トランス・10 2人目の犠牲者


光がやんだ時彼の姿は変わっていた。フィフスの時のように。




ブラッキー・・・分類としては、フィフスがなったエーフィと対となる。




だが、比較的彼は落ち着いていた。


その理由は・・・





光に包まれていた時のあの精神。

「恐れるな・・・」





それに限る。






スピア「ちっ・・・
    またやられた・・・
    すまないな、2人とも。
    もしかしたら俺等のせいかもしれない・・・」



アーク『・・・?』

フィフス『アーク、これじゃお前もあいつらに言葉を言えない』

アーク『不便だな、本当に・・・』




ウィンド「スピア、どうする?
     あいつらの思う壺だぜ、これじゃあ・・・
     次来た時また同じ目にあうかもしれない」

スピア「・・・だが・・・
    どうすりゃいいんだか・・・」





ウィンド「・・・何かお前らしくないな」

スピア「・・・ああ・・・
    連絡等・・・お前に全部頼んどくわ・・・俺・・・自分でも分かるぐらい落ち込んでる」






その日・・・



ウィンド「ってな訳でスピア戦意喪失。
     どうすりゃいいんだ・・・
     俺一人じゃ間違いなくあいつは・・・」



?????「・・・ウィンド。
      とにかく、一人でも、耐えられればいいんだから、
      今まともに動けるあなたがかわし続ければいい・・・
      スピアの事は、放っておきなさい」


ウィンド「は!?そんな事する訳ねぇだろ!!」



?????「・・・これは、命令。世界のための」


ウィンド「・・・ちっ、何で俺が・・・」








次の日




フィフス『おいおい、いつまでも落ち込んでるなよ・・・』

スピア「・・・」

フィフス『おーい・・・』


スピア「・・・怖い」

フィフス『?』



スピア「もう耐え切れる自信は無い
    希望を持つだけの思いも無い
    そして耐え切る力も無い
    何も無い
    恐怖しかない

    いつか俺もああなってしまうのか、それを考えると恐怖で夜も眠れなかった」





フィフス『・・・』






フィフスは喋れない、伝えられない。

アークもそれと同じ。

スピアは完全に参ってしまっている。


よって・・・




ウィンド「・・・俺が色々考えないといけないのか、これ・・・
     ・・・にしても・・・
     スピアの奴、あの直後は落ち着いてたのに、
     その後急に落ちこんだな・・・
     ・・・全く・・・
     
     行くべき場所は・・・この大陸の別の街・・・
     念のために・・・」




ウィンドは、何かの連絡機みたいなのを取り出した。

そして・・・何者かと連絡を取った。


ウィンド「・・・聞こえるか、パイロープ」







「・・・何?」


ウィンド「まずい事になった、すぐに来てくれ・・・――――――――の街へ。
     精霊都市へと・・・。」



「・・・分かったわ。でも、何が起きてるのか教えて」



ウィンド「・・・傷を持つ者が既に2人やられてるんだ」


「・・・スピア?」


ウィンド「いや、違う。他だ。だがあいつも精神的に参ってる。
     次来た時には俺かスピア、下手すると両方食らうかも知れない。
     念のため・・・お前と合流したい」






「・・・うん」









その後・・・



「精霊都市」と呼ばれる街へフィフス達は向かった・・・






巨大教会の街・・・







だが、まさか2日連続で襲撃を受けるという可能性を彼は考えていなかった。