第56話 迫る脅威と暴走する力


ライト「詰めが甘いって・・・データを消し忘れてた所があるのか?」

フォルス「そうじゃない。」


ボルト「だったら、何が甘いんだ?」



フォルス「気配を隠せていない・・・」



ライト「気配だって!?」

ボルト「つまり、近くに何かいる!?」




その時


ライト「何だ!?」


何かが飛んできた。


それは・・・!!




ボルト「こいつは!?」

ライト「・・・・・・!!」



何と、エリアスが吹き飛ばされてきたのだ。

よく考えたらさっきの会話の中でもエリアスは何も喋っていなかった。




遅れていた。そして奇襲されたのだ。




エリアス「う・・・うう・・・!!」

ライト「大丈夫か!?
    くそ、誰だ!?」

ボルト「さっさと姿を現せ!!」





????「哀れな奴等に教える名前など無い・・・」

ライト「!?
    ど、何処だ!?方向が分からない・・・!!声はするのに!!」





フォルス「落ち着け!!
     上だ!!上のほうにいる・・・!!」


????「ほう。方向が分かるか・・・」

フォルス「なめるな・・・!!
     この程度分からないでどうする」




何故ライトは声が聞こえたにもかかわらず分からなかったのか。




実は、今現れた何者かは、洞窟内で、大きい声を出す事により、

声を反響させているのだ。



ライト達はそんな大きな声で話していたわけではないから気づかなかった。





だがフォルスは分かった。反響により惑わされようがどうって事ない。





結局は聞こえる。

????「馬鹿ではないようだな・・・」

フォルス「当たり前だ。」


ライト「(遠まわしに俺の事馬鹿って言ってないか?)」


フォルス「お前が何者かどうかは分からない。
     そして俺達にはお前の姿は見えない。卑怯じゃないか?
     さっさと姿を見せろ。対等な条件の下に来い。」


????「ふん・・・そんな事言われて来ると思うか?」


フォルス「ほう、来ない気か?随分な腰抜けだな。
     むしろ腑抜けか・・・?どっちでもいいな。
     姿を見せられない所詮馬鹿な野郎だよ」



ライト「(挑発かよ・・・)」

ボルト「(挑発っつーか・・・)]



????「ほう?そこまで言うか。
     ならばお望みどおりにそこに行ってやろう・・・
     姿を見たいなら見ればいい。
 

     生きていればな!!かえんほうしゃ!!」



ライト「なっ!?」



上からいきなり強烈な炎が押し寄せる!!



デッド「ある意味の、奇襲だな・・・」


ボルト「冷静に言ってる場合じゃない!!絶対に!!」



フォルス「言葉の意味分かってない馬鹿が・・・対等じゃないじゃないか。
     だが意味は無い!!じしん!!」


ライト「馬鹿!!今地震なんてやっても意味は・・・!!」

フォルス「黙って見てろ!!」



フォルスは強烈な地震を起こした・・・!!


強烈な振動で、動けない・・・!!





それだけではなかった!!

何と凄まじく強烈な地震により、上の方が崩れてきた!!

そして崩れた、岩や、そういう物で、次々と炎は遮断される!!




ライト「お、おお!!
    炎避けるより岩とか避ける方がたやすいな!!」




ボルト「そういう物か!?
    お前等についてよく分からない!!」



ライトはともかく、他は別に変わっていなかった。


特に

デッド「炎は一直線だがこれじゃあ何処から来るか分からないだろうが!!」



フォルス「・・・気合で何とかして見せろ!!」

デッド「いや無理だから!!」




????「自滅しそうだな・・・まあいい、降りて行ってやr・・・ぐはぁ!!」



思わぬ所でダメージを与えた!!そしてそのままそいつは落ちた!!



ライト「げ、何か落ちてきた!!さっきの奴か!?
    (敵か!?味方か!?敵だろうけど!!
     でも何かこれじゃ駄目な気がする!!)」



ライトは、なんととっさにその落ちてきた者を受け止めた!!


