第59話 スピア 果てしない悲劇もお構いなく・・・ 暴走を止める戦いが始まる・・・ 暴走するピカマルに問答無用で突っ込むスピア。 傍から見れば無謀極まりない行動だった。 が、それも杞憂である。 スピア「おらあああああああ!!」 スピアは無理矢理雷を分散させていき、全くと言っていいほどダメージを受けずに突っ込んでいく!! 無茶苦茶だ。あまりにも酷すぎる。 何も悲劇的な場面ではない。ここだけを取るなら。 だが確実に、ここを悲観的に捕らえている者達。 これを見ている者達。 ピカマルの暴走により放たれる雷。それにより、 たくさんの者が吹き飛ばされたり、挙句の果てには ・・・ になっているかもしれないのに。 そして、ここに今残る、動ける救助隊の者達も近づいただけでやられてしまいそうなのに。 何故あいつだけは戦える。 何故あいつだけはやり合える。 何故あいつだけはあそこまで実力がある。 何故あいつはこんなに強いんだろう。 そして、自分の弱さを嘆くのであった。この状況下にして。 どれだけやろうと追いつけないほどの実力の壁がそこにある。 史上最大の救助隊かもしれない。リバイブ。 そしてその中で最大最強の実力を持つ、スピア。 彼の強さは、普段強さなんて考えない者達にすら・・・ 自分の弱さを実感させてしまった。 フォルス「それにしても・・・ 何て強さだ、あいつら。 レジェンドでも追いつけないぜ・・・」 レジェンド「(・・・かなり前。 あいつらの実力を確かめるかのように襲撃した事がある。 まさかあいつはあの時・・・ 自分の実力を見せないため、 わざとやられていたと言うのか? もしあいつが全力をあの時出していたら・・・ あの悪夢・・・ナイトメアも一瞬で滅んでいたかもしれない・・・)」 フォルス「・・・一体何を、目を閉じて考え込んでるんだ?」 レジェンド「・・・あいつは・・・世界を滅ぼしかねない」 フォルス「何?」 レジェンド「場合によってはこの一件がおさまり次第・・・ 排除する」 フォルスは少し、恐怖を持った。 圧倒的な危機感が抱く全てを通り越したかのような恐怖心。 それが、この言葉を出す理由。 こいつにもここまで恐れる者があるのか・・・と、フォルスは思った。 スピア「さて、どうやら半端な力じゃ何も食らってもらえないらしいな・・・ ま、半端じゃなきゃいいんだよな!? 食らえ、チャージビーム!!」 スピアはほぼ全力でチャージビームを放った!! それはピカマルの放出した雷を易々と打ち壊し、ピカマル自身に直撃する!! そしてその時、 圧倒的な恐怖が周囲には浮かんだ。 圧倒的な強さが出す恐怖心を持ったのはレジェンドだけではなかった。 ミズピン「・・・ピカマルの暴走系能力について、前聞いたことがあったんだ。 噂だけだけど。 島1つ粉々に消し飛ばすとか・・・。 確かにこのエネルギーなら消し飛ばしかねない・・・ じゃあこれは何なんだ!? この、それを遥かに・・・遥かに上回る圧倒的な力は何なんだ!!!!」 フォイア「きっと・・・ これは・・・」 次々植えつけられていく恐怖!! 敵対している訳でもないのに巨大になる恐怖!! そしてそれは・・・!!ここまで及ぶ!! ゴウエン「・・・雑魚どもが・・・!? 何だあれは・・・!! あのエネルギーは・・・!?感じた事が無い・・・!!」 恐怖は全てを打ち砕くかのように。 そして その超巨大なエネルギーが周囲を壊滅に導いているとは誰も知らなかった。救世主さえも。 ランス「やりすぎ!!本当にやりすぎ!!」 ライザー「失敗したな・・・2段階解いたらどうなってたことやら。」 フリーズ「おい、お前等・・・!!」 ランス・ライザー「・・・」 フリーズ「こうなる事を知っていて、その封印とやらを解いたのか? それとも、意図してなかった、とかか・・・!?」 ランス「・・・残念ながら」 フリーズはランスをいきなり地面に押さえつけた。 ライザー「なっ!!お前、何しやがる!!」 ランス「・・・くっ・・・」 フリーズ「もういいよ・・・ 最悪だな。特に・・・お前!!」 ランス「何・・・だと・・・」 フリーズ「最悪さ。絶対的にな。 こうなる事を意図してなかった?寝言は寝て言いやがれ・・・ 正直な、俺は俺自身はどうでもいいが、 他についてはどう責任取ってくれんだよ」 ランス「・・・」 フリーズ「取れないっていうなら、手段は選ばない。 お前の命で責任取って貰おうか」 ライザー「!!」 ランス「・・・!!」 悪霊「おい、どうしたフリーズ・・・!? ちょっ、落ち着け!!」 デッド「何をやっている・・・!?」 ブレイカー「ん・・・!? おい、こっちも大変な事になってるぞ!?」 エリアス「え、え、何これ!?」 フォルス「くそっ、面倒事をことごとく増やしやがって・・・!! どうもこの世界は徹底的に俺達を苦しめたいようだな!!」 レジェンド「・・・イカレちまってるよ」 フォルス「ん・・・?レジェンド?」 レジェンド「全てイカレちまってる。 所詮この程度なのか、この世界は・・・」 フォルス「お前・・・!?」 レジェンド「・・・どうすればいいと思う?お前は。 こんな状況、こんな時。 何も思い浮かばないだろう?」 フォルス「・・・確かに思い浮かばない。」 レジェンド「やっぱりな・・・。 つまりもう手遅れなのさ」 その時!! ライト「くっ、いない・・・って!! いたのか!?何処に!!」 ボルト「でも何か周辺の様子が相当おかしいな・・・」 フォルス「ライト!!面倒な時に戻ってきちまったなお前等・・・」 ライト「え・・・!?」 フォルス「状況は見ただけじゃ分からないだろう!! 見た目以上に最悪だ・・・」 ライト「え・・・(ここで、ランスとフリーズが見えた) ・・・!?何だ、何なんだ!?」 フリーズ「お前のせいで、滅んだらどうする気だ・・・」 ランス「こんなので滅びると思うのかよ・・・!!」 フリーズ「・・・危機感を何も分からない奴だな。 所詮この程度かよ・・・」 フリーズはランスに攻撃をしようとしている。押さえつけたまま・・・ ライザー「くっ、やめ・・・」 フリーズ「・・・ねぇよ。やめる訳無いだろ。 れいとうビー・・・」 ライザー「この・・・野郎・・・止まれ!!ギガインパクト!!」 フリーズ「なっ・・・?」 ランス「(今しかない・・・!!)ハイドロポンプ!!」 ライト「な・・・何・・・を・・・ 何をやってるんだ、お前らああああああああああ!!??」 叫びは誰の耳にも入らず、そのまま、轟音にかき消され。 ライト「畜生・・・!!ハイドロカノン!!」 ボルテージ「ブラストバーン!!」 ボルト「かみなり・・・!!」 ライトは、叫びが聞こえないと分かったと同時に、 無駄だと分かりつつも 渾身の力で攻撃して止めようとした そしてそれに続き、ボルテージとボルトも攻撃した ランスとライザーの攻撃はフリーズに直撃した。 そしてその直後。 ボルテージの攻撃がライザーに、 ボルトの攻撃がランスに当たった そしてライトの攻撃が重なり 水と炎と雷により何も見えなくなった。 そしてその頃。 スピア自身の気持ちは高揚していた。だんだん自我は崩壊してゆく。