第5話 異なる時



プクリンのギルド


ペラップ「・・・時の歯車が盗まれ・・・
     キザキの森の時が、止まってしまったらしいのだ。」





数時間ほど前、キザキの森を駆け抜ける怪しい影。


何者かが確かにそこにはいた。


誰もその事実を知らず・・・



だが、偶然の遭遇があるとは誰も気付かない。








トゲトゲ山



????「いや・・・本当に助かった・・・ありがとよ!!」


ディル「こんな奴等、倒すぐらい何とも無いって。
    そりゃ囲まれてたら辛いかも知れないけどな」



????「つ、つまり俺は弱い・・・!!」

ディル「・・・いきなりそうやって考えるなよ。
    っつーか、どんな奴でも強くなろうと思えばいくらでもなれる」


????「そ、そうなのか・・・?」




ソフィー「そうなの?」


ディル「まあそういうもんさ。
    そういうもんなのさ」



????「じゃ、じゃあ俺でも強くなれる!?」


ディル「まあ、出来るだろ」





????「・・・昔から俺ってさ、
     あんまり強くなくてさ、
     いじめられた事もあってさ、
     ・・・だから強くなりたくて、
     こういう所に来てたけど、自信なくして、」



何か突然語り始めた。



ディル「なるほど・・・」



????「でもあんたのいってる事が確かなら俺にもまだ可能性がある!?」


ディル「・・・ま、普通にやっても無理だと思うが・・・



    そうだ、いい事を思いついたぞ・・・。」




ソフィー「?」


????「??」




ディル「俺達の仲間にならないか・・・?」


????「え!?」




ソフィー「ディ、ディル?
     あんまり強くないのを入れても足手まといに」


ディル「ならないな。」


ソフィー「え・・・」




ディル「自らに希望を持てれば十分だ、
    そういう奴が、最初強いだけの奴よりもいいからな・・・」



ソフィー「・・・そうなの?」

ディル「ああ、そう思ってる。
    ・・・にしてもお前って結構冷めた奴なんだな?」



ソフィー「君だって普通に冷めてる所あると思うけど」




????「ほ、本当に入れてくるのか!?」


ディル「俺は大歓迎。
    で、お前の名前は?」




????「お、俺はファング!
     ま、まあ、よ、よろしく・・・」




そりゃあいきなり誘われたらこうなる。




ディル「ファング、か。
    さて、これで終わりだな、ギルドまで戻るか!!」






とりあえずギルドに戻ってゆっくりしようと考えた。




だが、そうはいかなかった。








位置的に、磯の洞窟の辺り






ディル「・・・道を間違えてしまった。」



ソフィー「・・・ど、どうしたらこんなに間違えるの・・・」



ファング(グラエナ)「(あれ?思ってたより・・・)」





その時、猛スピードで駆け抜ける1つの影が!!



ソフィー「あ、あれ?
     何あれ・・・」


ファング「す、すごい速さのが!!」





それは、何かを持っていた。






青い色の、歯車のような物を。



ディル「何か持ってやがる・・・」



ソフィー「え、まさか・・・追うの?」


ディル「・・・いや。
    何か分からない物を追うのはやめておいた方がいいだろうな。
    だが・・・」


ソフィー「だが?」



ディル「何かありそうだな・・・?」






プクリンのギルド、ディル達の部屋





ファング「探検隊リジェクト・・・
     リジェクトって、「排除」って意味?」



ディル「ま、そうだな。」



ファング「・・・すげえ格好いい・・・!!」


ディル「(そうか?)」





・・・1日は過ぎていく・・・




平和な日は珍しいものだ。