第64話 行方


「スライサー…」

ソルは不安げに聞いた。


「送るって何所までだ…?」


すると、思わぬ答えが返ってきた。


「そういえば考えてなかったな…」


「うぷっ…」



…………


「何だって!?」

焦る焔火。


「てめぇ、何も考えていなかったって言うのか!? っざけんじゃねぇぞ!」

「うぐ…」

「焦るな。センクレイスに戻る…後は自分達でどうにかしろ」



センクレイス城前にて…


エストレアがキレていた。

「あの野郎、どうにかしろって…どうにもなる訳無いだろうが!!」

もっともな事だが、エストレアが言うと妙に納得出来ない。



「う…うーん…」

ライトはダウンしている。





城内


「あー…そうなのか。
 だったら、俺が何とかするから、四人とも今日はゆっくり休んでくれ」


ボルトは話が分かる相手である。



ソル達は客室へ案内された。




さすが、城の客室なだけあって豪華な造りである。


床に敷かれている絨毯、

見た目だけでもふかふかそうなソファー、

どう悪く見ても最高級のベッド。


まさにVIP待遇である。

いや、別にそこまでの客と言う訳でもないのだが。

単に、仲間だからだろう。


もしくは、ボルト自身がこの部屋の豪華さを大して理解していなかったのだろうか。




「スライサーの奴、昔はよく一緒に行動したというのに…」


しかしソルは部屋については何も言わずにスライサーへの愚痴をこぼし始める。



焔火を除いた三人はスライサーへの愚痴を夜通し言い続けるのだった…


「…寝かせてくれたらうれしいのになあ」

焔火は眠ろうとしたが無駄な努力だった。





一方、そのスライサーはと言うと……



「…いないな」


空間天使達のいたはずの場所に彼は行った。

しかしそこはもぬけの殻だった。



「どうやら、移動したようだな。
 まあいい、ボルトの言った金属探しがてら、共に探せばいいだろう…」




そうして、スライサーは再び飛空挺に乗りその場を離れた。





しかし、そこに一つの影が…


「……何で?」




そこにいた天使の名はザハリエル。


存在感の無い可哀想な天使であった。


「…もう駄目だ、色々と」