……


「…再び時空間の危機が訪れるだろう…それも、そう遠くない未来にな……」

「本当ですか…?」


「…当然。…その時には果たして生命は生き残れるだろうか?」

「それは…分かりません…」


「…いや、生き残らさなければならない。何としても…何としても、だ……」






GRAND FORCE BE-FORE




第63話 新たなる物語の幕開け




場所はセンクレイス城。


今まで何度も平和が崩れ去った国。

そしてこの城は既に二回崩されていた。



ボルトは、何とか城の守りを強化しようとしていた……





「城の外壁を何らかの金属で固めればいいだろうか…?
 でも…度重なる崩壊のせいでそんな金が無い……」


前回、今回の崩壊時、城を建て直す時に多くの出費があり、改めて使えるほど残ってはいなかった。


「ボルト様、サイバーキングダムのバイタリアス王に、援助を断られました」


「何だと!?」



突然の悪い知らせに彼は驚く。

「どういう事だ…?」


ボルトは、焦りつつもその理由を報告しに来た兵士に聞く。


「えっと…
 「これ以上我が貯金を切り崩せないのだ」だそうで…」


「こっちが悪かった……奴は大丈夫なのか…?」




ボルトは、しばらく黙って考え込んだ。


すると突然、


「こうなったら、使えそうな物を直接集めるしかないか…」

「え、ど、どうやってですか!?」


「とりあえず…」



ボルトは、連絡機を取り出すと、誰かに連絡し始めた……


「どうしたの?」


「あっ、リ、リーフ様!?」

「リーフ?」



そうしていると、突然ボルトと兵士の後ろからリーフが現れる。


「やっぱり、資金難だから厳しい?」


「いや…今、頼んだ」



「ボルト様…頼んだ、とはいったい?」


「ちょっとした手伝いをな…」





それから、彼等が到着したのは数日経ってからの事だった。



城の前に、中型の飛空挺が降りてくる。



「着いたぞ、ソル…」

「着いたことぐらい分かってるって!」



飛空挺から降りてきた二人の青年。


「いくら何でも飛空挺が降りている事ぐらい分かるしさあ…
 スライサー、俺を舐めすぎだろ?」


「いや、念のためだ。
 こっちも暇じゃない時にわざわざ来ているんだから、時間が惜しくてな。」


「急かし過ぎだろ!?」




その後ろから続々と降りてくる。


「もっと早く着かなかったのか!?」

エストレア。


「焦りすぎだって。」

焔火。


「よ…酔った…うぐ」

ライト。




「何だ酔ったのか、ライト。」


ソルはライトにからかう様に言う。

「う…うぐえええ」




しばらくお待ちください





ライトが落ち着いた後、一行は城の中へ入った。



「俺は疲れてる」


「俺は別に…」


「俺は元気満タンだぜ!」


「うぐ」


「誰が誰だか分からないんだが…ライトは丸分りだが…
 とりあえず休んだ方が…」

「仲間のピンチに…休んでられるかよ…!」


そこまでピンチでもないのに無理矢理歩いているライト。


焔火は彼を気遣うが、



「腹殴れば治るだろうがこんなの!」


「ぐぼぉ!」



「馬鹿か! 帰れエストレア!!」


「ハウス!」


「俺は犬じゃねぇ!」


とにかくうるさい一団である。

今までより更にうるさい。




この様子を見てスライサーは呆れていたが、気を取り直した。




そうして…


「ライト…お前顔色悪いぞ?
 呼吸も荒いし…何かあったのか?」

「仲間のピンチにそんな事言ってられ…」


「いやピンチで呼んだわけじゃ…いやそうじゃない訳でもないけど」




「早く話したらどうだ?」


またグダグダになる前にスライサーが場を仕切る。


「ああ、そうだった…実はな、探してもらいたい物があるんだ」



これを聞いてエストレアが露骨に嫌そうな顔をする。

「はあ!? 探し物だと!?
 何でそんなのやらなくちゃなんねぇんだよ、めんどくせぇ」


「お、おい…一国の王の前でそれはまずいんじゃ…」

焔火は頑張ってエストレアをたしなめるがあまり効果はなさそうである。



「…で、探してもらいたい物は何だ?」


「加工しやすくてたくさん手に入る金属」





「じゃあ強度は0でいいんだな、指定無いから」

ソルが即座に言う。


「あ…出来る限り硬い奴で…」


「はあ!?
 そんなの自分で見つけてこいやこの金髪王!
 他人に頼る前に自分で死ぬまで探してからい…」

「黙っていろ」


スライサーがエストレアに一閃。





数時間後、センクレイス上空


「さて、お前達を送ったら早く天使達と合流しないといけない…」


「え、お前は探さないのか?」

「探さないとは言っていない。
 多くの人数で探した方が見つかりやすいだろう?
 それに、他にも色々あってな……」


「うえっぷ」

「大丈夫か?」

「だーかーらー、腹殴れば治ると」

「無理だ!」



ソルとスライサーは三人のやり取りを見て、ため息をつくのだった。


「…チームワークを何とかした方がいいんじゃないのか?」

「…そうかもなあ」