「俺の名はスライサー。 今日は遠出する事になったため、準備中だ。」 PAGE 8 スライサー「遠くまで行くんだから、準備は慎重にな。」 ゼクティス「スライサー、バナナはおやつに入るか?」 セレスタ「水筒の中身はモモンの実のジュースでもいいですよね?」 スライサー「バナナ? 弁当箱の中に叩きこめば弁当、違うならおやつだ。 水筒の中身は何でもいい。」 ゼクティス「よし、準備出来たぜ!」 セレスタ「早速行きましょう!」 スライサー「そうだな。 …ん? 何かおかしい気がするが…まあいい。」 × 探検 ○ 遠足 スライサー「…………」 そうして彼等は、南の方の海岸線にまで出てしまった。 セレスタ「さ、ささささささむいです!」 スライサー「大丈夫か…?」 セレスタ「さむいです! さむいです!」 ゼクティス「俺の気合が消火された…」 スライサー「あの遠足気分から考えて元から火が点いていないだろう」 そのままとりあえず休む事にした。 寒いので、焚き木をする事にした…。 三体で火を囲んでいた。 セレスタ「暖かいです…癒されます…」 スライサー「癒され…?」 ゼクティス「火の中にダイブするのか!?」 セレスタ「ゼクティスがダイブしてて下さい。 わたしはそこにたくさん水をかけてあげますから」 ゼクティス「そんな気遣いは結構だぞ…」 凍えさせる気なのだろうか。 スライサー「…なあ、知っているか?」 セレスタ・ゼクティス「?」 スライサー「ちょっと変な話をしてしまうが… 火と言うのは、様々な物を燃やす物だ。 火は何かを破壊する」 ゼクティス「そうだな。だけどそれがどうかしたのか?」 スライサー「だけど、火というのは、生命の象徴でもあり、「作り出す者」でもある。 事実、文明と言う物は火をもって発展してきたとも言える。」 セレスタ「…「作り出す者」…」 スライサー「…俺の火も、何かを作り出せるだろうか」 突如語りだされた事。 彼は、その火を見つめつつ、話していた。 同時に、自分をも見て…。 ゼクティス「さあな、それは分からん…というか俺にはよく分からん」 スライサー「いや、分からなくていいさ。 …これは一つの価値観、限定された者じゃないからな…」 セレスタ「…でも、何で突然そんな話を始めたんですか?」 スライサー「いや、な… 「希望」という火が「未来」を作れるかどうか…そんな事を考えてみた。 それだけさ」 セレスタ「「希望」の火が「未来」を作る…何だか素敵ですね」 スライサー「素敵、か。 そううまく行くか…」 セレスタ「行きますよ、だって…」 スライサー「…?」 その先を、彼女は話さなかった。 スライサーは追及しようとはしなかった。 いずれ分かるだろう、と… 結局彼等はその日は眠ってしまった。 彼が朝起きた時には、火は消えかかっていた… その種族特性上、火は簡単につけられるはずだが、スライサーはあえて原始的な方法で再び火を点けた。 しかし、非常に素早く火は点いた。 スライサー「…さて、しばらく経ったら探索開始だな… 自然環境の調査なども行いたいところだが…」 ゼクティスはたたき起こしてもよかったが、 セレスタは幸せそうに眠っていた。 彼女はスライサーにいつの間にか寄り添っていたのだが。 そんな彼女を無理矢理起こすのも気がひけた。彼はもう一眠りし始めたのだった…