PAGE 14 ?????3「私は思っている…彼等が来るのが比較的遅い…」 さて……スライサー達は悪夢のようなあの日の後… レジスト「俺の死期…すまない…ここまでか…」 かなりうなされているレジスト。 一方… ブレイダー「メリープが4137254匹…メリープが4137255匹… メリープが4137256匹…メリープが4137257匹…」 虚ろな目をしながら凄まじい早口で羊(メリープ)を数えているブレイダー。 どんな速度で言っていたのか数が恐ろしい。 まだ夜は明けていない…軽く…というよりもうその光景はホラーさながら。 スライサー「…大丈夫か? そろそろ寝たらどうだ?」 ブレイダー「スライサー…4137258匹…無理だ…4137259匹… 今寝たら呪い殺される…4137260匹…そんな気がする…」 スライサー「…呪い殺されるって…今のお前の方がよっぽど誰か呪い殺しそうだぞ… 下手な悪魔よりはよっぽど恐ろしい」 その比較はどうなのだろうか。 ブレイダー「もう4137261匹も数えたのに眠れない…」 スライサー「…そういえば1から聞いていたがお前全く数え間違いが無いな。 感心した」 ブレイダー「たくさんのメリープに囲まれてモコモコしていたらさぞかし気持ちいいだろうなあ…」 スライサー「そうだな…気持ち良さそうだな…」 よく分からない事を言い始めたブレイダーとそれに全く疑問を抱かないスライサー。 これ、実は、5日後である。 つまりスライサーとブレイダーは5日間眠っていないのである。 ただ、思考回路に異常をきたしているが行動に支障はまだ出ていない。 恐ろしい。 後、レジストは5日間ずっと悪夢にうなされている。 ダークライが近くにいないかチェックしてみたい。 なお、セレスタとゼクティスは普通に生活している。 夜が明けて… スライサー「…海辺にでも行きたい気分だ。」 ゼクティス「ま、まさかそのまま海に沈んで…」 レジスト「(ようやく目覚めた)あるかもな…まあ違うだろう… 気分転換も必要だ…くっ、クラクラする…」 大陸東部の海辺の砂浜 レジスト「…海が見えたぞ」 ブレイダー「ダイビングしようぜ…」 スライサー「ああ…そうするか」 レジスト「落ち着け、お前達はダイビングなんて習得出来ない」 セレスタ「水で顔を洗えば目が覚めるんじゃないですか?」 レジスト「よし…なら…」 レジストはそのままスライサーとブレイダーを軽々と持つと… セレスタ「え?」 レジスト「これでいいだろう?」 持ったまま海に着水させた。 顔が海に入った。 ゼクティス「(塩水が…)」 やがて泡がぽつぽつと… ぶくぶくと言う音が… ザバァッ、と音と共に二体は急いで海から離れた。 ブレイダー「しょっぱいしょっぱいしょっぱい! 塩分過剰摂取で致死量をオーバーして死ぬ!」 スライサー「…………人とポケモンに同じ致死量が当てはまるか試してみるのもいいかも…しれなくないな」 その実験は誰か死ぬ事が前提になってしまう。 と、突然辺りが暗くなった スライサー「ん…?」 レジスト「急に暗くなったな…雨でも降るか?」 ゼクティス「にしてもいきなりすぎるだろ? こんな一気に暗くなるなんて、どんな雲が…」 と、上を見たゼクティスは絶句した。 ブレイダー「ど、どうし―― たあああぁぁぁぁぁ!?」 巨大な何かが空から落ちてきた! スライサー「逃げろ! 下敷きになるぞ!」 ブレイダー「んな事言ったってそんなの」 気付いた頃にはみんな下敷きになっていた。 セレスタ「あ!」 一名逃れていたようだが。 セレスタ「これは…? いかだ? 何でいかだが降ってくるんですか? そ、それより! スライサー! みんな! 大丈夫ですか!? 後、いかだを飛ばしてきたのは誰ですか!?」 ????1「何だ、誰か叫んでやがるぜ」 ?????1「目の前に落ちてきたからビビったんだろ? 気にする事はねぇよ!」 セレスタ「!? だ、誰かいる…!?」 そりゃあいかだって乗る物じゃないか。 とはいえ…確かに空から降ってきた物だから驚くのも無理はないか…? ????1「誰かいる、だって? 乗る物に誰か乗ってちゃ悪いかよ!?」 かなり喧嘩腰である。 しかしその後最初に聞こえた二つの声とは違う声が聞こえた。 ????2「あれ…? 何か下にあるような…」 ?????2「まさか、あそこにいる何者かが叫んでいる理由は…?」 ????1「は? どういう意味だよ?」 ?????1「それってまさか…誰か下敷きにしたか?」 ????1「気のせいだろ」 ?????1「待て! 気にする事はねぇとか言ったが前言撤回! 誰か押しつぶしてたら大惨事だろ! 急いでどかして確認するんだ!」 スライサー、ゼクティス、ブレイダー、レジストの四体はそれは見事に押しつぶされており、 半分ぐらい砂浜に埋まっていた。 レジストはすぐに出てきたが、ゼクティスとブレイダーは気絶していた。 そしてスライサーは半分どころか完全に埋まっていた。 ?????1「わ、悪かった…俺達が悪かった、本当に悪かった…すまない」 レジスト「あやうく脳震盪を起こすかと思った…一体何なんだお前達は…」 ????1「俺達は、通りすがりの探検隊だぜ!」 レジスト「わざわざ大がかりないかだを作って海を渡る通りすがりがいるか…? そもそも何故降ってきた…?」 ?????2「…海が突き出たかのようにせり上がり、そして吹き飛ばされた。 それだけ…」 スライサー「(砂まみれ)上昇海流… それはともかく、そんなのに吹き飛ばされこれは原型を保っているのか?」 巨大いかだはおそらく原形を留めている。 ????1「ふっふっふ…この超大型いかだ「クインテットコーラス号」はこの程度じゃあ…」 スライサー「…どんな名前だそれ」 ?????1「そうだ、何者かの問いにあれだけじゃ不足じゃねぇか… 俺はハルファス。そしてこの馬鹿がコーラス。俺達のリーダーで見ての通りの大馬鹿だ」 コーラス(エンペルト)「見ての通りの大馬鹿とは聞き捨てなんねぇな!」 ハルファス(ムクホーク)「俺は自分が馬鹿なのは認めてるぜ。てめぇは完全に否定してやがる! 自分の馬鹿さ加減に気付かねぇ馬鹿が!」 コーラス「んだと!? 叩きのめされてぇのか!」 ハルファス「へっ、この場でやるか!? 初っ端から初対面の相手に印象最悪な上に更に印象落とすか!?」 コーラス「ぐっ…」 ハルファス「分かりゃあいい。 で、後ろの二体だが…取っ付きにくいのがミーティア、 そして俺達の中で唯一常識を持つシーリアだ」 ミーティア(キュウコン)「私まで常識が無いと思われるからやめてくれない?」 シーリア(モココ)「お、落ち着いて…!」 ハルファス「わりぃわりぃ。間違ってたのか。」 スライサー「こいつらはコントでもしたいのか」 レジスト「知らん」 セレスタ「大丈夫?」 ブレイダー「もう、駄目か…」 レジスト「死者に奏でるレクイエムを望むのか?」 ブレイダー「下剋上までは死んでたまるかァァァ!」 スライサー「………疲れる」