「俺の名はスライサー。
 成り行きでレジストとブレイダーという二体の仲間を得た。
 特にレジストと言う奴は…俺と似ている…どこか…」


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スライサー達は目ぼしい物を見つけられていない。

そのまま一週間が経とうとしていた。



スライサー「この辺りは…」


ゼクティス「地図でも見るか…って…」


彼等の持っている地図は行った事のある場所しか見る事が出来なかった。


スライサー「そうだったな…面倒な地図だ、地図としての役割をあまり果たしていないな」


セレスタ「どうしましょうか…」



すると突然ブレイダーが荷物から紙とペンを取り出した。


ブレイダー「地図か? ちょっと待っててくれ」



スライサー「何をするつもりだ?」


ブレイダー「書くんだよ、地図を」



ゼクティス「はぁ!?」


セレスタ「そんな事出来るんですか?」




レジスト「こいつに任せておけ…」


ゼクティス「馬鹿か! 何も見ずに書く馬鹿がいるか!」



レジスト「こいつは一目見ればもう地図なんて必要無い。
     精度99%程度は俺が保証する。限りなく100%に近いがな。
     後は書く時の線のブレ程度だ」



スライサー「成程…想像を絶する記憶力だな」




レジスト「こいつの取り柄だ。
     まあ、助かるがな。利用できる」


ゼクティス「利用って…」




ブレイダー「素直じゃないぜレジスト!」


レジスト「黙っていろ」


レジストはブレイダーの足を掴み大きく上に振り上げてから、一気に地面に叩きつけた。

地面にひびが入る。



ゼクティス「!」


スライサー「…」




レジスト「全く…」


ブレイダー「ぐ、ぐふっ…素直じゃ…ガクッ」



スライサー「死んだんじゃないか?」


レジスト「100回やっても死なん」



セレスタ「だ、大丈夫ですか?」



ブレイダー「う、うぐっ…優しいお嬢さんだぜ」




セレスタ「大丈夫ならよかったですね♪」


セレスタはすぐに離れて行った。


ブレイダー「…悪気は無いんだよな、あれ…見た感じ。」






そうしてしばらく経って。


ブレイダー「よし、地図完成だ」


ゼクティス「どれどれ…」




ブレイダーの書いた地図は、そこら辺で売られるような物よりも詳しく地形が書いてあった。


それだけでなく、出会った洞窟の所からどういう道のりで歩いてきたかを別の紙に書いていた。


ブレイダー「この紙を地図に載せて道筋を書いて…
      これで大体どんなルートを通ったか分かる。」



ゼクティス「本当に覚えてるのか…冗談抜きで凄い奴だ」







彼等は、一旦戻る事にした。


それなりの収穫はあったと言えるだろう。当然、仲間という。





ただ、まだ始まったばかりである。