第49話 救助隊として・・・



どれだけの時が経っただろう、あの時から。

襲撃された時から全ての運命が変わった・・・世界の運命すら。



彼は信じる。勝てる、と・・・

しかしその状況は惨憺たる物だった。



グライダー(の体を乗っ取っていたらしいナイトメア)と戦っていた時は、まだ良かった。

今はもう絶望に絶望が重なってもはや何と言えばいいのか分からない。


絶望×絶望×絶望×絶望×絶望。そんな感じ。





全て絶望に満たされるかのような・・・



ボルテージ「嘘だろ・・・こんなのってあるかよ・・・」



何をやっても、何を使っても、何のダメージも与えられない。

もはや、希望なんて心の何処にも無かった。





ヤイバ「全部同時に当たったはずなんだが・・・」

ストーン「硬い・・・って訳じゃないよな?」






全ての攻撃が意味無き物に化す。どうしようもない。

輪を掛けた絶望で埋め尽くされる。絶望は悪夢と化す。





たった数秒で全滅寸前まで追い込んでくるその力も脅威。


少しの動きで想像を絶するほどの攻撃力を持つ。






それはこれまで味わってきた痛みの中でも最大だった・・・

それも、ただ1発で今までの痛みは既に超えるかのような。








ライトは諦め切れなかった。しかし諦めかけていた。


ライト「(マジかよ・・・こんなのって・・・
     今までにも強い奴等はたくさんいたけれど・・・
     今思えばそんなの楽勝だったかのように思えてくる・・・)」




ライトは今までの事を振り返った。






伝説のポケモン・・・フリーザーとの戦いで・・・

窮地に追い込まれた時があったが、その時は自分の力でどうにかできた・・・


グラードンとの戦いでも、結局は勝利を収める事が出来た・・・

そこまでは良かったのだ。




しかし、後々現れた謎の敵。

シャドウと名乗った、1匹のジュペッタにたったの一撃でやられた時。


そして、周りに何も無い、砂漠で・・・

スピアにもシャドウと同じ技で一撃でやられていた。


更に。エリアスやグライダーにもやられ、

レジェンドが現れた時も(ライトは攻撃されなかったが)対応できなかった。


そしてグライダーが再び現れた時も、ほぼ成すすべが無かった。

たまたま誰か来た、という幸運のおかげで勝ったのだ。




そして今幸運は来ない。

今までより更に激しく辛く、追い詰められている・・・その時に限って・・・。






ランス「このままやられるか・・・!!」


ランスがその時捨て身で、ナイトメアに突っ込んでいった。


あまりにも無謀・・・。




ナイトメア「・・・?」


ナイトメアはここでその攻撃を受け止める事も出来ただろう。

返り討ちにする事もできただろう。だが・・・



避けた。




ナイトメア「ふん・・・遅いな」

ランス「ここで避けるなんて・・・」





追い詰められていたライトにはそれが重要な鍵となるとは思えもしなかった。









ランス「(何かがおかしい・・・)」

スピア「分かった、奴は直接攻撃に弱いんだ!!
    ・・・と言っても全く根拠が無い」



でも修羅場ではこういう予想はよく当たる。


とはいえ、確証は無い上にそんな簡単に突っ込んで行ける物でもない。

さっきは意表をついての行動だから良かったが今度突っ込んでいったら多分無理。





ブレイカー「突っ込むぜ!!」

が、命知らずがいた。





ナイトメア「何!?」

ナイトメアはまたも意表を突かれた!!





ナイトメアは慌てて回避しようとするが遅い!!



ライト「え・・・!?ま、まさか効くのか!?」


さっきまで圧倒的、絶望的な悪夢しかなかったが、

今、たった1分間で一気に状況打破の道が出来た。




絶望と言う物は自然に打ち崩れる物だったのか・・・?




ナイトメア「ぐっ!!」


ブレイカーの攻撃は当たった。そして確実にダメージを与えた!!



ブレイカーは即刻離れた。意外と早かった。






ナイトメア「おのれ・・・だが、まだ我が有利である事は変わらん!!」

ライト「(・・・確かにあっちが有利だけど
     今のでほぼ状況は全面反転した気がする!!)」




また希望は灯った。


そうだ、ここでやられる訳には行かない!!

