プロローグ 離すべきではないその手から




「しっかりつかまっていろ、あと少しだ!!」




「もう少しだ・・・!!」



「だ、駄目だ・・・」








ある日ある時、何かが始まった。



2つの声が聞こえる。そこは何処なんだ。



一体何なんだ。



だがこれを聞いたものは誰もいない。



だから誰にも知られずひっそり幕は開く。











何処かの砂浜




???「う・・・ううう・・・こ、ここ、は・・・」




何処とも分からぬ場所で彼は目を覚ました。


だが体は動かない。重い。まるで自分の体ではないかのように。





???「どこ・・・だ・・・何も・・・分からない・・・
    一体・・・」



何も分からず、動かず。


ただ、その場で・・・。




・・・彼は一度、目を閉じた。


これは夢かもしれない・・・だが何も分からない・・・自分自身の事すら・・・


だったら・・・夢だとしてもどうしようもない・・・





一体何が起こるって言うんだ・・・?