無限の空 後編


ウイングの父親は若くしてこの世を去った。大体25歳程度だったらしい。



その死因は

殺害






そう、ウイングの母親が殺したのだ。


その理由をウイングは知らなかった・・・訳では無かった。





ある日、ウイングは母親のある言葉を聞いていたのだ。







ウイングの母親「ふふふ・・・あの男も、騙されて。
        結局、殺されると言うのに・・・

        そして、ウイングも、私の言いなりになるようにして、」




陰謀が渦巻いていた。

ウイングは、ただ 利用されるため に生まれた命だったのだ。




ウイングはそこで絶望した。




ウイングは、心を閉ざした・・・。





そしてその日は来た。



突如聞こえる騒音。叫び声。


ウイングは、その惨劇を見た時、激情に駆られた。








「何をッ・・・!!」


「何で・・・?何で殺したの?
 私を利用するためなの?それだけのためなの!?」



「知っていたのか!?」








しばらく経ち。



そこには、倒れた・・・



ウイング。








ヤイバ「そんな事があったっていうのかよ・・・」

ウイング「あの時力があったら、止められていたかもしれない・・・

     あの人は、その後各地を転々とし、残虐の限りを尽くしていって・・・」



ヤイバ「残虐の限りを・・・尽くした・・・か・・・」




実はヤイバにもそれに思い当たる節があった。







ウイング「・・・どうしたの?」


ヤイバ「そいつ・・・知ってるかもしれない」

ウイング「え!?」



ヤイバ「かつて、ある街で残虐の限りを尽くした女がいた。
    確かあれは犠牲者30000人強、
    危うく俺もその中に入るところだった」


ウイング「・・・!!」



ヤイバ「取り押さえた者達を一瞬にして消し飛ばし、
    立ち向かった者は跡形も残らなかった。
    俺を除いてな・・・まあ、結構昔の話だが・・・」









その街は、巨大な都市だった。



その街に突如現れた女は、まず手近に居る人間を殺って行った。


その内騒ぎが街全体に広がり、その街の軍隊が約50000人ぐらい、挑んだ。





そして、傷1つつけられなかった訳だ





人間の世界の中でも最大最強級の都市だった。その名を「精霊都市」と呼ばれた。


そこの技術を駆使し、そして、








結局駄目だったって訳だ












ウイング「そ、そんな・・・」

ヤイバ「その街は、俺の故郷の近くにあった。
    だから、そこにも影響が出てな・・・ぶっ潰れた。俺は故郷を奪われたも同然だ。
    俺はその後、引っ越したがな。」



ウイング「・・・」



ヤイバ「お前の、母親だな。似てる」

ウイング「え!?でも、人間の世界で。
     それに、ここはポケモンの世界で」



ヤイバ「・・・いや、雰囲気さ。

    殺気を出してるか出してないかの差さ。ま、
    それだけで180度ほど違うんだが、な」





ウイング「・・・ッ、私があの女と似てるなんて!!
     あの女は全て!!私から全て奪って!!
     ヤイバの故郷も奪った!!
     殺したい!!殺したいの!!
     それを押さえる事すら私にはもうできそうに・・・」



ヤイバ「馬鹿か。その話には続きがある」


ウイング「・・・え?」




ヤイバ「その後俺は、その女を追尾してみた。
    そしたら隙が出来たんでな・・・








    滅した。即死さ」




ウイング「・・・じゃあ、もういないの?」



ヤイバ「ああ・・・
    この俺が、黙って見てるだけかと思ったか・・・

    俺は、全て・・・許しちゃいない。」



ウイング「あの女を・・・?」





ヤイバ「違う。人を殺した、己をさ。
    それにお前も許さない」



ウイング「!!」





ウイングの親がヤイバの故郷を滅ぼした者。



ウイングは、ヤイバから嫌われるかと思ったが・・・






ヤイバ「お前の、心の中の憎しみを許さない。
    そんな憎しみ消せ。忘れろ。一生思い出すな。
    そうでもしてないとやってられないぜこんなの・・・。」











それ以降、ウイングはそれを思い出そうとはしなかった。



ただ楽しく居るために。







昔は血で紅く見えた。全て。




今は空は蒼く見える。




無限に広がる空は蒼い。蒼い。そして蒼い。







でも、それでも完全に消去はしない記憶。



これに、意味があるかもしれないから。











きっと。