デッド「は!?」

ボルト「ちょっ!!ライト!!」



フォルス「なるほどな、それがお前の正義・・・」

ボルト「いや意味分からん事言ってるなよ。」





????「ぐっ・・・!?」

ライト「・・・救助成功!!」

????「(馬鹿か・・・?)
     一体何のつもりだ?」



ライト「・・・咄嗟に体が動いた、っていうか。
    敵だったとしてもこんな終わり方だとあっけないから。」


????「甘い奴だ・・・下ろせ。」




もう岩は止まっていた。







フォルス「さて、色々聞きたいことがある。
     お前は何者だ?」



????「・・・聞きたいか。」

フォルス「ああ。何故いきなり攻撃してきたのか、
     この機械を使っていたのかなど、全部ひっくるめてな」




????「・・・いいだろう。
     我が名はゴウエン。漢字で書くと「業焔」。聞いてないか。
     ・・・救世主と呼ばれていた者」





ボルト「救世主・・・?」


フォルス「・・・救世主、ねぇ・・・」


ライト「どこかで聞いたような・・・聞いてないかな・・・」


デッド「・・・救世主。
    善か悪かは分からない・・・前、ボルテージ達から聞いた。」


ライト「善か悪かは分からない、だって・・・?」






ゴウエン(ゴウカザル)「・・・ほう?知っているのか・・・」




デッド「本当の事だったのか・・・だったら、今叩き潰してやろうか・・・!!」

ゴウエン「無駄な事を。貴様ごときに我は倒せない。」


デッド「やらなきゃ分からないだろう・・・?」

ゴウエン「そこまで言うのなら潰してやろう・・・」







ライト「!!」




デッド「かみなりのキバ!!」

ゴウエン「インファイト・・・!!」




ボルト「いきなり戦闘!?くっ、よく分かんないが・・・俺達も!!」



と、その時




轟音が聞こえた!!

爆発音か、何かの音が・・・



ライト「な、何だ!?」



フォルス「何か外で起きている・・・!!」




救世主・・・ゴウエンを含め、その場にいた全員が(エリアスもなんとか)外に出た。



そしてそこで見た光景は。






エリアス「あれは・・・!!」


ライト「広場の方で・・・雷の柱が立っている!?」

フォルス「何だあの強大な力は・・・どうなっているんだ・・・?」

ボルト「この雷のエネルギー、何処かで・・・」

デッド「・・・救世主なんかより優先すべきことだな・・・!!
    俺は行く!!」

ライト「いや、全員で行くぞ!!」



デッド「貴様・・・そこを離れるなよ・・・?」



ゴウエン「ふん・・・我を脅すか。面白い。離れないでいてやろう。」






そして、広場にライト達は向かった!!

約3時間でついた。




この頃、ほとんどの救助隊が失踪事件で消えた仲間たちを取り戻していた。

割と時間は経っていた。それに、全員で探したようだ。




そして広場に戻っていた。



だから巻き込まれた



この頃、ボルテージ達とレジェンド達も広場へと駆けつけていた!!




ボルテージ「お前等もか!!」

ライト「そっちもな・・・!!」



デッド「ヤイバ!!救世主が見つかった!!
    だが、んな事言ってる暇も無いか・・・!!」

ヤイバ「見つけたのか・・・!!だが、そんな事考えてる暇が無い・・・!!」




目の前には惨劇・・・跡形も無く崩壊した広場がある!!




ライト「くっ、何で・・・!?
    何でこんな事になってんだよ・・・!!」





その時、ライト達の前にたくさんの救助隊が現れた!!



それこそ・・・!!



ほぼ全てが!!

ルーアルマ、キズナ、ブイズ、ホークアイ、

クレランスにグリーンズ、スターズ、ライカイズ、そしてファサンズ!!



まず最初に話しかけてきたのは・・・!!


ミズピン「お前等!!」


ファサンズのミズピン・・・その後、ルーアルマのフォイアやクレランスのタイムも、

話しかけてきた。3匹がいきなり要点をまとめ始めた。



しかしそれは単純明快だった。


ライト「どうなっているんだっ!?」


フォイア「暴走系能力だ・・・!!」

タイム「それも、史上最高レベルのな・・・!!」

ミズピン「それで、俺等は無事だったが・・・」



俺等、というのはここにいる9の救助隊だろう。





他にもたくさんいたようだが・・・戦闘不能のようだ。

9?

・・・何かが足りない気がするが・・・?



マモル「凄まじいよあれは!!」

ラウンド「突然、雷が・・・!!」

エコロ「ここにいる全員が死ぬと思った・・・」






そんな事見なくても分かる。こんなのの近くにいたならすごいものだ。








雷の柱が立っている。それも、とてつもなく巨大な!!






