「俺の名はスライサー…
 最近、俺はある事象に興味を抱いた。
 それは…異世界。異世界そのものだ……」


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それは永遠の世界でのある会話から始まった。



ボルト「…異世界に行く方法について教えてくれ?」


それを言ったのは、彼だった。





スライサー「…興味深い事があるからな」


ボルト「何でわざわざ…」

スライサー「自分の手で確かめたい事がある…
      異世界というそれ自体にも興味はあるからな。」


ボルト「でも何で俺に言った?」


スライサー「…天使達が不在だ」

ボルト「…そうなのか。」


スライサー「どうにかして、その異世界に行きたい。
      方法を知らないか?」


ボルト「まあ行く方法ならある。」







センクレイス王国南西部 謎の遺跡


ボルト「…ここだ」

スライサー「いかにも、といった感じの遺跡だな…なるほど」


ボルト「以前スピアとウィンドから聞いたんだが、
    世界にはいくつか「揺らぎ」の地点が存在するらしくて。」


スライサー「揺らぎ…確か、空間が不安定な場所、のはずだ。」

ボルト「知っているのか?」


スライサー「その程度なら、な。」




遺跡の中に入り、二人は奥へと進んでいった。


ボルト「…で、あれだ。」




開いている扉が存在した。


そこからは光が漏れている…



スライサー「あそこに入れば、異世界に行けるという訳か。」


ボルト「これも以前聞いた話だが、どういう事かと言うと…」









スピア「揺らぎの中心は空間の狭間に続いていて、対応した揺らぎの場所へと出れるのさ」



ボルト「と言う事だ…って、え?」






スピア「なーにやってんだ、スライサー」


スライサー「…偶然だな」




スピア「最近平和だから久しぶりに天使なんて物を考えず呑気にあっちの世界で過ごそうと思ったら…
    何でお前がここにいるんだ?」



スライサー「興味があったのさ…異世界に、な。」




スピア「それはいいんだが…大丈夫なのか…」


スライサー「何がだ?」





ボルト「そうか、そう言えば一つ問題が…
    人間が普通にあっちの世界に行く事は可能なのか?」


スピア「それが問題なんだ。
    何か起こらなきゃいいがな…」




スライサー「…人間が普通にって、どういう意味…」


ここでスライサーはある事象を思い出した。




ボルトと最初に会った時、彼は以前のボルトの姿を見破った。



その時の事から考えると…


スライサー「…まさに異世界、人間のいない世界か…」


スピア「分かったようだな。で、行くのか?」





スライサー「そんな事で怖気づくとでも思うか?」




ボルト「…大丈夫なのか?」


スピア「まあ死にはしないだろ。じゃあGO!」


スライサーは扉の先へと進んでいった。

ボルト「俺も…」

スピア「ちょっと待て」


ボルト「!?」



スピア「せっかくだからどうなるか分からないけど行かないでみようぜ」

ボルト「お、お前…」






異世界(ポケモンの世界)リバース救助基地北の遺跡






この遺跡の周辺で…



ボルテージ「あー! イライラする!」


ウイング「な、何怒ってるの?」



ボルテージ「最近どいつもこいつも俺の事を見下しやがって…ブツブツブツブツ」


ウイング「(怖い…)」



フリーズ「頭を冷やせ。」


フリーズは冷凍ビームでボルテージを凍らせたのだった。




ウイング「…大丈夫なの?」


フリーズ「馬鹿は風邪をひかんだろう…」




ライト「そういうのはいいから行こうぜ…とりあえずこんな所で変に問題起こすのも…」




彼等は、永遠の世界の方と同じように、扉を抜けようとするが、その瞬間…






フリーズ「…? 誰だ…?」



目の前に、一体のブースターがいた……



彼の視点からは…



スライサー「…ついたか。…?
      …姿が変わっている、だと?」