第11話 揺らぐ大地 刻む時(前編)


ディルは一体で遠くまで行くことにした。

ただ、その途中でギルドの面々と出くわしたらまずい事になると思った。



しかし…遠征とか言っても、異常な程遠くまでは行かないだろう、と、彼は考えた。


だから、せっかくなので自身の力を見せつけたりする意図も含めて…


ギルドの面々よりも遠い場所まで探検に行こうと思ったのだった。




ディル「…熱水の洞窟、ねぇ」


彼はそんな場所を耳にした。

遥か南東の方角にあるらしい場所、だが。


そこに何があるのかは分からないらしい。


理由も分からないが、とにかく誰も、何があるか分かっていない。




そんな場所を聞き、彼はそこへ向かったのだった。







だが、運命とは気まぐれな物である。


ギルドの面々もそこへ向かっているとはお互い知らなかったのだった。



数日後……


熱水の洞窟の近く…濃霧の森


ソフィー「…キレたりしてないかな」


ファング「大丈夫! すげぇ冷めてるし、寝てるに違いない!
     それにきっと許してくれるさ!」


ソフィー「(…全くそう思えない)」



プクリンのギルドの面々は、キャンプをしていたのだった。


この辺りを探索中らしい。


そして彼等の寝静まった頃に。








ディル「こんな所にテント…だと?
    何だ…? 集落か…?

    まあいい、こんな物気にする必要は無い」





しかし近くのテントから何か聞こえた。



そのテントには、あのペラップがいたのであった




テントから聞こえる声「コラー!…ZZZ」






ディル「!? ま、まさか…!?」



彼は走って森の奥まで行ったのだった。






ディル「くそっ…予想外だ。
    偶然にも程がある…誰だよ、仕組みやがったのは…

    …それにしても視界が悪い」



辺りは深い霧が立ち込めており、先に進むのは難しそうである。



ディル「…まあ、この程度問題無い…とにかく先に…」



ガンッ! という音を立て、彼は何かにぶつかった。






ディル「…くそっ、問題あるか……これは?」


目の前には、何かをかたどった石像があった。

何か書いてある。


ディル「グラ―…ドン?
    何だそれは…? 意味が分からない……と、
    だが…これは何かに利用できそうだな…」