天空の塔よりも高いぐらいの柱だ・・・。宇宙までそびえるかのような!!





ヤイバ「暴走系能力と言ったな・・・
    それは、前ディバイドの奴等がやってたのと同じような物か?」


フォイア「随分昔だな、奈落の谷の時か。
     その通りだ、けど、全然違う・・・こっちのほうが数十倍以上強い!!」



確かに。

あの場面に出くわした者達は、暴走の恐ろしさを知った。


更に、暴走系能力と言うわけでもないが、

ウィンド(実際はエッジ)の能力の暴走により炎の山で大変な事が起きた事もある。

それを目の当たりにしていたライトはかなりの恐ろしさを知った。能力の。




ライト「だけど止める方法があるはずだ・・・!!
    炎の山で能力が暴走した奴がいたが、眠らせたら止まった・・・
    それに、暴走系能力なら隙ができ・・・」




ブイ「駄目だよ・・・止める方法が無いらしいんだ。
   隙が全く無い。近づいただけで終わっちゃうよ!!」


ライト「は、はぁ!?近づいただけでだって!?
    というより・・・聞くの忘れてたけど、
    一体誰が暴走したって言うんだ!!!!」



ライトは数々の失敗を犯している。ここで失敗を犯すわけには行かない!!

止める方法があるはずだ!!絶対止めてやる!!






と、思っていた。


そして、すぐにその思いは諦めへと変わった。

絶望へと。



元々強い奴が暴走したらどうなるか分かるだろうか。









カルロス「暴走したのは・・・

     サンダーズのリーダー、ピカマルだ」





そう、とてつもない事になるのだ。


そういえばさっきサンダーズのメンバーがいなかった。



ライト「なっ・・・!!」

ヤイバ「・・・どういう経緯で、そうなった?」



フォイア「・・・あいつの仲間が、
     全員・・・何者かに・・・無理矢理、連れ去られて・・・
     更に、そいつがピカマルに何かやって・・・
     そしたら、暴走した」




タイム「あれはきっと・・・最悪の能力。
    無理矢理能力を開放させる、
    救世主しか使えないと言う伝説の能力・・・」






救世主!?





ライト「な・・・!!
    そんな事、が・・・!!
    で、できる訳が無い!!無理矢理開放!?
    あいつ強いんだろ!?それに暴走系能力だろ!?
 
    無理矢理なんてできるはずが・・・!!」



フォイア「だったらどうしてこうなっているんだ!!
          よく現実を見てみろ・・・!!」



デッド「何分前だ・・・?大体・・・」


ミズピン「3時間ほど・・・前」




矛盾している。

3時間前だって?


その時救世主はライト達の目の前にいた。間違いない。





同時に2箇所に存在できる、訳が無い!!



だがそんな事考えてられない・・・!!

今はこれを止めないと!!



ライト「本当に・・・
    本当に止める方法は無いのか・・・?」


マモル「近づけない以上止められないし、
    止める方法を知っているのは・・・」

ラウンド「大体・・・連れ去られた、サンダーズのメンバーだけだと思うよ」











最悪だ。こんなに強い力、いつまでも続いていたら、

ぶっ壊れてしまう。この場所が。この周辺が。














THE・ENDかよ・・・!!


ライト「畜生・・・万事休すかよ・・・!!」



ヤイバ「・・・止める方法・・・思いついたぜ」


ライト「・・・え?」

ヤイバ「あれを超える力で止めればいいんだ」

ライト「・・・?
    そんな力が出せる奴・・・いないような・・・」


ヤイバ「・・・いるはずだ・・・!!
    誰か忘れている気がする・・・!!
    最大最強の力を持った何者かを・・・!!

    1体は思い浮かぶ。救世主だ。
    だが、協力してくれる可能性はマイナスだ。
    と、なって・・・もう1体いるはずだ・・・!!」



レジェンド「・・・それが分かるまで、何とか持たせないといけないな・・・?」



何といきなり、レジェンドはそう言うと、雷の柱の方向へ進んだ。


ライト「レジェンド!?」






タイム「やめておけ!!死ぬぞ!?」

カルロス「誰か分からないけど・・・やめとけ!!」



レジェンド「それはできないな。
      もし時間が少しでも稼げて、

      その時間の差で世界を助けれるなら・・・

      俺の命なんて軽いものなん」



レジェンドはいきなり殴られた。




ヤイバ「命が軽い・・・?笑わせるんじゃねぇよ・・・!!」


その目は今まで見たことないほどの怒りに満ちていた。


ライト「ヤイバ・・・?」





ヤイバ「貴様は馬鹿か!?
    命が軽いだって!?
    ふざけんな!!この大馬鹿が!!
    
