は?」

????「・・・そいつ、何か過去があるんだろ。
     そいつの名前は?」



ライト「・・・ボルト」




????「ボルト・・・?待てよ、ボルトと言ったら・・・おい!!
     お前大変な奴に冗談言いやがったな!?」


ライト「は?は!?何だいきなり!!??」



????「畜生!!今すぐそいつに会わせて欲しいもんだ!!」

ライト「いや無理だろ」


????「もしあのボルトなら、お前は踏み込んじゃいけない領域を侵した。」

ライト「は、はぁ?」



????「今すぐ!!今すぐ手段を探せ・・・そこにいk」

ライト「やだよ・・・俺はもう戻らないよ」



????「・・・っと。そうか・・・そこが問題か。
     じゃあここできっぱり言ってやろう。

     お前が間違っている」


ライト「!?」


????「知らなかったとはいえお前はきっと過去を穢すような事を言った。
     おそらく・・・いや、絶対に」

ライト「何だよ・・・お前まで!!」

????「全てお前の負けと言ってもいい。
     そいつの事なら知っている、そうなるとお前が間違いだ」



ライト「何で・・・だ・・・!!
    ボルトが・・・一体・・・!!」



????「馬鹿か・・・
     本来ならお前のような奴なら名前呼ぶ事すら許されねえ方だ」


ライト「何!?」





ポケモンの世界、広場の西


ウイング「ボルト、おさまった?気分は・・・」

ボルト「くそっ、駄目だ・・・
    俺がもう少しいい奴だったなら・・・」

ウイング「しょ、しょうがないよ・・・
     だって君は・・・」

ボルト「だが俺の間違いも事実だ・・・ウイング。
    どうにかして人間の世界に行けないか?」


ウイング「え、えっと・・・無理」


ボルト「そうか・・・シャドウは今どこにいる」

ウイング「えっ!?シャ、シャドウ!?」

ボルト「奴に頼んで、ぶっ飛ばしてもらうんだ!!」



広場


????「フッフッフ・・・久しぶりにこの広場に・・・ん?何だあれは」









ピカマル「だから!!早くしないと・・・!!」

フォイア「待ってる暇は無いだろ!?」


マモル「でも、そんな事したら今度こそ完全に・・・!!」



????「何が起きているのか。」


ボルト「あれは・・・!!」



シャドウ(ジュペッタ)「うっ!?くっ・・・」


※シャドウは元々は敵である
 現在はただこの世界をふらついてるだけ


ボルト「おい!!ちょっと頼みがある!!」


シャドウ「退散」


ボルト「すんな。
    えっとだな・・・俺を・・・」


シャドウ「・・・ま、まぁいいだろう・・・」




ボルトはシャドウの力により人間の世界へ転送された!!


何故かウイングも転送された!!(ぇ




一方・・・?


マモル「駄目だって!!」

ピカマル「どっちがだ!!
     早くそれぞれの救助隊の仲間を助けないと、
     何も動けないだろうが!!」

フォイア「俺らだけじゃ無理だ!!力を合わせないと・・・」



マモル「でもみんなが何処にいるかが特定できてない・・・
    なのに探しに行くなんて・・・
    奴等に見つかったら!!」


ピカマル「ならお前はここにいればいいだろ!!
     他の3匹と一緒にな!!」

フォイア「とにかく探しに行くっつったら行く!!」




マモル「・・・勝手にすればいいじゃないか!!」



不協和音・・・

徐々に崩れ行く・・・






人間の世界


ライト「あの・・・ボルトが・・・そんな・・・そんな・・・!!
    だったら俺は一体何を言ったんだ・・・」



????「最悪な事を言ったんだ」


ライト「くっ・・・」


いくら取り乱そうが

冷静に考える力はある


かなりそこに回る力は少ないが・・・




ライト「・・・戻る。」

????「ほう、ちょっと話し聞いただけで心が動くとは・・・単純だな、
     11歳児・・・いや、1年経ったから12歳か・・・」

ライト「うっせー。」


????「事実だろう・・・まぁお前もかなり子供だ、
     何かあったらいつでも言え・・・」

ライト「子ども扱いすんなよ・・・」


????「そうか・・・確かにお前が最初に消えたのは10歳の頃だったからな」

ライト「だから子ども扱いやめろって・・・
    じゃあ・・・俺は行く!!」


????「よし、ならばいい。」



ライトはそこから遠ざかっていった・・・

そこはライトの育った場所・・・

今は廃墟となった・・・場所。



そこに何者かが来た


それは・・・!!

