「俺の名はスライサー。 方位磁石は使えない、懐中電灯は電池切れ、食料は生肉のみ。 あの後仕方なく食べたが案の定というか不味い上に腹痛を起こした。 まあ仕方ない。俺自身のミスだ、何も言い訳するつもりは無い。 ただ、生で肉を食うのはやめておけと言う事だ。」 PAGE 3 スライサーは腹痛に悶えていた。 スライサー「…腹が痛い。過去、ここまで死ぬかと思った事は無い…」 彼は冷静に悶えた。意味が分からないが。 そこへ… ????「だ、大丈夫ですか!?」 ?????「どうしたんだ? そんな所で悶えて…」 スライサー「…誰だ?」 ?????「俺らの事はどうでもいいだろ、今深刻そうなのはお前だ。」 ????「お腹が痛いんですか!?」 スライサー「…ああ」 いきなり謎の二匹がスライサーの前に現れた。 悪者ではなさそうである。 スライサー「…それは?」 ????「薬です。腹痛に効きますよ。」 スライサー「薬…か。そんなのあるのか」 ????「普通ありますよね?」 スライサー「(文明はかなり発展している…と。)」 ?????「ただしそれ副作用として体中が痛くなるんだぜ」 スライサー「…悪化させる薬か」 ????「口を開けてください。 えっと…どれくらいが適量でしたっけ」 ?????「店で買ったものだから知らん」 その店は最悪だ。 ????「じゃあ……全部入れちゃいましょうか♪」 スライサー「(何だと!?)」 ?????「おう、いけいけ。」 スライサーは大量の薬を飲まされるのであった。 スライサー「(体中が痛い…俺はここで死ぬのか…)」 約一時間後 スライサー「耐えた…」 ????「ご、ごめんなさい…」 ?????「悪い、まさかあそこまで副作用が強いとは…」 スライサー「…いや、気にするな。 腹痛は治ったし、もう痛みは無い。ありがとう」 ????「あ…どういたしまして!」 スライサー「ところで、悪いが道を尋ねたい。 何所でもいい、食料がありそうな所って無いか…?」 ????「あ、わたし達の所に来ますか? 食べ物なら分けてもいいですよ。」 ?????「ああ、こういう奴は放っておけないな。」 スライサー「いや、それは流石に悪すぎる。 こっちが何も返せない以上それは…」 ????「そんなの気にしないで来てください!」 スライサー「…」 スライサーは引っ張られるがままに連れて行かれたのだった。 ????「ところで貴方の名前は何ですか?」 スライサー「…俺はスライサー。 …まあ、ここで会ったのも何かの縁なんだろう」 ????「スライサー…覚えました! わたしはセレスタっていいます。よろしくお願いします!」 ?????「俺はゼクティス、まあよろしく頼むぜ。」 スライサー「…セレスタ…ゼクティス、か。」 ゼクティス(ギャロップ)「それにしてもお前の荷物、武器でも入ってるのか?」 スライサー「武器…ああ。」 スライサーは剣を取り出した。 護身用…と言っても使う必要はなさそうだが一応持っておいたのである。 セレスタ(トゲキッス)「剣士なんですか?」 スライサー「…これでも元々は人間なんでね…」 セレスタ「あ、わたしもですよ」 スライサー「…(元人間は珍しく無い、と。) 俺はこの世界を調べに来たのさ…興味本位だがな。」 ゼクティス「ほう、興味本位。この世界って事は異世界から来たんだな? こいつもそうなんだがな。俺は元からポケモンさ。」 スライサー「まあ、そうだな。」 そして、連れてこられた先は… ゼクティス「ここだ。ほら、あそこの気にリンゴが実っているだろう。食えばいい。」 セレスタ「美味しいですよ! だって美味しいですから。」 スライサー「そうか。ありがとう。」 ゼクティス「まあ結局、住んでいる所の目前にあるからとってるだけなんだがな。 所有者はいないようだし大丈夫だろう」 スライサーはリンゴをいくつか食べた。 スライサー「ふう… ここまでされると、何か返さない訳には行かないな。 何か俺に出来る事は無いか…?」 セレスタ「えっと…」 スライサー「何でもいいぜ…どうせ時間はある。」 セレスタ「なら、わたし達と一緒に探検隊やりませんか?」 スライサー「…探検隊、だと? 何だそれは?」 ゼクティス「知らないのか。まあそうだろうな。異世界の奴だろ? 探検隊ってのは…まあ探検するんだ。以上。」 スライサー「簡略化しすぎだろう…まあいい、礼を返すにしては楽すぎるが、それに乗ろう。 足がかりがあった方がいいしな…」 セレスタ「じゃあ決まりですね! と言う訳でせっかくなので探検隊の名前決めちゃってください」 スライサー「…そこを任せるのかよ。 …探検隊の名前、ねぇ…」 ゼクティス「そう考え込むな、あまり変なのでも嫌だが…」 スライサー「…お前、セレスタって言ったな。少しそれを借りよう」 セレスタ「え?」 スライサー「元々、「セレスティア」と言う言葉があってな。 天上…及び天上の存在を指し示す言葉だ… お前の名前からそれが浮かんだんでな。 「セレステラ」…ってのはどうだ? 少しその言葉を変えただけだが。 そこまで変じゃないだろう?」