トランス・11 目論見 パイロープという少女。 ウィンドと連絡を取った彼女は、精霊都市へと向かう。 彼女もまた・・・傷を持つ者・・・ 精霊都市、と呼ばれる・・・ある、街 フィフス『ここは・・・』 よく分からない街だ、そんな雰囲気だったので、ウィンドは言った。 ウィンド「・・・奴の故郷。 あの天使のかつての故郷。 それが・・・ここだ。 意表を突いて、ここに来た訳だ。 懐に潜り込むって奴」 アーク『意表をつく行動って逆に読まれるんだが・・・』 フィフス『言っても聞こえないだろ』 スピア「・・・」 スピアはまだ参っている。 そこへ・・・ フィフス『ん? この街にもポケモンっているようだな?』 目の前に1匹のポケモンを発見。 グレイシア・・・エーフィやブラッキーに近い種族。タイプは全く違うが。 簡単に言うと、進化元が同じである。ただし、この物語に進化などの概念はさっぱり無い。 いや、存在するが、そういうのは関わってこない。 ・・・さて。何と、そいつが近寄ってきた。 フィフス『・・・? 来たぞ・・・?』 アーク『まあ不思議じゃないわな』 ウィンド「素早く来てくれたな・・・」 フィフス『ん?』 ?????「行動が、早いから。」 フィフス『!!』 アーク『人間の言葉を・・・喋っただとぉ!?』 ウィンド「ふう、これで一先ずは大丈夫か・・・ ん?どうした?」 フィフス『人間の言葉を喋る・・・』 アーク『苦労しない・・・って!!そうじゃなく!! てめぇ何者だ!!』 すると今度は、きちんと人間の言葉じゃない方で話してきた。 ?????『私の名はパイロープ・・・傷を持つ者の一人』 フィフス『傷を持つ者の・・・』 アーク『一人だって・・・!? 他にもいるっていうのかよ!!』 パイロープ『実は、数百人単位でいるの・・・傷を持つ者は』 衝撃。 そこまでいるとは!! ただし、この世界には数兆億単位で人がいる・・・巨大な世界だ。 そう考えると、少ない・・・ それは問題ではないが。 フィフス『・・・ってか、ウィンドの知り合いか?』 パイロープ『そう。傷を持つ者のうち、十数人は、 あの天使に対抗しようとしている。 ウィンド、スピア、そして私もその一人。』 フィフス『・・・すげぇな』 その時、上から声が聞こえた。 スピード「本当に、いつも邪魔をしてくれる」 空を、飛び・・・ フィフス『!?』 パイロープ「・・・スピード・・・」 フィフス『・・・スピード?』 アーク『それが、奴の名前か!?』 パイロープ『ええ。これはウィンドとスピアは知らないけど。』 スピード「・・・邪魔な奴だ。 何処かに行って貰おうか!?」 スピードは巨大なエネルギーをパイロープに放った!! ウィンド「不意打ち・・・!! ちっ!!」 スピア「・・・」 ウィンド「スピア!!あのエネルギーを・・・」 スピア「・・・無理だ・・・俺には」 完全に、心が死んでいる、そんな状態。 ウィンド「・・・スピア!! ・・・駄目か・・・!! どうする!?どうする・・・!?」 結果。 ウィンド「こうするしかねぇだろが!!」 代わりに受けた。 スピード「・・・ほう。 じゃあ・・・他のを封じるか」 今度はフィフスとアークに向けて・・・!! ・・・何かが違う? ウィンド「させるか!!」 ウィンドはまた代わりに受けようとしている。実は、あまり痛くない。 見た目はすごいが、どうも軽いらしい・・・が、2発目以降もそうとは限らない。 同じ物じゃない。 パイロープ「ウィンド、それは駄目!!」 ウィンド「は?」 パイロープ「あなたも変えられてしまう!!」 ウィンド「な、何!?」 スピード「・・・そうすると思ったからそれを使った。 今頃分かってももう遅い!!」 ウィンド「・・・じゃあ代価渡せよ?」 スピード「・・・何だと?」 ウィンド「てめぇの命で、代価払いな!!」 ウィンドはもう自棄である。 手に剣を掴むと 投げた!! こういう時の力は何倍以上にも膨れ上がる。 そしてそんな状況になってもスピアは何もしない。 スピア「・・・無理だ・・・」 スピード「くっ・・・!!速い!!避けられないか・・・!! だが・・・ お前も受けるな・・・お互い様だ・・・ 例え俺が倒れようが、この計画は俺一人がやっている訳では無い事を知れ・・・」 轟音が響き・・・双方の攻撃が双方に命中する!! ・・・相違。