ボルト「ここにいるはずだ・・・!!」

ウイング「う、うん・・・」


だが、今回ばかりは2匹とも・・・人間の姿だった

そう、この2匹も元々は人間だから・・・



????「ん?誰だ・・・ま、まさか」


ボルト「ライトって奴・・・知らないか!?」


????「ライトなら・・・たった今出てったが・・・」





ポケモンの世界、広場北


ヤイバ「ボルトとウイングが失踪した!!」

ブレイカー「マジ!?」

ヤイバ「いきなり失踪した・・・何処に行った!?」




人間の世界

ボルト「ま、まさかすれ違ったのか!?」


????「・・・そうか、やはり・・・あなたか・・・ボルト様」

ボルト「うっ・・・!!さ、様付けされたくねぇんだ・・・が・・・」


????「この国を捨てて・・・ポケモンの世界に行ったとは・・・」

ボルト「う、うるせぇぞ!!もう俺はこの国、そして人間とは関わらない・・・
    俺は・・・!!」

ウイング「ボルト・・・落ち着いて。
     何のためにここに来たか・・・自分でも忘れたの?」



ボルト「・・・そ、そうだった・・・な。
    す、すまない・・・お、お前の名前は?」



????「いや、俺の名前については・・・
     奴に会ってあいつから聞いてくれ・・・」


ボルト「は、はい・・・」





その頃ポケモンの世界では


タイム「ピカマル・・・フォイア・・・!!
    熱くなりやがって・・・!!」

ラウンド「・・・ミズピンも探しに行くらしいですよ」


タイム「そういえばあいつ・・・あの時何をしに・・・?」





広場の遥か北


ミズピン「・・・」

フォイア「おい・・・来たぜ?」

ミズピン「あ、ああ。」


ピカマル「見当ついてるってのは本当か?」

ミズピン「・・・ああ。どうも、奴等は東の方にアジトっぽいのがあるらしくて、
     そこに何匹か捕まってるはずだ」


フォイア「何匹って・・・」


ミズピン「相当分散されてる。
     行方不明とか・・・うまく偽造しやがって・・・」

ピカマル「実際は連れ去られていただけ・・・」






また、人間の世界



ライト「・・・あんな重い過去だなんて・・・」



ボルト「・・・あんな酷い事が奴の心を・・・」





2日経過。


その時、実はすぐ近くにお互いいた・・・




ライト「・・・あそこに小屋があるな。休ませて貰おうか」




小屋


ライト「おじゃまします・・・」



ボルト「あ、ここ廃屋でこっちもちょっと暖を取らせてもらってるだけで・・・」





※ボルトは人間時のライトを知らない!!
 そしてそれは逆もまたしかり!!



ライト「あ、なるほど・・・」

ボルト「旅の人か?」

ライト「まぁ・・・そうなるかな・・・」

ボルト「なるほど・・・俺は人を探しててね・・・
    ちょっとやっちまって・・・」

ライト「こっちは、人・・・っていうか人じゃないけど・・・まぁ探してて
    そのためにある場所へ行こうと・・・」




ボルト「なるほど・・・
    俺の探している人は元々は仲間だったが・・・いざこざ起きてな・・・」

ライト「こっちも同じだ・・・いきなりだが気が合いそうだな・・・」

ボルト「お前、俺の探してる奴に喋り方とかが似てるな・・・」

ライト「こっちも同じような事を思った・・・」



お互い気づいていないのは、ある意味幸いなのかもしれない・・・

暖炉の火が揺れている。隙間風が入ってきているらしい。

ライトの蒼い髪も揺れた・・・


ウイング「あれ・・・?」