まだやるべき事がたくさんある!!


助けなければいけない者がいる!!

助けを求めている者がいる!!


それだけで十分だった!!冷静に考えればそれは簡単に考える事が出来た!!


そしてそれは・・・心に希望だけでなく勇気も灯す・・・!!






ナイトメア「突っ込んでくるか!?ならば消し飛ばしてやろう!!」




ライトはもう突撃の体制を取った。後戻りは出来ない。


ライト「うおおおおおおおおおおおおおお!!」


さっきまで絶望だった。だがほんの少しの突破口で変わった。



希望がやってきた。それは・・・





来ないはずの幸運かもしれない。





ボルテージ「ライト・・・!?」




そうだ。恐れる事は無い。

突き進め。光と共に。




























誰も想像できなかった事。

星の衝突を止めるためにポケモンにされた少年。

しかしそれは壮大な物語の始まりに過ぎず・・・

終わるはずの物語は終わらない・・・

崩された世界。崩されたプログラム。崩された・・・生きる道。



しかし生きる道は新たに作る事が出来る。


今はまさにその瞬間。

新たなる希望を灯し、道を作る瞬間。





これから先にどんな困難があろうと

これから先にどんな悲劇が待っていようと

これから先が闇の中でも




信じよう







ライト「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ナイトメア「ふん、所詮は雑魚・・・貴様らに何が出来る!?
      希望がどうした!?そんな物ただのまやかしだ!!
      意味の無いものにすがるぐらいならここでその魂ごと消し去ってやろう!!」










しばらく忘れていた




結構前にちょっと張り紙がしてあった

『救助隊リバース活動停止中』




何処かに行ったライトを全員で探しに行ったとき一旦停止中になった。

それ以来忘れていたけれど・・・今思い出した。












救助隊として・・・

救わなければいけない物がここにある。







絶望が本当に希望に反転して




ナイトメア「散れ!!はかいこうせん!!」





目の前には巨大な光線が迫っていたが





ライト「そんな・・・もの・・・!!」





そんな物こそ、意味の無い物だ





ナイトメア「何!?」





ボルト「すげぇ・・・!!」


ウイング「突き破った・・・?」


ヤイバ「やるじゃねぇか・・・ライト・・・やっぱり・・・」


ブレイカー「おおおおおお!!」






ライト「このまま突き進む!!」




ライトは走る!!走る!!!走る!!!!突っ込んでゆく!!!!!






ただ希望に夢を託し、想いを託し!!




ナイトメア「しつこいぞ・・・貴様!!これで終わりだ!!」




ナイトメアははかいこうせんをありったけのエネルギー使って放った!!



ストーン「やばいぞ!!」


カッター「これはいくらなんでも・・・」


リミテッド「耐え切れないよ!?」


ウィンド「どうするつもりだ!?」











ランス「大丈夫だろ!?」

スピア「信じるしかないだろ!!」









レジェンド「・・・お前は・・・俺の代わりではない。
      お前は・・・俺より強いからな」









ライト自身、これはやばいと感じていた。だが。






―大丈夫・・・できるから・・・
 信じるよ・・・私・・・



ライト「エリアス・・・?」





ナイトメア「ぐ!?体が・・・!?
      どうなっている!?これは・・・!!」





―お願い・・・断ち切って、この悪夢を・・・
 そして・・・




ナイトメア「ぐ・・・貴様ら・・・
      この借りは、この借りはああああああああああああああああああああ!!」






ライト「決まれえええええええええええええええええええええええええええ!!
    全ての希望を乗せた・・・とっしんだあああああああああああああああああああああ!!」








―これで・・・





ナイトメア「必ず・・・返してやる!!
      そしてその時こそ本当の悪夢をおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」










ライトは感じ取っていた。

エリアスはもういない気がする。


でも、それでも助けてくれた。

それで十分じゃないか。忘れなければいいじゃないか。

大切なものを・・・。
























世界の命運を賭けた戦いは


ここにいる者たち以外の誰も知らずに


ただ2分程度で終わった


だけどこれは


事実上数年間の重みがあった


少なくともライトには・・・












希望を・・・乗せて・・・進む・・・新たなる道へ・・・