「俺の名はスライサー。 探検隊って正直何やるか知らん。 あの後色々あって周囲をたまたま通りかかった奴に教えてもらった。 何か依頼される事もあるらしいな。それをこなしたり、すればいいんだろう。 …聞いた相手の表情が冷たかった。常識だったんだな…また一つ調査出来た。うん。」 PAGE 5 また翌日。 スライサーは一人…じゃなくて一匹でうろうろしていた。 周囲の環境を把握しようと思ったのである。 結局あの紙と変な物と箱については分からなかった。 スライサーと言えど異世界の物に詳しいわけではない。 スライサー「…さて、どうしたものかな。 まあ、余程変な所じゃなければ…ん?」 スライサーは洞窟を発見した。 スライサー「ここは…?」 一方 スピア「見つからないな」 ウィンド「駄目だなこりゃ」 エリアス「でも多分周囲にいるよ」 ウィンド「何でだ?」 エリアス「ここから見てどこかの方向にいるはずだけど…」 ウィンド「根本的には間違っていないからどう突っ込んでいいか分からない」 さて…洞窟に入ったスライサーは…… スライサー「入口が消えた、だと?」 戻れなくなっていた。 スライサー「軽い気持ちで入ったら痛い目を見るのか…まあいい。」 スライサーは荷物から剣を取り出す…が… スライサー「(…どうやって持って、どうやって振れと? 使えん…)」 かつてウィンドがポケモンの世界の方で剣を使う時、 天使化→翼で移動→剣を振れる となった。 スライサーにはそんな事出来ない。 洞窟の外 スライサーは落ち込んでいた。 結局あの後脱出方法は分からず、気付けば周囲を取り囲まれて袋叩きにされていた。 いくらスライサーとはいえ主な戦闘法を封じられていては最早どうしようもない。 そしていつの間にか外に放り出され、おまけに持っていた荷物は全部無くなっていたのだった。 剣も。 スライサー「覚悟していろ…集団で襲いかかるしか脳の無い連中め……」 何とか持ち直した彼は復讐を誓い、その場を後にするのだった。 その数日後、その洞窟で ウィンド「あれ? これスライサーの持っていた剣じゃ……」 エリアス「え?」 スピア「(…不用意にダンジョンに入って袋叩きにでもあったのか… まあ剣をあっちの世界と同じ感覚で使える訳は無いよな…)」 ウィンド「これ、どうするんだ?」 スピア「…とりあえず持って行って、あいつに会ったら渡そうぜ。」 その頃スライサーは… スライサー「はあっ…はあっ…くっ…」 ゼクティス「ありゃ日課なのか?」 セレスタ「まさに猛特訓ですね… スライサー、そろそろ休みませんか? 美味しいリンゴがありますよ?」 スライサー「まだだ…まだ…取り返す…!」 更に数日後、またあの洞窟で スライサーはポケモンとしての技は一応身につけたらしい。 だがあまりにも心許ない予感がしたためセレスタとゼクティスも来た。 ゼクティス「全く、ダンジョンにあなぬけのたまも持たずに入るかよ…」 スライサー「…そんな物知らなかった。」 セレスタ「でもいつか分かってくるはずですよ! わたしも手伝いますから!」 スライサー「あ、ああ…ありがとう。」 最深部 スライサー「何所にも無い」