第59話 槍・風・剣 センクレイス城 ボルト「城は既に別の意味で無法地帯だ」 ラファエル「同情するが…」 ボルト「それにしても…以前は、天使と言うのは神々しい存在で、 人間が触れられるもんじゃないと思ってたけど… …誰がこんな予想をしただろうか……」 ラファエル「まあ、そう言われても仕方ないけどな… 俺は…どうしてこうなったのか今でも分からない… ミカエルだって昔はあんなじゃなかったからな…」 ボルト「昔?」 ラファエル「本当に昔の話だが、 奴は感情を表に出さないタイプだった…」 ボルト「近くにいるだけで大体分かるんだが」 ラファエル「まあ今はな…昔とは大違いだ…」 ボルト「一体何があったんだろうか……」 ラファエル「…まあ、あの頃のミカエルは本当に絡みづらかったからな。 話しかけただけでぶった斬られるかと思うぐらい… 数年前には何とかそこまでやばくはなくなったけどそれでもまだ、な。 なのに今では何だアレは」 ボルト「…軽いノリ」 ラファエル「そう。 記憶では、数十年前は本当にやばい奴だったんだけどな… 「用が無いなら話しかけるな、死にたいのか」とかな」 ボルト「まるで想像出来ない」 城下町 ミカエル「あの頃はハッキリ言って何話せばいいか分からなかったからな… じゃあキャラ付けでもしてみようと思って 「死にたいのか」とか「話しかけるな」とか言ってみたけど結構後悔した で、それ以来もう軽くていいよな、と」 オリフィエル「何だそれ……まあ確かに最初絡みづらかったけど」 ティルヴィング「……つまり、格好つけようとして失敗してた?」 ミカエル「…恥ずかしながらそうなんだな、これが…」 オリフィエル「確かに、起きた時の「あれ?」は素っぽかったけど」 ミカエル「素が出たのさ… っていうかさ、格好いい方がいいだろ!?」 ティルヴィング「そうだけど、でも… クールなミカエルってのもどうなのか…分からないんだけど…」 オリフィエル「クールはスライサーとフリーズで十分だし」 ミカエル「じゃあ俺はどうすればいいんだ?」 ティルヴィング「…どうでもいいんだけど」 ミカエル「酷いだろ…」 オリフィエル「元々強すぎて目立ってるんだし、別にこれ以上目立つ必要性は無いだろ… 俺に出番を分けてくれ、って。いや、出てはいるんだけど」 ティルヴィング「わたしも出番欲しい。」 オリフィエル「いや、お前は別の意味で目立って出番あるだろ」 ティルヴィング「でも…ウィン、じゃなくてオリフィエルの体を乗っ取るぐらいしか」 オリフィエル「それが目立ってるだろうが!」 ティルヴィング「(うるうる)」 オリフィエル「うっ…… ほ、ほら、まあ落ち着け。悪かったから…俺が悪かったから… ほんと俺が悪かったから…いや、本当に俺が悪かったから…」 同じ事を四回も言うか。 ミカエル「(こんな奴だっけ?)」 お前もこんな奴じゃなかっただろうが。 というより、全員変わってきている。 ティルヴィング「……だって、もっと…」 ミカエル「泣かせるなよ…」 オリフィエル「泣くとは思わなかった…」 ミカエル「そりゃ思わないかもしれないけどなあ…」 ティルヴィング「…………オリフィエル」 オリフィエル「あ…いや、俺が悪かったから…」 ミカエル「何回言ってるんだお前は」 ティルヴィング「…まあいいけど。 美味しいものおごって」 オリフィエル「俺が悪かったから…え?」 ミカエル「これはもしかして…」 数時間後 オリフィエル「俺の残金冬景色」 ミカエル「…大丈夫か?」 ↑そう言いながらしっかり食べてる オリフィエル「第一何でお前まで…まあもうどうでもいいや…俺が悪かったから…」 ミカエル「……大丈夫か?」 センクレイス城 ボルト「…つまり、さりげない所から金が消えたのか」 オリフィエル「まあ…俺が悪かったから…」 ミカエル「こいつここまでにこれ数十回言ったんだぜ。」 ボルト「(病気だろ、既に…)」 ティルヴィング「美味しかった♪」 ミカエル「こいつがこんなにテンション高いのは初めて見た」 スライサー「あいつらは…」 ボルト「…結構日常は普通なんだ、きっとな。」 スライサー「いや、普通には見えないが …天使だろうが人間だろうが同じだ。 分類が違うだけで、根本的な物は違わない」 ボルト「…そう、だよな。」 スライサー「…お前やお前の仲間も大して変わらないだろう? 結局、本質は同じだ」 ボルト「…こんなに穏やかな日常は、久しぶりだ…」 スライサー「…そうだな。 …平和がいつまでも続くなら、それに越したことは無いんだが… どうも、感じる」 ボルト「?」 スライサー「…以前、悪魔と戦った頃からか… 何か、おかしい」 ボルト「?」 スライサー「その…な。 自分の中に何かある」 ボルト「は…?」 スライサー「いや、そんな気がしただけだ… 俺はしがない一般人…天使とも、ソル達とも違う… そんな奴に一体何があるか…きっと、何も無い。 だから…」 ボルト「……」 オリフィエル「…? どうしたんだ、あいつ?」