    軽い命なんてあると思ってるのか!?」


レジェンド「・・・思うさ!!
      俺は所詮この程度なんだ!!
      実際は何度も命を捨てようと思ったことがある!!
      それが、世界救うためだったら喜んでなげうつさ!!
      偽善だろうがな!!」


ヤイバ「この雑魚がッ!!
    喜んでなげうつ!?
    そんな犠牲の上に世界が成り立つなら、
    この世界は最悪だ!!俺は生きていたくも無い!!
    犠牲の上に成り立ってまで生きる意味なんて俺は感じない!!
    感じてたまるか!!絶対感じない!!」

レジェンド「黙れ・・・何が分かる!!」




ヤイバ「何が分かるって・・・!?
    分からない!!何もな!!分かりたくも無い!!
    分かるわけが無いだろう!?だがな・・・!!
    1つだけ分かるのは・・・!!
    死んだらお前は終わりだと言うことだけだ!!
    それでも死にたいなら・・・!!いや、死にたくても意地でも死なせてやらない・・・」










ライト「こんな事言ってる間に時間が・・・!!」

ボルテージ「くっ、全員で行くか!?」

ボルト「馬鹿!!それこそ最悪だろ!!全滅はもっと駄目だ!!」



ブレイカー「いた!!」


ライト「っ、いきなり何だよ!!」

ブレイカー「暴走しているあいつより強い力が出せそうな奴・・・いた!!」



ボルト「本当か!?誰だ!?」




ブレイカー「リバイブの・・・スピアだ・・・!!
      あいつの力ならこの程度の雷、何て事ないだろう・・・!!」

ライト「だけど確信が無い!!
    いくらあいつでもこれは・・・!!」






ライザー「確信ならくれてやる」

ライト「!?」



ライザー「スピアの能力は三重の封印がかかっている。
     
     その中の2段階まで解除できれば、
     こんな雷5秒で打ち砕く!!」

ボルト「何で・・・
    何でそんな事知ってるんだ!!」


ライザー「・・・知ってるから知ってるんだよ!!そんな事言ってる暇は無いだろう!?
     ・・・奴の封印を解けば大丈夫だ!!
     奴の封印はリミテッドのかけた封印、ストーンとカッターのかけた封印がある!!
     もう1つの封印は解けない・・・とにかく、スピアとその3匹を連れて来い!!」




ライト「追及してる暇はないな・・・!!
    早く見つけて、早く連れてこよう!!
    ボルテージ、ボルト!!俺達だけでも行くぞ!!」



ボルテージ「・・・ああ!!」

ボルト「分かってる!!」






・・・・・・






ヤイバ「さて・・・残ったから言うが・・・
    誰だよお前は・・・!!」


ライザー「・・・」







その頃、実はリミテッド達もこれを見て広場に向かっていた



しかしスピアはいない!!



リミテッド「あんな強いのが・・・!!」



ストーン「スピアじゃないとあれは対抗できないな・・・
     俺は少なくとも無理だ」




スピアは幻想海峡の底に・・・!!



間に合わない!!間に合えない!!







それが「普通」だったならば、だが。




スピア「グズグズしている暇は無い・・・
    この周辺丸ごと吹っ飛ばしてでも早く広場に行くぞ・・・
    何かが今、起きている」















補足 能力について


能力同士でぶつかった場合、強い方が残り、弱いほうの能力は効果が消えます。

能力封印なども、かけられた者の強さによっては打ち砕くことが出来ることもあります。

今回の場合、暴走系能力が発動していますが、

それより強いエネルギーをぶつける事の出来る能力があれば、

能力をとめることが出来るのです。




しかし、ここまで強い能力は基本的に止められないので、

その代りに、能力には脆い所もあります。




もう1つ補足。


伝説の能力は、2つあります。


片方は今回出た、能力の強制発動。

どれだけ強い相手にも有効で、止める事は基本的に出来ず、暴走状態になります。

勿論、既にその時点で能力を発動している相手には効きません。

そしてもう片方は・・・いずれ分かります。